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第64話

………

「おーい大丈夫かい?」

「!!」

しまった。深く考えてしまっていた。

私は考え事をしていると、知らぬ内に1人の世界に入ってしまうのだ。

私は頭を左右に振った。

「すみませんです……もう大丈夫ですから」

「ふむ、君はやはり面白い。私の助手にならないか?」

「助手……ですか?」

「あぁ、私はここから出られないのでね。君が色々と謎をここに持ち込んできてくれればそれでいい」

「助手……」

「どうかな?」

私は悩んだ。誰かと関わるのは初めてな気がする。

……何故だ?

今の年齢になる今の今までに誰とも関わらない事なんてあり得るのか?

それともただ、忘れているだけか?

…び…りて…らあの空間で目が覚めるまでの、……れて…らのそ…時まで…忘れている?

あり得るのかな……あり得るのかもですね……




暫くの会話の後、モクの順番になり。

「じゃあな、誰が相手か知らないが頑張れよ」

「あなたもね」

「あぁもちろんだとも、じゃあ……ん? どうしたんだこんな所で?」

私からは見えていないが、モクが柱の影に尋ねている。

誰かは分からな…

「はぅ!? すみませんでした! 別にお二人の会話を聞くつもりはなかったのですが、声が聞こえたものでして、そちらに向かったらお二人が居ただけでつい隠れてしまっただけで……えっと…」

…誰かは分かったが、姿はまだ見えない。

「どうしたのミカ?」

「あ、あの…」

柱の影からミカが現れた。

じゃあな、とモクがその場を離れていき2人きりになった。

「何か用事?」

「え、えと……その…」

何だろう、最後に会った時と何かが変わった気がする。

性格ではない、見た目でもない、相変わらず髪の色意外は昔の私そっくりだな……?


……昔の……私?


確か……私は昔……


「ツバサ? どうかしましたか?」

「! いや、大丈夫だよ」

「そうでしたか、なら一安心です」

「それで、どうしたの?」

「はいです。えっとですね、ツバサの相手って誰何ですか?」

「私は、ゼロっていう男の人だけど…」

「でしたら! 私がその人について教えますです!」

そうか、ミカはフレイやゼロと同じようにシード大会の優勝者、彼らと話す機会があった、つまりはゼロについて知っているという事だ。

「ありがとう、早速教えてくれる?」

「了解です! あの人はですね…」



そして私の番になった。

私がたどりつくと、相手は既に来ていた。

改めてみてもゼロは不気味だ。

黒い靴、ズボン、服、髪、まさに黒ずくめだ。髪は目にかかり、目が見えるのかと尋ねたい。

「……大丈夫ですよ?」

答えがきた。尋ねてないのに何故分かるのか。

理由は分かっている。

でもその前に、ミカが教えてくれた事。

彼の死因は、自らによる舌切り。そして思い形見は……



空気だ。


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