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研究レポート byハカセ

やぁ、コレを読んでいるキミ、初めまして。あるいはコンニチワ。

私の名前は……まぁ、ハカセとでも呼んでくれ。

これは、私の居るとある場所についての、他に研究者がいない為に私が調べて書きまとめたレポートだ。

ん? 何故レポートに誰かが読んだ上での自己紹介や説明書きがあるのかって?

それはまぁあれだ。ある魔法の言葉を唱えておいてくれたまえ。



なに? 魔法の言葉を知らない? ならば特別に、この後に記載しておこう。

それを唱えてから、この先を読むようにしてくれ。









魔法の言葉


『細かいことは気にしない』







さて、魔法の言葉を唱えたところで再度記載するが、コレは私が今居るとある場所の出来事や事柄、ここに存在する者達の少々変わった能力を調べて記載したレポートだ。

なに? さっきと違うって? そこは魔法の言葉を(以下略)




このレポートは、大きく分けて4つのグループにて記載されている。

まず初めは、この世界についてだ。


1.世界

まず、この世界は太陽や月という照らす為の光が無く、どこかにある光源のおかげで普通の行動をする上では問題無いほどの明るさしかない。

だがそれでも暗さの方があるので、視野及び歩行による距離や広さの計測。つまり世界の大きさは不明だ。まぁぶっちゃけ歩いて調べようとは思わなかっただけだがな、あまり運動は得意ではないんだ。

とにかく端から端まで、そもそも端があるかも分からないが、世界の大きさは不明のままだ。

この世界には、建物、囲いという物は無いが、ただ、『扉』だけはある。

世界の至るところ、おそらく等間隔にその『扉』は浮いている。

『扉』は計……ある特殊な『黒い扉』を除いて、七枚。その『扉』は開くことで、その世界とは異なる場所に移動する事が出来る。そこは『扉』に入る前の世界とは違い、建物、植物、あらゆる普通に存在する物が存在する。

この世界は、『扉』の奥の世界、仮に『扉空間』としておこう。

この『扉空間』は世界に存在する『扉』の数に、押して開くか引いて開くか、その2動作により異なることで二倍、だがある2つの『扉』は同じ『扉空間』に行く仕掛けがしてある為、5×2+2の12箇所あるということだ。

『扉空間』がある理由はいまいち調べ方が分からずよく分かっていない。決して外を歩くのが億劫な訳ではないぞ? 本当だぞ?

なのでここには、分かっている限りの事柄を、私の予想を混ぜてここに記載しておこう。

・『扉空間』はある一定の区切り……それについては後に記載するとして。風景が変わっている。これはこの世界で主要に動く人物達に合わせて変えられているものだと考えられ、現に、その『扉空間』にどことなく見覚えがある。あるいは似たところを知っているという者が幾人もいる。

・私が思うに『扉空間』は新たにこの世界に来た新参者に対して、ある意味で未練を思い返させる為の優しさだと思われる。




続けて、二つ目、この世界にいる人。人物についてだ。

2.人物

まず初めに記載するが、この世界を訪れる者に、ちゃんとした生者、ちゃんとした死者はいない。加えて人間ではないのであえて人物と上に記載した。

手前の世界で自殺、及び自発に死んでしまった者が手前の世界の誰かに忘れられずに思われる事で存在する。死にきれてない者達。それがここに存在する人物だ。

ここでは『オモワレビト』と記載しよう。

『オモワレビト』が何故ここに来るのか。それはこの世界で戦い、願いを叶える為だ。

その願いとは……いや、それは書いてはいけないな。誰が読むか分からないからな、忘れてくれ。

言ってしまえば、この世界、『扉』、『扉空間』は、『オモワレビト』達が戦う為の場所なんだ。

その戦いにちゃんとした名前は無いが、それを名付けることはあえてやめておく。始めた本人の意思無しに名づけることは悪いからね。

戦いは新たな『オモワレビト』が一定の数に達すると開始され、あらゆる手段で百人にされる。

前に一度、何故百人になったら初めないんだい? と聞いた事があったが、そうしたら……おっと、これではレポートではないね。

百人になったら改めて世界へ新米『オモワレビト』達を招き、戦わせる。そして優勝すると、願いを叶えてくれるのだ。

ここで、ある一つの謎が生まれる。一人は願いを叶えられたとして、残る九十九人はどうなるのだろうか?

それは……前にも記載したが、コレを読む者を考慮して、ここに書く事は自粛しようと思う。

これを読んだ者で、関係者ならば、それはその身で見て知ってほしい。




ここからは、3つ目

3.戦い

前記で『オモワレビト』は戦っているとしたが、それは肉弾戦ではない。

『オモワレビト』達には死んだ後最後にその手が触れた物が彼らの武器になる。更にその死因が、武器に特殊な力、魔法や特殊能力と言ってもいい力が付き、それを手に『オモワレビト』は戦っている。

その武器をある時数人で名前決めをして、『思い形見』と名付けたのでここでもそう呼ぶ。

ここで『思い形見』を持つ『オモワレビト』を、『カタミビト』と言い換える事にする。何故かは――――これを読んだ者に考えてもらおう。

『カタミビト』はこの世界と『扉空間』で優勝者を決める戦いを行うことが定めで、避けては通れない事柄である。

『カタミビト』には痛覚の概念が無く、『思い形見』で傷つけたところで痛いと思うことは無い。だが体には限界があり、特定以上のダメージを受けるとダウン。それが戦いの負けとなる。

負けるとその『カタミビト』に今現在の戦積が言われるらしいが。それを聞いた事は無いので他人から聞いた事だ。

『思い形見』は『カタミビト』の数だけあると言って過言ではない。その者の死因。最初に手が触れた物。十人十色多種多様の様々だ。私が今までに見てきた物も、2つと同じ物はなかった。




さて、ここからは4つ目としておくが、これは正直読み飛ばしてくれても構わない。

なに、ただ少し私の思った事を記載するだけだから読んでもらっても構わないのだけれどもね。



4.この世界のイレギュラーについて

イレギュラーという事態。それはルールから外れてルールでは処理出来ない事柄を差す言葉だ。

私がコレを書いている時、この世界でもイレギュラーを二回見たことになっている。

一度は当事者として、もう一つは傍観者として。

一回目は、別に願いを叶えなくてもいいと言った女性の時。

二回目は、勝敗の数が全く同じになった者達がいた時。

もしかしたらその以前にも行われた可能性があるが、それは私には分からない事だ。

ただルールが簡単で、それでいて難しい分、イレギュラーはよく起きることだったりする。よく今まで二回しか起こっていないと思った。

出来れば関わりたくないが、私は研究員のため、そして自身の待遇の為、関わらなくてはいけない。

これから先、幾回ものイレギュラーを見るかもしれないが、その度に改善点を見つけて治していけばいいさ。とプラスに考えている。




さてと、ここまでとしておくが。最後の一言。


コレを読む者、どこの誰が読んでいるか分からないが、もしも、この世界外の誰かが読んでいたとしたら。



こんなものがあるということを、知っておいてほしい。




                                    著者 ハカセ


これは『オモイノカタミビト』におけるハカセの研究レポート。

今までのそうまとめのようであり、謎を解決できたり、新たな謎を残していたりと、プラスマイナスゼロになるような物です。

少し間をあけて、物語は再開しますので、これをご覧の方は少々お待ちを。


それでは、

感想及びご指摘、あるいは一言、お待ちしています。

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