第51話
「勝負よ、ミナト!」
私は鎖を伸ばした。
「負けないよ、ツバサ!」
ミナトも水の鎖を作り、飛ばした。
カシン
互いの鎖がぶつかり地面に落ちる。
私は素早く回収し、螺旋状を作った。それをそのままミナトに向けて飛ばす。
「その手は食わないよ!」
ミナトは両手のブイを外して鎖に投げつけた。
カン カン
ブイが鎖に当たる。
だが、これはフェイクだ。
本当は……来た。
シパッ シパッ シパッ
カキン! カキン! カキン!
水切りが鎖に当たる。
鎖が水に濡れ、水が意思を持っているかのように動いて鎖のこちら側に流れてきた。そして、それが変化、水のナイフとなりこちらへと飛んできた。
私は十字架を上へと上げて重力をかける。上へと落ちた。
「おぉ! さすがは空を翔る十字架だね!」
「ありがとう」
鎖を戻して左肩に巻き、上への落下を止めた。
「さぁ、いくよ!」
「おうよ! 私も新たな力を見せる時だね!」
そういえば言っていた。ミナトも新たなれ力を手に入れたと。
水の創造+写真を入れるロケットが2つ。
全く予想が出来ないな。
ミナトは先ほど投げたブイを拾い、腕に取り付けた。
「行くよ!」
次の瞬間、ミナトが腕に巻いたブイが腕から離れ、同時に両腕に水が纏わり。ブイが手の先端に繋がった。
それはまるで銃だった。
ブイには腕を通す為の穴が通っている。それがまるで銃口のように、水が作った機械のような籠手の先端にくっついている。
「アクア・ガントレットって名前を付けたんだ」
ミナトも私と同じで、直接攻撃には関係しないタイプらしい。
「行くよツバサ!」