第50話
さぁ!
準々決勝全試合終了だ!
今は準決勝前の休憩中だが、ここで残った参加者ペアの紹介をさせてもらうぜ!
まずは番号十一番
石と棒術の男女コンビ
爆走する列車車掌
レイン選手と
香りの棒術使い
アロマ選手!
続いて番号九番
水と人形の少女コンビ
枷をつけた水使い
ミナト選手と
無口なドールマスター
マイ選手!
番号六番
重力と空間の双子コンビ
空を翔る十字架
ツバサ選手と
ですます砂使い
ミカ選手!
最後に、番号三番…
何か……勝手な名前つけられたな……
あぁ、声を大にして言いたい、私達は双子じゃないと、あの声に言いたい。
……でも、
「今の聞いたか!? 俺、車掌だってさ! カッコいいよな! な!?」
「マイちゃんドールマスターだって! いいな~格好いいな~」
「……うれしい」
「うぅ~私そんなにですます言ってますか?」
「うん」
「確かに」
「……今も言ってる」
「はぅ!?」
……喜んでいる人もいるし、まぁいいか。
今私達は集まって会話していた。その中に、アロマさんはまたいない。やはり私達との年齢差的に会話しにくいのかもしれないな。
4人が楽しそうに話しているので、私はアロマさんについて考えてみた。
姿や性格は分かったし、能力についてだ。
彼女の能力を知らない分、名前の由来から考えてみる。
香りの棒術使い、そう呼ばれていた。
名前の通りなら棒術が基本、ならば近距離タイプだな。
しかし、前半の香り、これが分からない。もしも香りを操るのならば。距離なんて問わない攻撃が可能となるが、香りなんて持つのは不可能だろう。
だとしたら、香りの意味する物は何だろう……?
これから戦う可能性もあるから、レインに訊くわけにもいかないし、そもそもレインが知ってるとは限らないしな……
おーい、ツバサー?
「!?、え、えっと、何?」
また深く考えすぎ過ぎていたみたいだ。
「私達の順番です」
「え……あぁ、試合ね、相手は誰? 何番?」
と言っても三択だけど。
「ツバサ、本当に聞いてなかったんだね」
「えっ?」
「……番号は九番……相手は……私達」
いずれ戦うとは思っていた。確率は3分の2だから高確率で戦うと思っていた。
ただ、その時が来ただけだ。用意はできている。一度は戦ったんだ。いい勝負をしよう。
そう思いながら私は、ミナト達を前にした。
さぁ!
準決勝第一試合
此方番号九番
水と人形の少女コンビ
ミナト選手とマイ選手!
「さぁ! 勝負だよツバサ! ミカちゃん!」
「……負けない」
彼方番号六番
重力と空間の双子コンビ
ツバサ選手とミカ選手!
「こちらもですよ」
「良い勝負をしようね」
試合、開始!
カーン!
私は十字架を構えた。既に作戦は決まっている。
私がミナトと、ミカがマイと戦うという。
作戦でも何でもない、ただの2対2を行うだけだ。
オモイノカタミビト。ついに50話という大台に突入いたしました。
一話一話は短いですが、こうした連載を続け、50話というサブタイトルをつける。自分にとって初めての出来事です。
物語はまだまだ続きますので、よろしかったらご拝読を。
それでは、