第49話
爆発しなかった。
「……あれ? 書き忘れはない筈だけどな」
テルのメールは、内容が間違っていると発動しない。とはいっても物の名前か、人の範囲メートルを書けば発動するので、その物が無いか、その人がいないか、あるいはそのものがそのものと同意するかが必要になる。
「ん~どうしてかな~」
テルが打ったメールを見た。
範囲 妹さんの3センチ内
と書かれている。
「当たり前ですよ」
「え?」
テルの後ろに、ミカは居た。
ドスッ! ドスッ! ドスッ!
「えっ……?」
テルの腹から数本の砂の槍が現れた。
「何で……無事なの?」
「だから言ったじゃないですか」
ミカはゆっくり歩きながらテルの前に回り、メールの文面を見て、呟いた。
私は双子でも、妹でもないんですよ。
――――一方その頃、
「いや~避けるね~、でも、まさか空飛ぶとはね~お姉さん驚きだよ~」
「……それはどうも」
私は鎖を左肩に巻いて宙に浮き、鍵から放たれる電流を避けていた。
「でも、もうそろそろテルちゃんが来ると思うから~その前にとどめだよ~」
キキは鍵をこちらに向けた電流を貯めて、放った。
「サンダー・キャノン」
それは今まで電流よりも大きく、まるで小銃と大砲ぐらいの差があった。
しかし慌てない、はっきり言って、彼女には負けない、鍵による電流しか使わいような彼女にはだ。
これも簡単に避けられるし、隙が多すぎる。
しかし相方が来る可能性があるのなら、こちらも、とどめをさすとしよう。
私は重力をかけて下へ、足がつかない程度に下がりまずは電流を避ける。
そして重力を前にかけて、前へと落ちた。
キキとの間は、直ぐに埋まった。
「おぉ!」
もらった……
しかし、キキもそれだけではなかったようだ。
「甘いよ!」
キキは鍵を手前に投げた。
その瞬間……
何も起こらなかった。
……えっと、
「なんちゃって~何も起こらないよ~てへ♪」
キキは笑っていた。
「……あの、あなたいくつですか?」
「ん~? 21だけど?」
私より上……見えない。もっと下かと思った。
いや、だからこそのこの性格か……
まぁいいや。
他人の性格に、とやかく言う必要はない。
何故ならそれで自分がいいと思っているのなら、それが自分なのだからとやかく言ってはいけない。
グラビティア・クロス
ズザザザザザザザ
スバシュ!
「あはは~負けちゃった」
最後に弾き飛ばし、キキはその場に倒れた。
あまり、やられた感が見えないが……動けないくらいにはダメージを与えたみたいだから勝ちだと思う。
後になって分かった事だが、
キキの死因は感電死、鍵を閉めた、密室でだ。
故の鍵の思い形見と、電気の能力らしい。
さぁ!
第一試合が終わったから続いて第二試合を始めるぜ!
番号七番と十一番、至急コロシアム中央に集まってくれ!