第37話
という訳で、私はマフラーを購入して首に巻いた。
うん、幾分かはマシだろう。
しかし参加者が少ないな、寒さの異変に気付いてここを離れたのかもしれない。もう少し歩いて見つからないようなら私もここを出るとしよう。
マフラーが持ち出せたら直ぐにでも出るのだが、そうはいかないのでもう暫く探してみるとする。
その時だった。
「おや? ……ツバサか?」
名前を呼ばれた。そちらを振り向くと、そこにはモクが居た。
「久しぶりだな」
「はい、そうですね」
「戦いは順調か?」
「一応、今のところあれ以来負けてませんから」
「そうか……」
あれ以来、つまりはモクに負けて以来、私は強くなり、連勝していた。
「しかし、ここはあまり参加者が居ないぞ」
「分かっています。先程ようやく1人見つけました」
「そうか、俺は戦った事のある相手しか居なくてな……ここを出ようと思う」
「そうですか、私はもう少しここに居ます」
「あぁ、お互い頑張ろう」
「はい」
簡単な会話だけをして、モクは行ってしまった。
さてと、改めて探すか……
そう思った時、
「おい、そこの人!」
また呼ばれた。そちらを向くと、始めて見る人がいた。
青いコートを着た少年、年は14~5というところか。
「何か用ですか?」
当たり前な事を聞いてみた。
「いざ尋常に勝負しろ!」
そう言ってとりだしたのは、銃だった。
拳銃と呼ばれる小さな物、アレが思い形見のようだな。
「分かりました」
私は十字架を構えた。
「行くぞ!」
少年が大声で言った。
その時、
「ちょっと待った!!」
更に大きな声が待ったをかけてきた。
今日、この辺りでも珍しく雪が降り、自分もマフラーをつけて外に出ました。
妙にタイムリーな感じになって幸いです
これを読んだ貴方の周りはどうでしょうか?
それでは、