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第36話

扉を開けたらそこは、雪国だった……

何か本の冒頭みたいだが、仕方ないだろう、本当なのだから。

という訳で、私は雪が積もる平野にいた。

辺りを見渡すと、家の形が見えたのでそちらに歩き出す。

雪が降っていて、足下にも雪が積もっている。歩く度にサクサク鳴る。そんな雪まみれの場所だが、寒さを感じなかった。

これもまた、私達だからだろう。

改めて私達は、何者なのか分からないな……

そんな感じで考えていたら、村に辿り着いた。

遠くからも見ていたからだが、ここは町のような大きさだ。人々は分かりやすい程の寒さ対策をして歩いている。

あの人達は違うな、何故なら私達は寒くないのであれ程着込む必要は無い。もちろん買って着る事も決して不可能ではないが、わざわざこの空間の為だけに防寒着を買う必要は無い。

とりあえずはこの寒そうな格好で歩き、相手を探そうと思う。

私は町に入った。



……よくゲームとかで、雪の上に倒れた傷だらけの人の血が雪に染み込み赤く染まる場面を見たりする事があるが、私達の間でそれはありえなかった。

何故なら血が出ないからだ。


ドサッ


首を貫いて倒れた相手が雪の上に倒れた。

しかし血など出ていない、雪が赤く染まる事も無い。

何故なら私達には血が流れていないからだ。

しかし、戦いやすかったな。

この人は何故か動きが鈍く、攻撃が読め、攻撃を当てやすかった。

いったい何故だろう……

……もしかすると、寒さは感じないが、寒さで動きが鈍るのか……?

あ……倒した相手が降る雪に埋もれてきた……




わたしと兄を置き去りにして出ていった両親を探して旅に出たわたし達は、ある雪国で離ればなれになってしまった……

それからのわたしは、リアルマッチ売りの少女になった。

売れる物と言ったらマッチしかなかったから仕方ないとはいえ、これは明らかに先が見えた。物語のように寒さに耐えきれなくなった私はマッチを擦り……

なんて事はせずに、以外にも売れたマッチを売って得たお金で寒さ対策をして、兄を探して歩き出した。


歩けど歩けど、雪しか見えない場所。

そこで私の体力は尽きた。

やっぱりもう少し対策するべきだったかな……

帽子とコートと手袋だけ……マッチって、意外に高値で売れるんだなと思った。

でもやっぱり……












靴を買えば良かったな……

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