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第23話

書いた事が実現・具現化。それがハカセの能力。

それだけを考えれば最強の部類だろう。

だが、ハカセが次に述べた言葉がそれを更に際立たせた。

「ちなみに、これに書き込み使用する場合、私は軽い疲労感を体に覚えるという条件付きだ。故に書けさえすれば何でも実現可の能力なんだよ」

疲労感。久々に聞いた言葉だな、私達にはダメージの概念が無い分、ハカセのそれは諸刃の剣となる思い形見だった。

「それはこの空間でも同じ意味を持っているんだ」

ダメージの概念の無いこの空間でもそれは起こる。

つまり、多用不可。攻め続ければ勝てるかもしれない……だが、今は勝負じゃない。私が思い形見の力を生む為の修行だ。

いろいろと考えて動かないといけないな。

とりあえずは、色々試すとしよう。

私は鎖を放った。

ハカセは本を開き、字を書いて閉じた。

その間、僅か数秒。とても早かった。

そして本を前につきだす。それだけで鎖が向きを変え、上に飛んだ。もちろん私は変えた訳では無い、変えられたのだ。

恐らく方向転換の類いを本に書いたのだろう。上から再び向かわせた鎖も同じく上に上げた本の手前で左に曲がった。

「これで私は鎖は方向転換、十字架はガード可能だ。どうする、ツバサ?」

確かにそうだ。既に手の内を知られいたとはいえ、こうも簡単にどちらも封じられてしまうとは思わなかった。早く考えないと……

私の思い形見はペンダントによる十字架と鎖。能力は飛び降りによる重力変化で……


ん?

重力……変化?

重力付加、じゃない?

そうだ。付加じゃない、変化なんだ。

ならひょっとしたらアレも可能な筈だ。

もしかしたら、もしかしたらだが。


よし、試してみよう。

でもその前に、

「ハカセ」

「なんだい?」

「もしもですけど……自分の思い形見で自分を傷つけた場合、ダメージは……?」

「あるよ、私の能力がそれを述べた特例だ」

そうか、それが分かればもう問題は無い。

試してみよう。

私は鎖を伸ばし、放つ、そして巻き付けた。

「……おや?」

ハカセも驚いている。

無理もない、私が鎖を放ったのは、巻き付けたのは……

自らの両足だからだ。

鎖が繋がっている為に少し歩きづらいが気にはしない、

私はただ思った。重力変化なら、付加が可能ならば。

減少も可能な筈だ。

そして、足に巻いた鎖を見て、思った。


……浮け。




次の瞬間、

私の予想が正しかったと証明された。


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