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第21話

……体が浮いている気がする。

妙に、明るい場所に居る気がする。

何があったのか、何があったのかは――――――


明確に思いだせる。


私は、モクに負けたんだ。


しかし、ここは何処だろう?

初めて負けたからな、レインやミナトが行った場所と同じなのだろうか?


コンニチワ

あの声だ。

やっぱりそうなのか、レインがあの声を聞いたと言っていたからな。

アナタハ マケタンデスネ?

そうみたいだ。

ココハ アナタノショウハイヲ キロクシテイルヨ

勝敗を記録?

イマノアナタハ ヨンショウ イッパイデス

四勝一敗。

つまりここの意味は、私が負ける度に、ここへくる度に勝敗数を聞けるという事か。

いったい何の意味が。

ジャア ガンバッテネ

あれ? もう終わりか? レインの時はハカセの事を教えてくれたのに。

まぁ、今さらいらないって事か。




そこで目を覚ました。目線の先には空が見える。どうやら仰向けで寝っているらしい。

「お! 起きたかツバサ」

視界の右にレインが現れた。私は体を起こす。

「……私、負けたんだね」

「そうだな、やっぱりモクは強ぇよ」

「うん……強かった」

「……悪いな」

正面にモクが現れた。

「これも勝負だ、俺も景品の為に負ける訳にはいかなくてな」

「分かってますよ、全ては生き返る為、お互い頑張りましょう」

「生き返る?」

そうだった。モクは知らないんだ。

景品が、生き返る事だと。

私は説明した。

「そうか、となると……俺はあいつの告白を受ける事になるんだな」

「恐らくは、そうです」

「一人ではない、新たな生きた人としての生活か……悪くはないかもな」

私は、どうなるのかな……もしかしたら、飛び降りる前に彼が……

私は首を左右に振った。まさかそんな訳が無い。

「さてと、ツバサも起きたし、次は俺とだな」

「あぁ、勝負だ」

「ツバサはどうする? ここで戦いを見ててもいいぜ」

「私は……他の場所へ行くよ、さっき逃げたあの人とも戦わなきゃいけないし」

「そうか」

「また、何処かで会えたらいいな」

「その時は、決勝の舞台でだよ」

「あぁ、そうだな」

「じゃあな、ツバサ」

私は2人に手を振り、その場を離れた。



しばらく歩いたと思う、2人が戦っている音は聞こえない、そんな遠くまで来たんだな。

これから私はどうしよう。

とりあえずは戦う事、これは変わりない、ならこのままでいい筈だ。

でも、モクの言葉が妙に頭に残っている。

2つを合わせると、それは必殺技と呼べる程の力を生みだす。

必殺技か……

これから先、モクみたいな強い人が現れてもおかしくはない。

いや、必然的に出るだろう。

ならば私も、今以上に強くならないといけないな。

今のままでは駄目、それだけは分かる。


とりあえずは、あそこに行くとしよう。

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