表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
20/93

第19話

私には……いわゆる。彼氏、と呼べる者がいた。

同じ高校のクラスメイトで、高校生となれば珍しくはないだろうが、私達は互いに両思いだった。

告白してきたのは、彼からだった。

断る理由の無い私は、快く受けた。

それからは、いわゆる、恋人同士となった私達、色々な所へ行き、色々な事があった。


でも、私は見てしまった。

彼が他の女の人と歩いている所を。

それだけならまだ良かった。それだけなら……

しかし彼は、笑っていた。仲良く歩いていた。買い物だろう、荷物を持ってあげていた。

あれが、二股というもの……か。

よく……テレビドラマ……とかで……浮気……現場を……発見した人……の気持ちが……今なら……分かる……かな……はは

告白してきたのは、彼だったのに。





そして私は、ビルの屋上にいた。



そして……飛び降りた。



「……私もバカです。でも、あなたもバカです」

「……そうだな、俺も君も……大バカ者だ」

今考えれば、あれがそうだったとは限らないのに、聞いてみれば良かったのに。

間違いなら、笑ってすませた。

本当なら……何をしていたかな……

とりあえず聞けば良かったんだ。今さら遅いが。


でも、これで分かった。

私は、

私達は、

自殺者であり、

大会の参加者であり、

大バカ者の集まりなんだ。


何かがあって、

自ら死を選んだ、

他の選択肢を一切無視して、死を選んでしまった者達、

それが私達だ。


「……」

「……モクもツバサも、色々あるんだな……俺は、まだ救われている方かもな」

「そうだな、レインの理由が何にせよ、俺達よりはいいのかもしれないな……」

「……そうかもな」

「……お、ここは良いかもしれないな」

そこはまさに開けた場所、その空間だけ木々が生えず円を形作っている。広さも申し分無いだろう。

「……じゃあ、始めるか」

「……はい」

私とモクは互いに間をとり、レインは後ろに下がった。

一陣の風が通り過ぎる。

「……」

「……」

沈黙が続き、風の音だけが聞こえる。


風が止んだ瞬間、戦いが始まった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ