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デイリーガチャで現代無双!?  作者: 初凪 頼


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34.やらかしと【念動力】の極み

 アルミパイプの処分に困ったので、潰してしまうことにした。無駄遣いも甚だしい。購入したお金が勿体ないが、アルミパイプなんてそのままの形だと再利用することもできない。それに、そのまま部屋に置いていても雪音に見られたとき説明しにくい。

 さようなら、アルミパイプ君。来世はアルミ缶になるんだよ。


 手を合わせて南無、なんておどけながら、アルミパイプを5本まとめて圧縮。面白いぐらい何の抵抗もなく、思った通りの形に変形していくのだが、思ったより変形する時の金属同士が擦れ合うような音が不快だ。一気にやってしまおう。

 と、ぐっと出力を強めた瞬間。



 やばい。



 そう考えた瞬間に、慌てて時を止めた。

 脊髄反射レベルで能力を使えたことに自分でも驚いたし、なんならみんなに褒めてほしい。が、今のままではまずいことがわかる。


 煌々と光を放つ、アルミパイプだったもの。時間が止まっているのになんで輝いているの?とか無粋なことは言ってはいけません。そういうものだと思うことにしたのだ。というかそうしないと僕が動けない。

 んで、今まさに光を放っているアルミパイプだったもの。思いっきりギュってしてしまったからなのか、その発光している物体の大きさは極めて小さい。そういえば、物体って圧縮しすぎると熱を放つんだっけ?よく知らないんだけど。

 30センチの長さのアルミパイプ5本が、今や、今や……うん、光っているせいで大きさはわからないけど、とんでもなく小さくなっていることはわかる。数文字消した消しゴムのカスを丸めたくらいの大きさしかないと思う。伝わりにくいか?小さめのビーズくらい。


 よく動画で見るような、アルミ缶をまとめて潰すようなのを考えながらやってしまった。

 今更もとに戻そうと思っても、大きくするようなやり方を想像することができない。というか大きくすることも圧をかけるのと同じなので、逆効果な気もするし。


 今やっていることが物理学的に何を意味しているのかもわからないのだ。なんとなく、爆発するような気がする。

 時間を止めること自体に時間制限はないので、今のうちに万が一爆発しても防げる方法を考えよう。






 

 と、いうわけでやってみた。【念動力】バリア!

 アルミパイプだったものを中心に、球状にバリアを展開する。おお、うまくいった。あらゆるものを動かすことができるのであれば、やはり想像力次第でなんでもできそうだ。

 まだ試していないけど、これで爆発が起きたとしても、音、熱、衝撃波のいずれも防ぐことができるはずだ。

 どうにも、精神生命体とやらになった影響なのか、【念動力】が以前より使いやすい。自分の想像力以上に効果を発揮してくれている気がする。とはいえ、以前の出力でバリアを使えたとしても、ちょっと体重をかけただけで解除されたであろうが。

 

 本来は【念動力】の力場は目に見えないため、透明な壁のようになるのだと思う。

 だが今回は、そのバリアを何も通れないように意識しているため、真っ黒なボールが浮かんでいるような見た目になっている。光も通過できないからね。

 光り輝いていたアルミパイプだったものは、漆黒の闇に包まれたのでした。かわいそうに。

 

 山でも持ち上げられるような出力で抑えられないなら、これで起きる爆発は山を軽々吹き飛ばすような規模だったということになる。まだ爆発するとは限らないけど、さすがにアルミパイプ程度の大きさのものを圧縮してそこまでのことにはならないだろう。……ならないよな?

 もしダメそうならすぐに時間を止める気持ちで、恐る恐る時間停止を解除した。



「……」



 やばい。

 今度は直感じゃなくて本当にやばい。さっきのよく間に合ったなと自分でも感心する。


 今、球状のバリアの中ではしっかりと爆発が起きている。否、感覚的には、爆発が起き続けているような……。

 これがきゅっとしてドカーン、ってことか。

 【念動力】で動かしている物体の状態はわかるようになっている。自由に動かせるということはそういうことだ。もちろん、今バリアの中でどんなことが起きているのかも手に取るようにわかる。


 猛烈な勢いで、尋常ではないほどの熱がバリアの中で大暴れしている。何も通れないようにしているから見た目には何が起きているかわからないし、静かなのも末恐ろしい。

 閉鎖空間で爆発しても、爆発が収まれば衝撃も収まるものだと思っていた。というか直感的にはそうなんだけど、もしかして現実はそうじゃない?エネルギーの発散が完全に外に漏れないと、解放されるまで永遠にそのまま……なんてことに?


 

 数分待ってみたけど、バリアの中に平穏が訪れることはなかった。依然として、僕が【念動力】を解除した瞬間にこの部屋は吹き飛ぶことが確定している。高すぎる精神の値のおかげか、【念動力】を維持するの自体は苦ではないし、なんなら無意識レベルで行使できそうだ。

 ひとまずこのまま放置しても、勝手にボカン!なんてことにはならない。が、流石に寝ながら維持はできなさそうなので、僕が居眠りしたりしないよう気を付け、かつ夜までにどうにか解決しないといけない。

 

 頭の大きさくらいだったバリアも、このままだと邪魔になるので、無理のない範囲で圧縮することにした。アルミパイプを圧縮したのと同じ要領で、バリアも小さくしていく。

 内部の暴れ具合もそれに比例して強くなっていく。最終的にビー玉ぐらいの大きさにしたが、今の【念動力】なら余裕で抑え込めるので、問題はない。

 正直【念動力】の出力が質量で記載されているせいで、爆発の威力がどこまでが抑えられるかわからない。自主的に物理の勉強でもした方がいいのかな。


 ウダウダとやっていたら、そろそろ出発しないと遅刻するような時間になっていたので、手早く学校の制服に着替え、胸ポケットの中に小さくなったバリアをそのまま入れる。流石に、家にこのままバリアを置いて行って、学校から維持し続けられるとは思えないので、持っていくことにしよう。体に爆弾を巻いた人みたいな気持ちになるな、これ。

 と、もうひとつ問題に気付いたので、一旦時間を止める。めちゃくちゃ気軽に使っているけど、これ異能力の悪用判定になっていないよな?自己責任とはいえ放っておくと僕と僕の部屋が消し飛んでしまうので、さすがに許してほしいところ。


 このままだと今日一日体の動きに合わせてバリアを動かさないといけない。ので、外部からの干渉で動くようにする。

 ただし、外からの圧力で壊れないよう、強度は維持する。そのイメージを間違って抑え込むのに失敗するのは嫌、というか死ぬので、時間を止めたのだ。


 とはいえ、何も通さないようなバリアだって作ることができたのだから、そこまで苦労もしなかった。

 僕が体を動かせば、【念動力】で動きを操作しなくても胸ポケットの中に入れているバリアは移動してくれる。

 さっきの状態だと油断した瞬間に乳首がどっかに飛んでいく人になる。なんならそのまま爆発させられるので、これがほんとのおっぱいミサイル、なんちゃって。


 

 ……。


 

 冗談はさておき、これで一旦問題は先送りにできたので、時間を動かす。が、これをどこで解放するのか?という問題がある。

 こう、めっちゃ極限まで小さく圧縮して、爆発も消滅させられないかな、なんて考えてみた。が、別の問題が発生しそうなので、実行はしない。



「雪音、まだ出ないの?」


「んー。もう出るのだ。一緒に行くぞ、兄上よ」



 割と時間がギリギリなのだが、まだ自分の部屋にいる雪音へと声をかける。

 すぐに部屋の扉は開き、なにやら思案顔で出てくる雪音。



「のう、兄上よ、先ほど部屋で何をしておったのだ?」


「え?あー」



 おっと、アルミパイプから出る音が聞かれていたのかな?うるさいから手早くやったけど、聞かれていたらしい。まぁ、手早くやった結果頭の痛いことになったが。

 けど、僕と雪音の仲だ。軽口で適当なことを言っても問題ないことが多い。これくらいの物音くらいなら、適当に変なことを言っておけば勝手に納得するだろう。



「魔法の練習をしてたのさ」


「ま、魔法……!?」



 洗面所の鏡で自分の右頬に何も出ていないことを軽く確認しながら、ついでに髪の毛を軽く弄る。そういえば、せっかく買ってもらったワックスを使っていないな。学校に行くだけでわざわざ使うほどでもないかもしれないけど、ちゃんと使えるようにはならないと。

 ……買ってもらった?



「っ」


「兄上よ、どんな魔法なのだ。何を使ったのだ。どこまで知っておるのだ」



 何かを思い出しそうで、だけど思い出せなくて、ズキッと頭が痛んだ。

 あまり手を伸ばすとまた昨日のように気絶しそうなので、思考の海に沈む前に雪音の方を向く。


 雪音は雪音で魔法のことに興味深々だし、軽口なんだから真剣に捉えないでほしい。

 阿武堂さんと同じようなことを言っているし……。



「まぁ、帰ってから教えてあげるよ」


「……。兄上よ。我はやることができた故、ひとりで向かってほしいのだ」


「ん?わかったけど、遅刻しないようにね」



 また思案顔。今日は雪音の調子がいつもより変だ。

 いつもなら「我も使える魔法を見せてやろう!暴風魔法!ハリケーン!」とか言いながら僕の髪をグッシャグシャにかき混ぜてくるのに。

 魔法。異世界、阿武堂さんやティナ、そして雪音が言う魔王。パイモンさんの言う盟友。


 もしかして本当に、全て繋がりがあるんじゃ。

 


 今日の僕は、なぜか、その妄想をただの設定だと断ずることができなかった。

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