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推しの悪役令嬢なので全力で守ろうと思います!  作者: 小鳥遊
推しのために生きていました
8/89

手に入れた信頼

~1週間後~


今日で1週間、公爵が出張に行っている間、わたしは侍女になりきって1週間が経った。


この1週間でわたしが手に入れたもの。

それは…


「ハンナ様!」

「おはようございますハンナ様!」

「今日もいい天気ですね!」


わたしはこの1週間で皆の胃袋を掴み、掃除、洗濯、頼まれたことなどを淡々とこなしていったことで、信頼を勝ち取ることが出来たのだ。


「おはようみんな。今日も頑張りましょ。お昼は何かリクエストある?」


「はい!ハンナ様が以前作っていた炒飯?というもの!また食べたいです!」


「分かったわ。今日のお昼は炒飯ね。」


と、このように、お昼もわたしが作っている。


なので料理人たちは夜ご飯を専念してつくることが出来るのでとても助かっているらしい。


確かに、朝と夜は公爵が食べるものでもあるので時間をかけて作りたいのだろう。


一方昼食は、公爵がいないことの方が多いのでここで働いている人達だけが食べることになる。


そうなれば少しでも朝と夜に時間をかけたいと思うのだろう。そこでわたしがみんなの昼食をつくると言えばどうだろうか。


みんなの、特に料理人からわたしへの好感が増す。前世で自炊は当たり前だったため、料理は一通り出来る。


"少しはハンナ様の幸せな一歩に近づいたんじゃない?このまま信頼を勝ち取っていくかないと"


◇◇◇


はあ〜、今日もよく働いた。


正直なところ、結構充実している。


前世では仕事人間だったからか、働いていないと落ち着かなくなっていた。


こうして一生働いていたかったが、そんなこと叶うはずもなく。


「旦那様がおかえりになられたぞ!今すぐ玄関ホールに集合だ!」


叶わない理由は、公爵が帰ってきたから。そしてわたしは…


「それで、侍女の服で来た理由を教えてもらおうか」


こうして問い詰められている。


どうしても何も、掃除してたんだから侍女の服を着るのは当たり前でしょう。


公爵にもちゃんと許可は取ったはずだ。


「掃除をしていました」


「嘘つけ」


このやりとり、後何回するんだろう。


もう3回も同じ質問された。そのたびに掃除って答えてるのにどれだけわたしへの信用薄いのだろうか。


"わたしなにかした?ねえってば"


「本当です。そんなに疑わしいなら侍女にでも執事さんにでも料理人さんにでも聞いてください」


「だが嘘をつかれたらそこまでだろ」


「あーもう、分かりました。でしたらそれぞれ、侍女長、執事長、料理長に聞いてください。この方々なら公爵様も信頼しているでしょう。これで良いですか。」


埒が開かないと思った私が、それぞれのまとめ役である人たちに聞けばいいと言うと、公爵にため息をつかれた。


ため息をつきたいのはこっちの方だ。


「はあ、そうしよう。あなたの言葉を信頼する訳にはいかない。服ならいくらでも着替えられるからな」


"うるさい。厄介な上司レベルでうるさい"


「公爵様がわたしの言葉を信頼してないことくらい分かってます。今もこれからもそれは変わらないでしょうね。ではわたしがここにいる意味はありませんから失礼します。」


ーガシッー


"えっなに?"


わたしは確かに去ろうとした。


なのに他に何の用が合ってわたしの腕を掴んでくるのだろう。


「なんでしょうか」


「っ…いや、何でもない。戻っていい」


本当に理解出来ない行動ばかりする。


"痕ついちゃったじゃない。どんだけ強い力で掴んだのよ"


「では失礼します」


やはり理解出来ない。


わたしは絶対公爵とは合わない。


アリアの気持ちもハンナ様の気持ちも全く理解できないし。


"あんな男のどこが良いっていうの?"


ただ金持ちで顔が良くて強いだけ。人は中身だ。これは綺麗事でも何でもない。わたしの心からの本心


何故なら、わたしの今回の父、アディノール侯爵様はお顔はとても良い。顔は。


でも普段の会話はなく、伝えたいことがあれば一方的に告げてわたしに拒否権は一切ない。


教育につく人はみんな鞭打ち当たり前。


その教育に頑張って耐えてきたわたしとハンナ様に父も姉も無視したりデタラメな噂を流す。


"そりゃ死にたくもなるわよ…。"


考え事をしていると、いつのまにか部屋に戻って来ていた。


なので、気持ちを切り替えて部屋に入った。


「リアーーー」


「お疲れ様です。お嬢様」


「リアいつもの」


「甘えん坊ですね」


「良いじゃない。わたしが甘えれるのなんて あなたの前だけよ?」


「それは、どういう意味で」


「良いから早くー」


これがわたしとリアの最近やりとり。


最近のわたしの趣味はリアに抱きつくことなのだ。みんな変だと思うだろう。


わたしも思う。


でもこうでもしないとわたしの精神はぶっ壊れてしまうだろう。わたしには確認というものが必要なのである。


リアがわたしを信頼してくれているのかという確認が


「ごめんねリア。いつもありがとう」


「これくらいしか、私には出来ませんから…」


充分だ。


今のわたしはリアの信頼があるから頑張れているようなるものだ。


リアが信頼を置いているという事実。


この事実が、1番大切なのだから。

見てくださりありがとうございました!次話も楽しみにしていてくれると嬉しいです

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