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推しの悪役令嬢なので全力で守ろうと思います!  作者: 小鳥遊
推しのために生きていました
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他人事のように(公爵視点)

「奥様の首を掴んでしまって本当に申し訳ありません…!!なるべく奥様の視界に入らないようにするので、どうかドレスだけは作らせて頂けないでしょうか…!」


そんな訳のわからない事を言っているヘーゼルの声が聞こえてきた。


我慢できずにドアを開けてヘーゼルを問いただそうとすると、ハンナに止められてしまった。


自分が首を掴まれたのに何1つ気にしていないハンナに悲しみを覚えたが、それよりも今はヘーゼルに対する怒りの方が上だった。


だが話が飛躍しすぎてそれが真実かは分からない。だから確認をしようとハンナに首を見せるように言った。


まるで何もなかったかのように髪を上げて見せた首には、しっかりと手の痕がついていた。


「……ハンナ、医者に診てもらえ。セバスが呼んでくれてる。」


俺は、どんな顔でこの言葉を口に出してるのだろうか。


首を掴まれて苦しかったのはハンナのはずなのに俺も苦しく感じる。


ハンナの何ともないもいう言葉を聞いて、更に苦しくなる。


ハンナは自分の身体を大事にしない。多分仕方が分からないんだろう。


それでも、俺としては学んでほしい。


好きな人の首を掴まれた痕なんて、耐えられない。


でもハンナは気にしていない。


だから俺も気にしないように努めてるつもりだったが、やっぱりハンナにはバレバレだった。


「では、お医者様が到着するまでドレスを決めましょう。結構時間が経ってしまったので。ルーカス様も手伝ってくれますか?」


俺の様子を見てこんな事を言ったのだろう。


「…ああ、喜んで。」


いつでも他人のことばかりで自分のことを気にも留めないハンナを守ってやれるのは俺だけだったのに。


俺が部屋を出てしまったばかりに。

あの女と2人きりにしてしまったばかりに。


俺は女性の怖さを知っている。


負の感情に身を任せてしまった人は、それが犯罪だと知っていてもやる。


これは女性だけでなく、老若男女全員だ。


だったら許せるかと言われれば、当然許せないに決まってる。


妻を傷つけられて許せる奴がいるか?


だが、俺が今ヘーゼルに怒りをぶつけたとしても、それはハンナに止められてしまうだろうなと分かる。


だから、タイミングを見計らわないと。


「奥様、お医者様がおいでになられました。」


卑怯な俺は、ハンナに怒っている俺を見せたくなかった。


もしかすると嫌われるんじゃないかって恐怖でしかなかったから。


「行ってこい。ハンナの要望だと、俺にドレスを決めてほしいのだろう?」


「っはい…!」


嬉しさ全開で退出するハンナには、騙してしまったようで申し訳ない。


だが、これが怒らずにいられるか?


「……おい、ヘーゼル。」


「…どんな罰も、受ける所存です。」


「罰?、そんな生温いもので俺の機嫌が直ると思うか?」


俺が噂では、無情・悪魔公爵と言われているが、あながち間違いではない。


今でもハンナと友人以外には無表情で接するし、そこに情はかけない。


鬱陶しいものでしかないものなど必要ない。


さきからヘーゼルが怯えているが、知ったこっちゃない。


ハンナはこれ以上に断然怖い思いをしただろう。


「今この瞬間から、お前は俺の敵だ。本来なら爵位でも奪ってハンナにしたことを公表してもいい。」


「っ…」


「だが、お前はハンナの味方だ。そうだな?」


「…!はい」


さきから口を開かない。


ハンナなら俺の今の態度でも、目を合わせてハキハキとした口調で答えるはずだ。


やはり他の女性とは違う。


「ハンナに免じて、今日のことは郊外しないでおいてやる。ただし、ハンナに忠誠を誓え。これからオーダーメイドをする時はお前に頼む。失敗するなよ?」


今ここで忠誠を誓わせる。


ヘーゼルがこれ以上ハンナに危害を加えないようにこうするのが1番だ。


「…もちろんでございます。」


「今日のことを挽回しろ。そのドレスを完成して忠誠を示せ。」


「かしこまりました。」


これ以上俺と話すのは嫌なのか、一言しか話さなくなった。


ベラベラと自分のことを話してくるやつらよりはマシだな。


貴族共は俺に投資をしてもらおうと必死だ。


圧倒的な財力。強い権力、発言力、全て持ち合わせている公爵家からの出資を得られたとなれば、それだけで大きな利益を得られるだろう。


くだらない。俺が全てを許しているのはハンナだけだというのに、無駄な足掻きだ。


つまらないなと話さないでいると、ハンナが帰ってきた。


「ルーカス様、ヘーゼルさん、ドレスどうなりました、か。...わたしのいない間に何かありましたか?」


やはりハンナは洞察力が高い。


今のこの沈黙だけで、何かあったのかと分かるほどなのだからよっぽどだ。


別に悪いことをしていないのだから俺も普通に答えれば良かったのに、何故か言い訳がましい言い方をしてしまった。


だが、これもまたハンナが察してくれたのか、これ以上は何も聞かないでいてくれた。


俺の妻は可愛くてカッコいいうえ空気も読めるらしい。


"好きだ"


俺の機嫌はいつのまにか治っていた。


のだが、翌日


俺はまたヘーゼルにイライラしてしまった。


見てくださりありがとうございました!

次話も見てくれると嬉しいです!^ ^

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