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推しの悪役令嬢なので全力で守ろうと思います!  作者: 小鳥遊
推しのために生きていました
6/89

認めてもらうために

ーコンコンー


「リアです。お嬢様。起きていらっしゃい

ますか?」


「ちょうど良かった。入ってちょうだい」


「失礼します」


ほんとにナイスタイミングだ。  


「わたし、みんなと一緒にここで働くことにしたから。これからよろしくね。リア」


「え、…ええええ〜!!?」


まあ驚くわよね…。令嬢が自ら働きますだなんて。しかも自分の結婚相手の家で。


でも、こうでもしないとわたしの無実は証明出来ない。


「メイド服、まだあるかしら?」


「は、はい。ありますが、お嬢様が働くなど…」


「良いから。用意してきて。これでもわたし、掃除得意なのよ?」


「?…わ、分かりました」


とても"何で?"みたいな顔をしている。


"いや、分かるんだけど。それにしても顔に出すぎよ。リア"


「お持ちしました!」


「よし!じゃあさっそく始めるわよ!」


◇◇◇


"………みんな見過ぎじゃない?わたしがメイド服着てること、そんなにおかしい?!いや、おかしくない訳がないか…"


「ねえ」


「はっ、はい!、」


そんなに緊張しなくても良いだろう…。そこまでかしこまられたらわたしまで緊張してしまう。


「そんなに緊張しないで。何かやらないといけない仕事はある?」


「えっと、窓拭きがまだで…って、!お嬢様にそんなことさせる訳には…」


「いい?わたしは今お嬢様じゃなくてただの侍女なの。だからみんなと同じように仕事を任せて。」


「っはい…」


さて、窓拭きがまだ出来てないって言ってたし、わたしも取り掛かろう。


それにしても、窓拭きなんて久しぶりだ。前世でやっていた時以来かな。


やっぱり掃除をしている時間だけは、全て忘れて集中出来る。だから掃除は好きなのだ。


自分の心も整理されていくようで、心地良い。


でも今は、好奇の目に晒されてるためそんなに心地良いとは思わないが…。


心地よくないのなら無心ですれば良い。そんな思いで掃除をしていると、気づけば終わっていた。


"早かったな、何か他に出来ること出来ること…。"


…みんなの胃袋を掴むことが出来たら、少しは信頼してもらえるかもしれない。


そうと分かれば、厨房に向かった。


…着いたんだけど、めっちゃイカつい人がわたしの前に立っている。


「お嬢がここに何の用だ」


料理人までもがわたしに敵意剥き出しとは、噂って怖い。


「厨房をお貸し頂けませんか?従者の昼食を作りたいのですが」


「お嬢が料理ねぇ、俺たちに不味いもん食わせたいのか?」


料理長はわたしのこと舐めすぎではないだろうか。


その喧嘩腰な姿勢を直してもらうべく、勝負のようなものを仕掛けることにした。


「それは料理を食べてみてから言ってくれませんか?食材は無駄にしません。どうかお願いします」


「…はぁ、分かったよ。作ってみろ。あいつらがお昼を食べにくるまでにな」


この人、口調は荒いけど良い人かもしれない。


ここで料理長が折れてくれて助かった。


「ありがとうございます!」


みんなが昼食を食べにくるまで後約1時間。


それまでにみんなの口に合う料理を作らなければいけないのだけど、何がいいのだろう。


"そうね、やっぱりこの国の主食はパンだし、パンを使った何か…、、サンドイッチ!"


サンドイッチならそこまで時間はかからないし、男女問わずに美味しいと言ってもらえる一品だろう。


さっそく取り掛かろう。


用意するものは、パンにハム、卵、レタス、豚肉だ。


まずはパンに切れ目をいれてオーブンで焼き目がつくまで焼く。


その間に卵を茹で、もう1つのコンロで豚カツを作る。


ハム、レタスは大きさを調整しながら切る。


次に、豚カツとパンを冷ましている間に、卵を数個袋に入れフォークで潰す。


もう数個の卵は、4、5枚に分けて切る。


これで準備は完了した。後は簡単だ。


具材を彩り良く挟んでいき、塩、コショウ、オリーブオイルなど色々使い味を調整する。


すると


「完成…!」


「おお〜!」


みんなも興味津々だったようで、歓声が聞こえた。


良かった。時間もちょうど良い。


後は、わたしの前世で培った配慮する力。


"今こそ発揮するときよね"


「あの、みなさんもよろしければ食べてください。みなさんが最後まで見ていてくれたので安心して作れました。そのお礼だと思ってどうぞ!」


「でも…」

「そのぉ…」


なにを躊躇ってるんだろう…。


気になったわたしは、辺りを見回すと、料理長さんの食べるなという視線があった。これは食べれないだろう。だったら


「料理長さん、まずは料理長から食べてくれませんか?厨房を貸してくれたお礼と、わたしが何も怪しいものは入れていないという証明も兼ねて」


「……良いだろう。」


やっぱり、わたしが何かいれたと思っていたのだろう。


でも、料理長がわたしの作るところをずっと見ていたのは分かっている。


食べてみればいい。そうすれば少しでも信頼を得られるだろう。


ーパクッー


どう?料理長の舌は肥えてるから美味しいと言わせられるかは分からないけど、少なくとも変なものを使っていないとは分かるでしょう。


「良いな…」


「えっ?」


"認めてくれた?

見てくださってありがとうございました!

ぜひ次話も見てください!

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