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推しの悪役令嬢なので全力で守ろうと思います!  作者: 小鳥遊
推しのために生きていました
3/89

思ってたのと違うのですが…

訳が分からない。わたしのどこに男を誑かす要素があるって言うんだろうか


今のわたしの姿は露出もしていない、ただお辞儀をしただけだ。


「身に覚えがありません、ルーカス公爵様」


「それだ。その呼び方。誰が下の名前で呼んでも良いと言った?極悪人であるお前に名前で呼ばれるとは屈辱だな」


"そこか…はあ…"


心の底からわたしのことが嫌いだというのが分かる。


結婚するのにガルシア公爵様というのも不自然だということが分からないのか。


「それは大変失礼致しました。ガルシア公爵様。しかし、わたしが極悪人というのは、どういうことでしょうか?全く持って身に覚えがありません」


ハンナ様の名誉のためにもこの『売女』『極悪人』という不名誉な称号は取り消してもらわいなと。


"ハンナ様に人生を楽しんで貰うために"


「なんだと?身に覚えがない?よく言えたものだな。だったら言ってやろう。お前は男を誑かしその気にさせ、誘惑した後は家の情報を全て聞き出す。そして気に入らない女には取り巻きと一緒に嫌がらせをする。そういう女なのだろう?」


…ハンナ様には悪いけど、わたしはこの男のどこを好きになったのか分からない。


今の発言は、わたしからすればただの暴論にしか聞こえない。実際にその現場を見たわけではないのだから。


だけど、わたしの身が潔白だということを証明しなければいけない。


「わたしが売女で極悪人だという証拠は御座いますか?ちなみに、わたしには2つ離れの姉がいます。姉がしたとは考えないのですか?」


「そんなわけないだろう。お前の父が妹のしてることに泣いて話していたんだからな」


"だから何だって言うの?"


泣きたいのはわたしの方だ。


父が泣けば皆がその話を信じるのに対し、わたしは泣いたところでどうにもならないだろうけど。


誰もわたしの話を信じない。それは分かっている。それでもやれるだけのことはやってみないと。


「ですが、わたしは本当に何もしていません。」


「証拠は?俺に証拠を聞いたのだから、あなたも当然証拠がおありだろう。」


小説に出てくる公爵はこんな感じだっただろうか。…いや、穢らわくて近付いてほしくない相手だからここまで冷たいのよね。


ハンナ様がアリアに嫉妬した理由が少し分かった。これがあそこまで優しくなるのだ。嫉妬もするだろう。


"わたしは断じてしないけど"


とは言え、このまま言い負かされるのは癪だし、ちょっと公爵にとって地獄の提案をしてみようと思う


「あら、証拠なら、わたしの体を見れば良いではないですか。わたしたちは今日から夫と妻という関係でしょう?何もいけないことではありませんわ」


"どうよ!イヤでしょ?わたしもイヤよ!ハンナ様の大事を奪うなんて!!!"


だからさっさと離婚すると言って欲しい。そうすればわたしは晴れて自由になれるし公爵も解放される。


我ながら、中々に悪くない案だった。なのに…


「良いだろう」


"そうですよねイヤで…はい?"


「公爵様、今なんと仰いましたか…?」


"お願いします神様…聞き間違いであってください…"


そんなお願いが通用するとでも思うのかと言うように、公爵が畳み掛けて言ってきた。


「見てほしいのだろう?先のお前の発言こそ売女だという証拠だろうがな」


"嘘でしょ…?こんなことある?ここは、お前とは離婚だーの流れじゃないの????"


最悪の流れだが、わたしが提案したことなので、わたしがそれを投げ出す訳にはいかない。


「分かりました。では寝室でお待ちしておりますね。お時間を取らせてしまいすみませんでした。わたしはもう行きます」


ーパタンー


「あっ…」


とても気まずそうなお顔でこちらをみてくる。だが、知ったこっちゃない。


「お嬢様、お部屋までご案内します。それと、専属の侍女を1人おつけします」


「はい、ありがとうございます」


ハンナ様に申し訳ない…。


「こちらです。何かあれば侍女に申し付けください」


「ご迷惑おかけしてすみません。わたしのことは気にしないでください。」


どうせ侍女が全部監視して報告するだろう。

わざわざ執事と話す必要はない


「かしこまりました。それでは、ご夕食は一緒に食べられますか?」


"一緒に?この人結構言うわね。"


これは公爵がわたしのとこを心良く思ってないことを知っていて言っての発言だ。


随分趣味の悪いことする人だ。


でもこの人が思ってるようにはさせる訳にはいかない。隙なんて、誰にも見せない。


見せた時は、この邸宅での死を意味する。


「いいえ、公爵様はわたしのことが好きではないようですし、わたしは部屋で食べることにしますね。」


「承りました。では、夕食はお部屋に持って行きます。他に何かご用はありますか?」


"心の中でめんどくさいとか思ってるんだろうなぁ。早く戻らせてあげよう"


「いえ、ありません」


「では夕食の時にまた」


ーパタンー


やっと解放された。今日は疲れる1日だった。でも、良い1日でもあるかもしれない。


だって、無視されることはない。わたしと会話をしてくれる。


家では何言っても無視され、何か間違えれば暴力。そんな家に比べたらここは天国のようだ。


わたしの天国の低さに自分で少しびっくりしていると、扉が開いた。


「あの」


?、誰だろう。もしかして、先執事が言っていた侍女だろうか


「あなたの名前は?」


「リアです」


おとなしい子。この子もちゃんと質問に答えてくれるみたい。


「よろしくね、リア。先に言っておきたいのだけど、言いかしら?」


「…はい」


何??あ…噂を知ってるからわたしに何かされるのかもって思ってるのか。


だとしたら、まずは安心してもらうしかない。そうして地道に信頼を積んでいく。


「わたしの近くにいないでって言うのは無理よね。理由は、公爵様にわたしの行動を報告しろって言われてるから?」


「はい。」


「だったら、入浴の時と着替えの時、その時だけは、部屋から出てくれる?それ以外は常に側にいて構わない。逃げもしないから安心して」


「それは、何故でしょうか」


"…度胸あるわね。普通侯爵令嬢にこんなこと聞ける?しかも噂で聞く分には最悪な令嬢に"


だが残念なことに、この子がどれだけ勇気を持ってわたしにその質問をしてきたとしても、わたしはその質問に答えたくない。


「言ったら納得してくれるの?」


「それはっ…」


顔に書いてある。無理。でも、わたしも同じ。この家の人を誰1人として信用しない。


「納得しないでしょ?それに、わたしのことを好きじゃないのならちょうど良いわ。」


「…分かりました」


聞き分けのいい子で助かった。このまま粘られたら、この身体を見られるところだったから。


絶対させない。


こんな傷を見せたら、また何を言われるか分からない。


でも想像はつく。きっと「男を誑かすために可哀想な人を装ってるのか」とか「醜い傷の女が俺に近づくな」とかそういうことを言ってくるんだろう。


わたしの鞭の後は努力の証だ。それを誑かすためとか醜いとか言われることだけは嫌。


「了承してくれてありがとう。じゃあわたしは少し寝るから、夕食の時間になったら起こしてくれる?」


「かしこまりました」

見てくださってありがとうございました!


またまた質問なのですが、文字数はこれくらいが読みやすいと言うのはありますか?あったら書いてくれると嬉しいです。皆様にとって読みやすい作品でありたいので協力してくださるとありがたいです!

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