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瓶(かめ)屋敷と掛け軸のはなし  作者: ぽすしち


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24/29

誰に



 蚊やりの煙がたちのぼり、猫はそれを眼で追った。


『・・・あの筆屋の隠居はよウ、掛け軸の女にじゃあなくて、前の持ち主の、『油屋』にとりつかれちまったのよ』


 西の方の生まれだと言っていた油屋の年寄りは、掛け軸の女にほれ込み、自分が死んだあとまでが心残りで、《掛け軸にとりついて》しまったのだろう。


『そこにな、 ―― 《猫》がからんできたんで、なんだかおかしなことになっちまったんだろおなあ』

 自分がいま『猫』になっている年寄が、ひびの入ったわらいをもらすと、すい、と立ち上がりヒコイチの腕に顔をすりつけた。


『まあよ、ともかく、これで、油屋もおれも心残りがなくなって成仏できらあなア』


「けっ。 油屋の旦那は筆屋の隠居を道連れに、もう掛け軸の中に成仏したじゃねえか。―― てめエは、 まだ、かかんだろうよ」


『そうさなあ。 まあ、ヒコがそんな寂しがるなら、もうすこしいてやるか』


「はあ?だれがだよ」


『そういやあ、ヒコ。おめえ、―― あの《まじない》、だれにおそわった?』


「まじない?」


『方角をたがえる《まじない》をしてから、かめ屋敷にむかったじゃねえか。 あれをみたから、おめえは無事だとおもったのよ』




    西堀までゆき、また戻る。



「いや、ありゃあただ・・・」




    ―― 死んだじいさんのつまらないことを





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