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瓶(かめ)屋敷と掛け軸のはなし  作者: ぽすしち


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18/29

またしても







   「 ―― なんでエ・・ったくよ・・・」

 

 つまらない思い出が、夢よりあざやかによみがえった中に放り込まれていたら、またしても、西堀に着いていて、またしても、すこし戻ることになる。



 じいさんの墓はないとおぼっちゃんが聞いたら、なんと返すだろうか?

 まあ、なんといわれても作るつもりはないが。




 このまえよりも早くに出てきたので、まだ陽は高く、影は足元に濃い。

 

 風も通らない蒸した、あのひと気のない路地を歩く。

 

 だが今日は、並んだ家の窓からこちらをのぞく目は感じない。

 


 すぐにかめのならぶ家が目にはいった。

 




 この前より増えていることもないし、減ってもいないようなそれをのぞいてみる。

 中には変わらず小さなハスと赤い金魚がいる。

 


 これを蹴り割るのはいいが、割って水がこぼれれば魚は死ぬ。

「・・・・・・」

 それは、ヒコイチにはできない。




    「 やはり、かわいいもんは、見飽きませんなア 」


    「  っつ!? 」


 

 またしても、気配もなく男が門のむこうに立っていた。



「 このまえ、いつも買う金魚屋が間違えてリュウキンなんぞよこしましてなア、こっちのほうが見場がいいなんぞ、勝手なことを 」

 いきなり怒ったような口調になり、はいらん、とゆうてるのに、と足もとの瓶をのぞきこむ。




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