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月夜譚 【No.201~No.300】

学校の七不思議 【月夜譚No.210】

作者: 夏月七葉

 学校の怪談といえば、やはり七不思議だろうか。

 音楽室のベートーベンの目が光ったり、二宮金次郎像が夜中に動き出したり……基本的には、どの学校も似たり寄ったりな内容だろう。

 だが、うちの小学校の七不思議は一風変わっていた。

 その内の一つ、それは――八月八日の午前零時、学校の屋上にUFOが降りてくる、というものだ。どうやら、地球人の観察の為に年に一度、ここにやってくるのだという。

 正直、オレは信じていない。そもそも七不思議自体、ホラー好きの誰かが考えた作り話だ。何も怖がることはない。

 だというのに、どうしてオレはここにいるのだろう。

 宿直の先生の目を盗んで学校に忍び込んだクラスメイト数名は、真夜中の屋上に佇んでいた。

 確かめてみようと、誰が最初に言い出したのだったか。お陰で話が盛り上がって、こんなことになってしまった。

 しかし時計が零時を示しても、何も起こらない。当然のことなのに、肩を落とすクラスメイトにオレは呆れた表情を返した。

 帰ろうと屋上に背を向けた時、背後から眩い光が差し込んだ。驚いて振り返ると、夜の闇の中に光り輝く巨大な物体があった。

 皆、声もなくそれを見上げて――次の瞬間に身体が浮き上がる感覚がした。

 ――それからのことは、よく覚えていない。あれが何だったのか、何が起こったのか、それを知るのは、あの物体の乗組員だけだろう。

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