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93.実際嘘言ってるから、なんとも言えない

「コレで本当に東側も攻めやすくなったら、ダイナさん様々ですね。今でさえ報酬をきっちり出せているのか怪しいのに、これ以上何をすれば良いんだか。……ダイナさん、本当にユニークスキルは状態異常への耐性なんですか?」


軽い冗談のように聞いてくる。

だが、その瞳は、笑っていなかった。

 ーーうぅん。流石に隠し通せないかな?20%の確率で状態異常を防げるって、確認しにくいから良いスキルだと思ったんだけどなぁ。……流石に、ここまで活躍しちゃうと怪しく思えるかぁ。


「うぅん。じゃあ、僕と同じ世界から来た子たち全員捕まえて聞いてみたら?僕の能力を知ってる子は、そうやって答えると思うよ」


ノガワがそう言うと、魔王は視線を動かす。

その視線の先にいるのは、ゼラナ。

嘘を見抜けるという話なので、今の話に嘘がなかったか確認しているのだろう。


ゼラナは大きく頷いた。

嘘はないということらしい。

 ーー僕、信用されて無いのかなぁ?……まあ、実際嘘言ってるから、なんとも言えないんだけど。


「……まあ、勿論実際の能力は違うけどねぇ~」


「「「え?」」」


魔王や四天王、その副官などから、困惑の声が出る。

その様子を見て、ノガワは笑みを浮かべ、不思議そうに首をかしげた。

 ーーこの辺りで言っておかないと、後々バレたら面倒なことになりかねないからねぇ。ここで、魔王様たちを信用してますよぉ~、ってアピールしておくのも大事でしょ。

ノガワは流石に嘘を隠し通すことは出来ないと思っているので、この段階で明かしてしまうことを選んだ。


「ど、どういうことだい?今、ゼラナが嘘をついてないって確認したばかりなのに」

「ま、まさか、スキルの無効化が出来るのかい!?」


アイファはノガワの言葉に反論し、ベティーはノガワの能力を推測する。

2人ともゼラナの能力が優秀すぎて、その欠陥に気付いていないようだ。

 ーーまあ、嘘か本当か見分けられるのは強いと思うけど、絶対的ではないんだよねぇ。


「別に、いま嘘をついてはいないよぉ~。ただ僕は、クラスメイトから僕の能力を聞いても、状態異常の能力を答えるとしか言ってないし」


「………仲間にも、本当の能力は言ってない?」


 ーー仲間、かぁ。

リャーファの言葉を聞いて、ノガワは少し冷めた気持ちになる。

だが、すぐに切り替え、


「ふふっ。そうだねぇ。今のところ、誰にも言ってないと思うよ」


「ん~。嘘はないわねぇ~」


ゼラナもそれに頷く。

それによって、大半のものたちの表情が変わった。

大きな驚きと、少しの恐れ。


「で、僕の能力の話をしようか。僕がこっちの世界に来るときに貰ったユニークスキルは『偽りの記憶』。10秒以上見つめ合った相手の記憶を好きに変えることの出来るって言う能力だよ」


「「「……へ?」」」


もう皆驚きっぱないしである。

さて、この能力を彼女たちはどう評価するのだろうか。

ノガワは、それを考える。

 ーー戦いにおいては何の意味も持たないスキル。でも、準備さえしておけば、大量の洗脳した人たちを引き連れて戦いを挑むことが出来うる。いやぁ~。素晴らしいスキルだねぇ。


「わ、私たちの記憶へ干渉したことは?」


「ないよぉ~。……って言っても信じられないよね?ゼラナも僕に洗脳されて、嘘が嘘だと思えなくされてる可能性もあるしぃ。というか、今までの記憶自体が偽物だった可能性も出てきちゃうわけだし。まあ、それも含めて色々言われるだろうから、あんまり言いたくなかったんだけどねぇ~」


それも含めてと言うのは本当だ。

だが、それがメインの理由かと言われると、そうではない。

 ーー嘘が見抜ける相手には、これくらいあやふやな感じで受け答えすれば良いよねぇ~。嘘でも本当でもないところが、本当は1番良いんだろうけど。


「……と、ということは、私たちが魔王や四天王であり、簡易人たちと戦っているというのも嘘の可能性があるということですか?」


魔王が安堵したような声で尋ねてくる。

 ーーん・残で&・

ノガワはそれに首をかしげながらも、


「まあ、可能性はいくらでも考えられるよねぇ~。……でも、人の記憶を変えるのって、そんなに簡単なのかな?一部を変えても、その前の記憶と矛盾してたらおかしいでしょ?」


「そ、それはそうですね。記憶の改変も万能ではないと言うことですか」


戸惑っている様子だ。

四天王たちも、難しい顔をしてノガワを見ている。

 ーーもうちょっと信頼されてから、これは伝えた方が良かったかな?僕も、急ぎすぎたかも。


少しノガワは、自分の行動に後悔した。

このままだと、記憶を更に変えられたら困ると言うことで殺されかねない。

 ーーこれまでの僕がしてきたことも偽物だと考えて、僕の信用が落ちることも考えられるね。


「……少し、待っていて貰えますか?私たち以外とも話をして、記憶が正しいかどうかを確かめてきます」


「どうぞ~」


魔王は部屋から出て行った。

その後に続いて、四天王やその副官たちもぞろぞろと出て行く。

数人たちは、複雑な表情でノガワを見てきたが、ノガワが微笑んで見つめ返すとすぐに視線をそらされてしまう。


 ーーかなり警戒されてるねぇ~。

少し悲しく感じたノガワは、全員出て行ったところで、


「準備、しておこうかぁ~」

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