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91.本当のことを教えるかって言われたら、教えないだろうけど

「「ふぇ?ネズミィ~?」」


そう言って、固まってしまう。

その間に、ノガワは素速くラウスを回収した。

そして、何事もないように笑顔を作り、


「2人は確か、四天王さんと、その副官さんだったよね。副官さんの方はゼラナだったっけ?」


「いやいやいや~。何を~無かった事みたいにしてるのかニャ~」


そう言いながら近寄ってくる、最後の四天王。

この間魔王と会ったときに控えてはいたが、話はしていない。

そのため、こうして言葉を交わすのは初めてなのだが、


「ん?お酒飲んだの?」


「そうだよぉ~。てか、今も飲んでる最中なのニャ~。ノガワ君も飲むかニャ~?」


非常に酒臭かった。

四天王は、ノガワへ酒が残っているらしい瓶を見せてくる。

 ーーそういえば、最初にベティーと会ったときに、酔っ払ってたっけ?その時に、確か、誰かにお酒を飲まされたみたいなことを言ってた気がするけど、誰だっけなぁ?……キが最初につく気がしたけど。


「キキラ~。まずは自己紹介してからにしたらぁ~?」


「ん~。そういえば~。忘れてたのニャ~。私は泥沼の四天王キキラなのニャ~。よろしく~」


「うん。よろしくねぇ。キキラ」


ノガワは言葉を交わすが、どうしても目が行ってしまうところがある。

え?女性と会話するときに、そんなところに目をやったら失礼だって?

そんなところ見たらバレちゃうって?


……何を皆さんは考えてるんでしょう?

ノガワが見てるのは、

 ーー猫耳!メイド喫茶とかで付けてるヤツじゃなくて、本物だよ!!


「あらぁ~?ノガワ君、私たちみたいに耳が生えてるのを見るのは初めてなのかしらぁ~?」


「そうだよぉ。ゼラナ。イヤだったらごめんね?」


「いやいやぁ~。いいわよぉ~。見る分には問題ないわぁ。……でも、さっきのネズミは問題よぉ~」


そう言いながらゼラナは近づいてきて、ノガワの胸元に手を入れる。

非常に自然な動きで手を入れられ、ノガワは避けることすらできなかった。

 ーーす、凄っ。これが、四天王の副官の力なの!?


「チュ~」


「あらあら~。思ったより大人しいわねぇ~」


ラウスは簡単に捕まってしまった。

もしかしたら暴れて逃げることも出来たのかも知れないが、そうするとノガワを傷つけてしまうのでやめてくれたようだ。

 ーーごめんねぇ。ラウス。僕が気づければ良かったんだけど。


「ネズミなんて久々に見たのニャ~。まさか、ノガワ君テイマーだったのかニャ~?」


「ううん。違うよぉ。ただ、簡易人側の所であって、仲良くなっただけ」


ノガワが言ったことは、決して間違いではない。

だが、この言い方だと、今回の仕事で初めて会ったと勘違いされる可能性が高い。

 ーーまあ、当然わざとだけどねぇ。まだこの人たち信用できてないから、本当のことを言うのもどうかと思うしねぇ。……ただ、アイファたちになら本当のことを教えるかって言われたら、教えないだろうけど。


「へぇ。………食べちゃおうかニャ~」


キキラが悪い笑みを浮かべて言う。

ノガワもそれには苦笑い。

本気ではないと分かるが、この世界で1番付き合いが長い相手なので、あまり失いたくはない。


「チュチュチュチュチュッ!!!!!」


そして、1番危険なラウスはと言うと、騒ぎ出した。

 ーー食べられたら困るからねぇ。冗談でもやめて欲しいのかな。

そうノガワは思ったのだが、ラウスの叫びを聞いた2人は、表情を変えた。


「えぇ~?あなた、もしかして~」


「チュゥ!チュチュチュッ!!」


ゼラナが何かを言いかけ、それをラウスに遮られる。

ゼラナはすぐに元の表情に戻ったが、キキラの方は酔っ払っているのが全開な顔から、非常に真剣な顔をした。

 ーーキキラって、真面目な感じにも出来るんだぁ。……って、そういえば、魔王と話をしたときも、キキラは普通に見えたね。喋らず姿勢を正せば真面目に見えるのかもね。


「……ちょっと対応を変えなきゃいけないのニャ」


「そうねぇ~。これは~、魔王様に報告しなきゃいけないわぁ~」


ラウスのことで何かあったようだ。

ある程度スキルでラウスの気持ちも読み取れるのだが、かすかな喜びや寂しさと言った、よく分からない感情が伝わってくる。

 ーー何で喜ぶのかも分からないし、寂しがる理由なんて0だよね。


ノガワは理解できずに、困ってしまう。

だが、そんなノガワに答えを教えてくれる者はいない。

答えを知っているラウスは喋れないし、その鍵を握っていそうなキキラとゼラナは、


「魔王様に報告するから、一旦お別れなのニャ」


「お話しできて楽しかったわぁ~。また来るわねぇ~」


「えっ?あ、うん」


報告に行ってしまった。

 ーー何だったんだろう?

ノガワはよく分からず首をかしげつつも、これ以上考えても仕方ないと判断し、


「ラウス、クッキー食べる?」


「チュ!」


キキラたちが来る前のように、またクッキーを食べ始めた。

考え事をして、糖分が必要にとなったようだ。

 ーー考え事をした後に甘い物が必要って言うのは嘘なんだったっけ?動画か何かでそんなことを聞いた気がするけど。

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