表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

76/160

76.恋した相手も逃さない

「なんかよく分からないガキがいるかと思ったが、あいつらを引き合わせたなら何も言えねぇな。どちらかと言えば、礼を言いたいくらいだ。ありがとよ」


「お、おぅ。聞いてた話から判断すると、凄い怒られそうな感じだったけど、お礼言われるんだ。……ま、まあ、僕も身動き取れないところ助けて貰ったからね。お互い良かったって事で、ありがとぉ」


男からお礼を言われ困惑しつつも、ノガワはなんとか言葉を返す。

 ーー娘大好きだから衛兵さんの背中を押した僕は、殴りたいほど憎いのかと思ったけど、そうでもないんだねぇ。やっぱり1人から聞いた話だけで判断するのは良くないね。

ノガワは少し自分の持つ情報を修正する必要があるように感じた。


「あいつらは元々お互い惹かれ合ってたんだけど、全くと言って良いほど双方勇気を出さなくてな。その間に変な虫が娘につくんじゃないかってハラハラしてたんだ。だからこそあいつに根性が付くよう厳しくしたんだが、……結局背中を押したのはお前なのか」


そう言ってノガワを見る。

 ーーあっ。なんかしんみりした空気になったよ。ちょっと居づらいんだけど。

ノガワは居心地の悪さを感じた。


「ん?じゃ、じゃあ、これからは衛兵のお兄さんに優しくするのかな?」


「ん~。どうだろうな。厳しく接するのになれちまったから、変えられるかどうか分からん」


「家庭が大変だろうから、できれば優しくしてあげて。衛兵のお兄さん、お兄さんのこと凄い怖がってたから。お兄さんに何かされるんじゃないかって、告白するのためらってたみたいだし。」


「そ、そうなのか?厳しくしたのが裏目に出ちまってたのかぁ」


男は失敗したと言いたげに頭を押さえる。

それからノガワと男は少し話をして別れた。

 ーー炎がかなり近づいてきてる気もするね。コレ本当に大丈夫なのかな?


ノガワはかなり不安になった。

少し炎の大きさは小さくなってきている気もするが、相変わらず広範囲が燃えている。

日も落ちてきて空がオレンジになってくるはずなのに、とても明るい。


「……あっ。そうだ。商人さんに安売りを伝えるの忘れてた」


ノガワは頼まれていたことを思い出した。

商人や旅人たちに、土産物屋が安売りしていることを伝えなければならないのだ。

 ーー誰かいるかなぁ?……あっ。さっきの商人さんたちだ。

ノガワは炎を見たときに話した商人たちが、また集まっているのを発見した。


「やっほぉ~」


「おっ。坊主。生きてたか」

「元気そうで良かったわ」


気付いた商人たちは、快く迎えてくれる。

顔には笑顔が浮かんでいるので、相当安く商品を買えたのだろう。

 ーーそしてその安く仕入れたモノを、炎の危機が過ぎ去ったら即座に高値で売りさばくと。いやぁ~。あくどいねぇ

安い土産を買って、更に無料のモノまで引き出したノガワがそんなことを思う。


「さっきさぁ。お土産物屋さんが凄い安く売ってくれたよぉ」


「「「何!?それはいかねば!どこ!?」」」


「え、えぇっと」


ノガワは苦笑いしながらも場所を伝える、

声を合わせて興味を示したのはなかなか驚くモノがあった。

 ーー凄いねぇ。安いって言葉に本能的に反応したのかな?


「よし!行ってくる!」

「ありがとね!お礼に後で何か上げるわ!」

「他にも何かあったら頼むぞぉ!」


商人たちは場所を聞くと、礼を言って走って行った。

善は急げといった感じだ。

 ーー商機は逃さない。商人魂って凄いねぇ。こういう人たちなら、恋した相手も逃さないのかな?


ざわざわ。

商人たちに感心していると、なんだか辺りが騒がしくなってきた。

 ーーん?なんだろう?

ノガワは何が起きてるか確かめようと、人が集まるところに歩いて行く。


「急げ!結界を張るんだ!」

「水だけじゃおそらく足りない!熱を送り返せるように風の魔法も準備しておけ!」


そんなことを言いながら、大量の村人たちが木材で何か大きなモノをくみ上げていた。

よく見るとその木材には魔法陣のようなモノが描かれている。

 ーー明らかに魔法を使おうとしてるのは分かるけど、具体的にどういうモノなのか分からないなぁ。


ノガワは作業の様子を見ながら首をかしげた。

が、観察は続ける。

もしかしたら、何かのスキルが手に入るかも知れないから。

 ーー観察のスキルも使っておこぉ。


…………。

 ーーん~。スキルの獲得はなしかなぁ。

作業が行われること数十分。

特に何か新しいスキルを手に入れたりすることもなく、ノガワは飽きてきた。


 ーー何か新しいことをして暇を潰せたら良いんだけど、……何かあったかなぁ?

ノガワは、村人たちが慌ただしく作業をする中、暇つぶしの方法を考える。

そして、


「あっ。そうだ。『弱点看破』『スキル的中』」


2つのスキルを使う。

視界がモノクロになり、いくつものスキル名が出現してきた。

 ーーおお。知らないスキルが沢山あるよぉ。……ん?あれ?なんか、作ってるヤツの一部分が赤くなってるけど、何だろぉ。


赤い部分がなんなのか少し考えて、

 ーーあっそうだ!

思い出した。

これは、弱点看破の効果だ。


「ね、ねぇ。あの部分かなり危なそうだけど、補強とかした方が良いんじゃない」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ