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73.皆が不安がってるときはよく売れる

「い、急げえええぇぇぇぇ!!!!!」

「早く、一刻も早く状況を確認するんだ!!」


響く焦りと動揺のこもった声。

ノガワが村の様子を観察していると、突然横から影が通り過ぎる。

今ノガワにマナライチをくれた男が、状況の確認のために走って行ったのだ。


 ーーあぁ。行っちゃった。お兄さんと何が起きてるのかなって話をするつもりだったのに。

ノガワは少し残念に思いながらも、瞬時に周囲を見回して話せそうな人を探した。

そして、見つけたらバレないようにしながらも即座に近づいていき、


「大変なことになってるねぇ。この村は大丈夫かなぁ?」


話しかけていく。

今回話すターゲットにしたのは、数人の商人のようなモノたち。

彼らなら、商売上人と話すことには慣れているだろうし、突然話しかけられても不快感はないだろうと考えたのだ。


「おう。そうだなぁ。この規模は1つ2つの町じゃないし、消火しきれずにこっちまで火が来る可能性もあるぞ」

「そうね。できるだけ早く消火しなきゃ行けないけど、もうかなりの大きさになってるからねぇ」

「儂も同意見じゃ。どちらかと言えば、こっちまで来る可能性の方が高いかも知れんのぉ。あの規模を消火するのはなかなか大変じゃろうて」


商人たちは、口々に意見を言う。

全体的に意見を聞いてみると、悲観的な意見の方が多いように思えた。

 ーー反乱を起こすとこまでは成功したけど、僕が逃げれない可能性があるのか。どうしよ。流石にそこまでは考えてなかったなぁ。

ノガワは若干後悔した。


「じゃ、じゃあ、別の場所に逃げた方が良いのかなぁ?」


「ん~。どうかしらね。逃げるとしても、何処なら安全なのかって感じだし」

「そうだな。火から逃げるように行くなら、この森を通らないと行けないからな」


そう言って、商人たちは木々の生い茂る森へと視線を向けた。

ノガワも同じく視線を動かす。

自然豊かな場所を選んで来たが、今回はそこが仇となってしまったようだ。


「しかもこの森にはかなり凶暴な魔物がいるらしいしのぉ。安全に行けるとは思えんわい」


「うぇ~。ど、どうしよう?死なないよね?」


ノガワは少し不安になりながら尋ねる。

 ーーうへぇ~。反乱の恐ろしさを甘く見てたよぉ。もう少し離れてから反乱を起こすように仕組めば良かった。

ノガワは甘く見ていたと反省した。


「ん~。絶対死なないとはいいきれないのぉ」

「そうね。こっちに火が来ても、燃えるモノがない場所にいれば生き残る可能性はあるけど、そんな場所に村の人が入れてくれるとも思えないし」


そう言いながら、商人の女性は村人たちに視線を向ける。

彼らは皆不安そうにしている。

 ーーこういう田舎だと、よそ者への印象はよくないのかな?……でも、一応この村は外との交流も多いはずだし、排斥意識は強くない?うぅ~ん。分かんないな。出来れば良い印象を持ってくれることに期待したいけど。


「じゃ、じゃあ、皆はどうするの?」


「「「俺〈私)(儂)は、商売をするぞ」」」


「はぇ?」


商人たちが息をそろえて言う。

それに、ノガワは困惑の声を漏らした。

 ーーしょ、商売?


「こういう皆が不安がってるときは、防犯グッズやら食料やらがよく売れるんだよ」

「そうじゃな。儂の武器もかなり在庫が余ってたが、コレで一気に捌けるジャロ」

「相場より値段を引き上げても余裕で売れるんじゃないかしら?」


すさまじい商売魂だ。

 ーー死ぬかも知れないときにも商売かぁ。さすがは商人って感じだねぇ。

ノガワはあきれと感心の感情が同時にわいた。


「あと、仕入れ時でもあるのぅ」

「そうだな。どうせ焼けるくらいなら売ってしまおうという考えのヤツもいるだろうからな」

「焼ける前に大量に仕入れて、炎が収まってから売るって言うのがセオリーね」


「ほ、ほぇ~」


ノガワはあきれが完全になくなっていた。

呆れは一周して、全て感心に変わったのだ。

 ーーあっ。じゃあ、僕も買い物するには丁度良い時期なのかな?お土産になりそうなモノかっておこぉ。


「よし。そうと決まれば、俺は行くぜ。早めに買い占めておきたいしな」

「あら、そうなの?なら、私も行こうかしら。先を越されても困るし」

「ほっほっほっ。それなら私も負けてはいられんのぉ」


商人たちはそう言って、素速く立ち去った。

ノガワはその背中を見ながら、自分は何を買おうかと考える。

 ーーお土産で買うならここの果物とか買いたいけど、時間も掛かるしなぁ。それに、火が近くまで来ると熱も凄いだろうから、高温でも大丈夫なモノが良いよね。


そう考えて、辺りを見回してみる。


そこで、自分の考えの甘さに気付いた。

 ーーあぁ。そうだった。結構な人数が状況の確認に出てるから、買えないモノも多いんだったね。

ノガワは走っていった店の人たちなどを思い出す。


「まず空いてるところが少ないからなぁ」


ノガワは開いてる店を取り敢えず見てみる。

が、何処も生物を売っていた。

 ーーん~。加工品、加工品はないかなぁ?


少し歩いてみる。

すると、出店から普通の店へと景色が変わっていき、

 ーーあっ。土産物屋さんだ!

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