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2章 61.ふぅぅぅぅぅ!!風が気持ちぃぃぃぃぃ!!!!

フワリ。

柔らかい着地。

目的の地へと到着したのだ。


ノガワは、ゆっくりと地面に降りる。

 ーーいやぁ。楽しみだねぇ。新しい町。

期待を胸に抱き、その顔には爽やかな笑みが浮かんでいた。


「………頑張って」


「うん。ありがとう。リャーファ。皆にもよろしくね」


「……ん」


リャーファは頷き、また浮き上がった。

いや、浮き上がったのは、乗っているグリュプスだが。

ノガワは手を振り、グリュプスの背が見えなくなるまで見送った。


「………さて、行きますか」


ノガワは気合いを入れ、歩き出す。

今の側が下ろされたのは、簡易人の領土の廃村だ。

古びた廃墟が立ち並び、辺りには草が生い茂っている。


「家の中にも、何もなさそう」


廃墟へと入ってみるが、すでに全てモノはとられているようだ。

ノガワは早々に探索をや目、目的地へと向かうことにする。

 ーーちょっと遠いんだよねぇ。まずは、3つくらい町を経由しなきゃ行けないはずだけど。

ノガワはそう思いながら地図を見る。


「うぅん。近道も出来そうにないし、普通に走って行くしかないかなぁ?」


と言うことで、地図をしまいつつ、歩く速度を上げた。

そして、廃村から出ると、だんだんと舗装された道路に出てきたので、歩きから走りに変える。

 ーーおぉ!速い!今まで僕の出したことのないスピードがらくらくと出せてるよ!!!

ルティアーヤにかけて貰ったバフは、とても高い効果を発揮していた。


「このペースなら町3つくらい今日中に超えられそうだけど、………そうも行かないかな?」


ノガワはそう言いつつ、自分の懐へ意識を向ける。

そこには、ラウスが入っている。

 ーーはいはい。お腹すいてるよねぇ。あと少しで最初の町に着くから、ちょっとだけ待ってねぇ


朝食を食べられなかったので、ラウスは空腹状態。

以心伝心のスキルで、ノガワに空腹を激しく訴えてきていた。

ノガワはそれを受け、少しまた速度を上げる。


「ふぅぅぅぅぅ!!風が気持ちぃぃぃぃぃ!!!!」


どこかの廃村の近く。

激しい足音のような音と叫び声のような何かを聞いた、という報告が近隣の町に寄せられた。

そして、それについての情報を求める張り紙を見て、ノガワは非常に微妙な顔をしたという。


……。

…………。


「……ふぅ。着いた。お店はあるかな?」


ノガワは、1つ目の町に到着。

手軽に食べられそうなものを売っている店を探す。

お金に関しては、仕事の報酬としてたっぷりと貰っているから問題ない。


「あっ。お兄さん。ここだと何を売ってるの?」


「ん?坊主、ここはな、世にも珍しい蛇の刺身を売ってるんだ!」


「へ、へぇ~。ひ、1つ貰えるかな?」


「おう。毎度!!」


ノガワは恐る恐る差し出されたモノを受け取る。

 ーーえ?蛇って刺身にして食べれるの?よく分からないけど、ラウス食べてみる?

ラウスに意識を向ける。


 ーーあぁ。食べるんだ。なら、どうぞぉ。

ラウスからは、食べるとの意思表示があった。

相当なゲテモノ食いらしい。

もとより腐ったものを食べたりしていたこともなくはないような気もするが。


「ほら。食べて」


ノガワは他の人から見られないようにしつつ、蛇の刺身を胸元へ近づける。

すると、素速くラウスがそれを奪い取り、ノガワの懐へまた潜って食べ出した。

 ーーあぁ。おいしいんだ。良かったねぇ。それなら、僕も買えば良かったかな?……え?そこまでするほどでもない?

ラウスから美味しいという気持ちは伝わってきたが、もう1度食べたいとか、ノガワにもお勧めとか、そう言うレベルではないようだ。


 ーーまあ、それならそれでいいけど。取り敢えず。次の町までお腹は持ちそう?

ラウスからは問題ないという気持ちが伝わってくる。

それを受けて、ノガワは1度目を閉じ、心を落ち着けてからペースを少しずつ上げていく。

そして、また人間で出して良い速さではない速さで走った。


「おい!止まれ!命が惜しけれ、ギャアアァァァ!!!?????」


 ーーん?今なんかいた?

道の途中で突然誰かが出てきた気がしたが、気のせいな気がする。

いたにしろいなかったにしろ、ノガワにはあまり関係のないことだ。

どちらかといえば、いた方が簡易人の数を減らすぶん、もう軍のモノとして良いかも知れない。


そんなこともありつつ、次の町へ到着。

ここでもラウスのために適当な料理を買い、それを与えた。

そしてまた走り、3つ目の町。


「目的は、この先だね」


行く予定の場所。

そこは、大きなモンがあり、そこだけ見るとまるで要塞のようだった。

ここは、


「あぁ?お前、エルフの森へは行けないぞ」


「え?そうなの?こないだのハーピーの件があったから、すぐに閉まっちゃうだろうって話だったけど、もう閉まっちゃったの?」


ノガワはガッカリした顔をする。

すると、話しかけてきた兵士が苦笑をしつつ、


「まあ、仕方ねぇよな。ハーピーとエルフはかなり友好関係が強かったからな。結構取引もしてたみたいだし、生活にも大きいダメージが出るんだろ」


「そうだけどさぁ。……でも、それならこっち側の物資をたくさん買ってくれたりしないの?」

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