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59.ん?この会話の流れ、もしかして?

次の日。

今日は魔王軍で会議のある日。

ノガワはスッキリとした目覚めを感じていた。


ガチャッ!

「ノガワ。朝食持ってきたよ」


「ありがとぉ~」


アイファが朝食を持ってきた。

ノガワはお礼を言ってそれを受け取る。

 ーー良かったぁ~。下の名前で呼ぶの忘れてくれてるぅ~。

そして、席に着き、食べようと思うのだが、


「…………」

「…………」


 ーーど、どうしたんだろう?ずっと黙ってこっち見てるけど。

アイファがノガワをじっと見ている。

その目的も分からず、ノガワは少し恐怖を感じた。


「ど、どうしたの?具合悪い?」


「いや。そんなことは無いよ。気にせず食べておくれ」


「え、えぇ~」


ノガワは困った顔をした。

実際に、心の底から困っている。

 ーーラウスにご飯上げられないじゃん。しかも、ラウスの分を増やして貰ってるから、僕1人でこの量を食べるのは大変なんだけど。困ったなぁ


ノガワは困りながらも、食事をとっていく。

ラウスからは、アイファへの強い怒りが伝わってくる。

 ーお、落ち着いてね。簡易人の方に行ったら、沢山ご飯買ってあげるから。


ノガワは食事をしつつ、全力でラウスをなだめる。

そのため、食事の味などほとんど感じなかった。


「あんた、そんなに食べるペース速いのかい?」


「え?あぁ~。いや。………ただ、美味しかったから、ついつい手が止まらなくなっちゃってぇ~」


「そ、そうなのかい。………そ、それは良かったよ」


顔を赤くして、恥ずかしいのか嬉しいのか分からない表情をするアイファ。

 ーーん?この会話の流れ、もしかして?

ノガワは味の方へ意識を向けてみる。


 ーー確かに、いつもと味が違う!

ノガワの舌は、その味の違いを感じ取った。

味が違うと言うことは、つまり、作ったモノが違う可能性が高いわけで、


「………じ、実はそれ、私が作ったんだよ」


「え!?そうなの!?凄いね!いつものよりも美味しいよ!」


「そ、そうかい?そ、そんなに素直に褒められると恥ずかしいモンさね」


アイファ腫れ笑いを浮かべた。

 ーーくっ。可愛い!突然そんな顔されるとは思ってなかった!

ノガワは突然の不意打ちに胸を押さえそうになったが、どうにか我慢する。


「……って、痛っ!?」


ノガワは抑えきれずに胸を押さえた。

非常に痛い。

 ーーラ、ラウス!?何でまた噛むの!?今は噛むところじゃないでしょ!というか、さっきも噛むところじゃなかったし。


「大丈夫かい?」


その様子をアイファが心配そうに見つめる。

ノガワは無理矢理笑みを浮かべて、、

 ーー言い訳を、言い訳を考えるんだ僕!


「だ、大丈夫。なんか、服にトゲが刺さってたみたいで」


「そうなのかい?じゃあ、後で抜いておくからその服貸してごらん?」


まさかの展開だ。

 ーーご、ごまかせると思ってたのに、そう来たかぁ!!

ノガワは必死に誤魔化すと、


「だ、大丈夫だよ。僕でも抜けると思うし。………それに、そんなに太いモノでもなさそうだしね」


「そうかい?なら良いんだけど」


アイファはそう言って引き下がるが、どこかまだ心配そうな目をしている。

 ーーもう!ラウス!何で噛むのさ!!危うくラウスの存在がバレるところだったじゃん!!

ノガワは心の中でラウスを叱った。

が、ラウスに反省する素振りはない。


「………ふぅ。おいしかった」


結局ノガワは全て1人で食べきった。

アイファがずっと見ていたのだ。

 ーーいやぁ~。流石に食べづらかったなぁ。


「そ、それじゃあ、リャーファを読んでくるからちょっと待ってなよ」


「はいはぁい」


アイファは食器を持って出ていった。

扉を閉めた後、いつもより軽快な足音が聞こえた気もするが、きっと気のせいだろう。

アイファがノガワに褒められたのが嬉しくてスキップしながら帰っていたとか、そんなことは無いのだ。

ないったらない。


コンコン。

「ん?どうぞぉ?」


ノックの音がしたので、ノガワは入室の許可を出す。

ただ、違和感を感じていた。

 ーーえ?アイファはノックしないはずなんだけどなぁ。誰だろう?


「ノ、ノガワ。おはよう」


「あぁ。ルティアーヤ。おはよう。扉をノックされるのは久しぶりすぎて、誰かと思っちゃったよ」


「………奴らはノックすらしないのか」


ルティアーヤは目頭を押さえた。

感動しているとか言うわけではない。

ただ、頭痛が痛くなっただけだ。


「で?どうしたの?ルティアーヤ、今日は会議で忙しいんじゃないの?」


ノガワは来た理由を尋ねた。

ノガワの言うとおり、今日は会議がある。

そのため、司会をするというルティアーヤは色々と準備などもあって忙しいはずなのだが、


「ノ、ノガワに、バフをかけてやろうと思ってな。また長旅になるだろうから、大変だろう?」


「わぁ~。ありがとうルティアーヤ!」


わざわざそんなことのために来てくれたらしい。

ノガワは顔を輝かせてお礼を言う。

 ーーよし。言うとしたらこのタイミングだよね。


「あっ。そういえば、前回もバフかけてくれた?バフかけれるのって、魔王軍じゃルティアーヤくらいだって聞いたんだけど」


「なっ!?………何で気がついたんだ?1番弱いバフだったはずなのに」


ルティアーヤは困惑したような表情で言う。

 ーーえ?あれだけの効果があって、1番弱いバフなんだ。魔法って凄いねぇ。

ノガワは、魔法というモノの強さに感心した。

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