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55.結局コレ見せて、どうしたいの?

「ここだ」


「………ふぅん」


ルティアーヤが、豪華な扉の前で立ち止まる。

扉から考えても、まさしく魔王の部屋と言いたげな部屋だ。

 ーーリユーニアは魔王らしくないという事をいってたけど、扉の雰囲気はそれっぽいじゃん。


コンコンコン!

「……入ってください」


中から聞こえてくるのは、弱々しい声。

 ーーメイドさんか誰かが中にいるのかな?流石魔王。

ノガワは魔王らしさを感じて、期待値を上げる。


「失礼します」


ルティアーヤが扉へ手をかけた。

ギィィィ。

音をダシながら、扉ガゆっくりと開いていき、


「………ようこそ。ノガワさん」


「……ふふっ。初めまして、魔王様」


ノガワは笑顔を浮かべて挨拶をする。

が、内心は驚きまくっていた。

 ーーえ?さっきの声、魔王だったんだ!?………声もそうだけど、確かに、弱々しい雰囲気だねぇ。


ノガワの目の前にいるのは、いかにも魔王であると言いたげな豪華なマントを羽織る少女。

そう。少女である。

 ーーこのサイズのマントってあんまりない気がするんだけどなぁ。特注なのかな?さすがは魔王!!


「どうぞ。お座りください」


「うん。じゃあ、座るねぇ」


魔王に促され、ノガワは部屋の椅子に座る。

部屋にはノガワを合わせて、10名の人がいる。


まずノガワと魔王で2人。

ルティアーヤ、ベティー、アイファの四天王が3人。

さらに、その副官であるリユーニア、シャキーナ、リャーファの3人。


そして、見たことのない2名。

この2人の特徴は、なんといっても

 ーーわぉ。ケモ耳だよ。

頭に生えているふさふさの耳。


ノガワはそれを見ながら、

 ーーこのメンバーから考えて、十中八九後ろの2人は四天王とその副官だよねぇ。

ルティアーヤから説明を受けていた、魔物の対処をしているモノたちだろう。


「それで、どういう用件かな?」


「あっ。ノガワさんは気がお早いんですね。あっ。すみません。こんなこと話してるなら早く言えって感じですよね」


 ーーお、おぅ。

ノガワは衝撃を受けた。

どうやら、弱々しいとかいう次元ではないようだ。


「ん~。別に急いでないから、落ち着いて話して良いよぉ」


「あっ、気を遣わせてすみません。ありがとうございます。…………えぇっと、それで、ハーピー族の扱いの件なんですけど」


やはり用件はそれのようだ。

だが、

 ーー何か聞かれるような所あったかな?そんなに難しい話はしてないと思うんだけど。

なぜ呼び出されたのかはよく分かっていなかった。


「あ、あの。ルティアーヤの話を聞く限り、ノガワさんがあの策を考えたということだったのですが、本当なのでしょうか?」


「あの策って言われてもどれのことか分かんないから困るけど、僕の伝えたのは、勇者にハーピーを向かわせるっていうのと、前線に配置するっていうのだけだよ」


「な、なるほど。………あ、あの実は、ハーピー族からこんなモノが来てまして」


そう言って、魔王は紙を1枚見せてきた。

そこには、びっしりと、

 ーーん~。アピールというか、必死な感じの伝わってくる文章が書いてあるねぇ。何々?戦わない期間は1月で構わない?土地は前線付近の小さな所でOK?………うわぁ~。身を削ってるねぇ。


「凄いね。本当にコレをやったら、ハーピーって絶滅しちゃうんじゃない?」


「私もそう思います。で、でも、魔王軍内でもハーピーに恨みを持つモノは多くですね。これくらいしないと賛成はされない可能性が高いと向こうも分かっているようでして」


「うわぁ。恨み辛みが募ってるかんじかぁ。………でも、魔王様としては、不穏分子は絶命して欲しいからこの条件でそのまま受け入れたいって思ってるのかな?」


文章を読んだノガワは、その内容について魔王と話し合っていく。

ノガワの質問に、魔王は少し黙った。

そして、周りからの視線が鋭くなる。

 ーー今の質問が悪いって思ってるわけではなさそうだけど。………魔王様が邪魔だと判断したら、即座に僕を消せる準備をしてるってところかな?


「………私としては、できるだけ大勢の命をなくさないようにしたいと思っています」


しばらくして、無難な返答が返ってきた。

 ーーいろんな解釈の仕方が出来るよね。最初から沢山の命を生み出さなければ、失うこともないみたいな意味にも考えられなくはないし。

ノガワはそこまで考えるが、流石にそれは黙っておく。


「で?結局コレを見せて、どうしたいの?」


「そ、その、コレを見て思いついた意見があればもっといって欲しくて」


「あぁ。そうなんだ。じゃあ、どうしようかなぁ」


ノガワはもう1度紙を見る。

そして、

 ーールティアーヤにいったのは、全部出来そうだよね。後は、


「ハーピー族をなじませたいなら、医療物資の運搬をして貰えば?ケガしてるところを助けて貰えたっていう経験があれば、ある程度関係は良くなると思うんだけど」


「な、なるほど。他にはありますか?」


「他にぃ?………うぅん。そうだなぁ…………」


そんな感じで、話していった結果、会議で示す魔王の意思が決定した。

 ーー僕の意見が全部採用されちゃったんだけど。大丈夫なのかな?

ノガワは、魔王軍の作戦に関して少し不安になった。

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