50.ワーカホリックになってるのだ!危ないのだ!!
「ある程度魔物との意思疎通が取れないと入れないぞ」
至極当然な理由であった。
確かに、ノガワはテイムのスキルを持っているモノの、意思疎通は出来ない。
ーーそっかぁ。じゃあそこから推測すると、最後の四天王の人は、魔物とも意思疎通が取れる人なんだねぇ。そう言うスキルを持ってるのか?それとも、種族の能力なのかな?
ノガワはまだ知らぬ四天王に思いをはせた。
「じゃあ、僕にはあんまり関係なさそうだねぇ」
ノガワは自分の活動考えながら言った。
ーー僕はどちらかと言えば前線をすっ飛ばして占有する役割だからなぁ。こっち側で活動する人とは接触することはないだろうし。
そして、ノガワの予想通り、
「そうかも知れないな。奴らと会う必要性がないしな」
「それもそうなのだ。なら、巻き込まれることもなさそうなのだぁ~」
2人はそう言って、安心したような顔をする。
逆にノガワは、
ーーえ?巻き込まれるって何?どういうこと?
と、2人の言葉に首をかしげていた。
「…………そういえば、ノガワは給料とかどうしたい?」
「え?給料?………給料、かぁ」
君の笑顔が何よりの報酬だよ。
とか、言えば良いのだろうか。
ーーいやいや。あまりにもキザすぎない?羞恥心で死ねるよ。………冗談はともかく、報酬どうしようかなぁ。別にお金が欲しいわけでもないし、貰っても使えるところがないし。
「うぅん。何か欲しい物あるかなぁ~」
ノガワは腕を組んで考える。
だが、部屋には運動器具もそろえて貰ったし、クッキーなども頻繁に貰える。
ゲームなども出来ないので、特に欲しいものは存在しない。
「欲しいものがないのか?」
「無欲すぎるのだぁ~」
2人に少し可哀想なモノを見る目で見られる。
ーーうぅ。その目で見られると、流石の僕でも心が痛いんだけどなぁ。でも、何かあったかなぁ?…………うぅぅん。
ノガワは腕を組み、もう1ドシンケンに欲しいものを肝上げてみる。
「何かあるかなぁ?…………あっ。そうだ」
「ん?何だ?」
「思いついて良かったのだ。何でも良いから、取り敢えず言ってみるのだ」
ノガワは思いつき、ポンッ!と手を打った。
それにルティアーヤたちは安心したような表情を見せる。
ーーここで安心なのかぁ。相当僕が可哀想な子に見えてるんだなぁ。心が、心が痛いよぉ。
ノガワは複雑な感情を抱きつつ、思いついたことを言う。
「次もまた簡易人の方に入って何か工作を仕掛けることになるだろうから、簡易人側のお金が欲しいなぁ。お土産もいっぱい買えるしね!」
「…………お、おぉ。すまないな。本当に、すまない」
「悲しくなってきたのだぁ。ノガワ、私が色々買ってきてあげるのだぁ」
またものすごく可哀想なモノを見る目で見られた。
まあ、理由がほとんど仕事に使えるからみたいな感じなので、仕事しかやることがないと言っているようなモノ。
それは可哀想と思われても仕方がないかも知れない。
ーーこ、これが、働いたら負けって事なの!?働いたら、こんなにも可哀想な存在になってしまうの!?
「………ん?どうしたんだい?ルティアーヤとリユーニアがノガワの所に来るなんて珍しいさね」
居心地の悪い空気の中ノガワが頭を抱えていると、救世主が現れた。
アイファがやってきたのだ。
ーーよ、良かったぁ。この空気から解放されるぅ。
と、思っていたのだが、
「実は、ノガワが、…………」
と、ルティアーヤたちが事情を説明しだしてしまった。
その結果、
「ノガワァ。あんた、もっと欲を出して良いんだよぉ。今度から、クッキーーイア街も持ってきてあげるからねぇ」
こうなってしまった。
ノガワに対して可哀想なモノを見る目を使うモノが増えてしまったのだ。
ーーやめてぇ。別に、欲がないとかじゃないからぁ!!ただ、この世界に娯楽が少ないダケダからぁぁぁぁ!!!!
「…………むぅ。分かったよ。じゃあ、またすぐに簡易人の領土行ってくるから!!そこで何か、適当に遊んでくるって」
ノガワはそう答えた。
これで少しでもこの視線から抜け出せればいいと思いながら。
ーーとは言っても、簡易人側にも大して面白そうなモノないんだよねぇ。それに、遊んでくる以外のも、早めにやっておいた方が良さそうな仕事もあるしねぇ。
「い、いや。別に仕事に行けって急かしてるわけじゃないんだよ。ただ、本当に欲を持った方がいいっていっただけで」
「そ、そうだぞ。そんなに仕事をしようとするな、少しは休め!」
「ワーカホリックになってるのだ!危ないのだ!!」
ノガワのはかない願いは打ち砕かれ、更に視線がひどくなった。
ーーあぁ。この世界にもワーカホリックって言葉あるんだ。
ノガワは変なところに気持ちを持って行くことで、どうにか心を落ち着けようとする。
因みに、ワーカホリックとは、仕事中毒のことだ。
仕事の依存症と言えば良いだろうか?
診断を受けて、なっていると分かると、非常に悲しくなったりする(個人の感想です)。
「………分かった分かった。取り敢えずこの話は一旦終わり他の話して!!」
ノガワは強制的に会話を終わらせた。
3人は心配そうな顔をしつつ、大人しく黙ってくれる。
心配ではあるが、刺激すぎると良くないという優しさが垣間見える瞬間であった。
「何か他の話か。………ああ。そうだ。もし私がすでに許されているというのなら、明日少しノガワに誰とも会えない時間を作ってしまって良いか?少し、幹部を集めて会議をやりたいんだ」




