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49.甘い物は沢山あるから怒らないでぇ

「凄い早かったね」


「ん?そういえば、私たちの方が先に着いたな。何をしていたんだ?」


ルティアーヤがそう問いかけてくる。

何をしていたのかと言われても困る。

 ーーどちらかと言えば、ルティアーヤたちが何をやったら僕を追い越せるのか気になるんだけど。


「僕は歩いて普通に部屋に戻ってきてたんだけど。ベティーに案内された道順で」


「ベティーに教えられた道順の通りに、か」


ルティアーヤは顎に手を当てて、考えるような素振りを見せる。

 ーーベティーに案内されたときは、研究所に連れて行かれそうになったから、ちょっと遠回りになったのかな?

ノガワはそう推測した。


「まあ、ベティーも僕を完全に信用したわけじゃなかいから、僕に遠回りな道を教えたんじゃない?」


「なるほど。あいつもそれくらいは考えられるということか」


ルティアーヤは腕を組み、何かに思いふけるような様子で頷いた。

ノガワはその様子を見つつ、今日土産として買ってきた菓子類へ近づく。

それから、2人の方へ振り向き、


「2人はお菓子類好き?食べれないものとか嫌いなモノとかある?」


「私に食べられないものはない」


ルティアーヤは即答した。

 ーー予想通りの返答だねぇ。でも、きっとリユーニアなら、

ノガワは期待を込めてリユーニアへ視線を向ける。


「私は、辛いものがダメなのだ!そして、甘い物は大好物なのだ!さらにさらに、ルティアーヤもこうはいっているが、甘い物が大好物なのだぁ!!」


「ちょっ!リユーニア!!」


リユーニアはどや顔で暴露する。

その発言にルティアーヤが鋭い視線を向けるが。リユーニアは何処吹く風。

 ーーこういう関係性なのかぁ。こういう知らなかった一面を見れるのは楽しいねぇ。………それに、僕のことをかなり警戒してたリユーニアが、こういう姿を見せてくれるのも嬉しいかな。


「はいはい。ルティアーヤ。甘い物は沢山あるから怒らないでぇ」


「くっ!……リユーニア、後で覚えておけよ」


「無理なのだぁ~。甘いものを食べるのに必死で、絶対に忘れるのだ!!」


そう言いつつ、もうお菓子に手を出すリユーニア。

ノガワも1つ手に取った。

それから、ペースをリユーニアとノガワの2人に目茶苦茶に乱され、翻弄されているルティアーヤへ、


「はい。ルティアーヤも好きなモノ食べていいからね」


そうは言いつつも、自分の持っていたモノを差し出すノガワ。

好きなモノと言いつつ選ばせない頭のおかしさ。

さすがはノガワである。


「あ、ああ。ありがとう」


ルティアーヤはお礼を言って受け取る。

それから、それに口を付け、


「………おいしい」


声のトーンを変えた。

どうやらお気に召したようだ。

 ーーリユーニアの言うとおり、甘い物好きなんだねぇ。こうやってお菓子を与え続ければ、ルティアーヤともっと仲良くなれるかな?

ノガワは四天王を餌付けしようという頭のおかしい考えに思考が向いた。


「ふふっ。喜んで貰えたみたいで良かったよぉ」


「これは素晴らしいのだ!毎日仕事漬けの私にはしみるのだぁ!!」


「仕事漬けなのは私も同じだ」


リユーニアとルティアーヤは、仕事の愚痴を言いながら菓子類を次々と消費していく。

まるでやけ食いのようだ。

 ーー焼け食いは良くないんだけどなぁ。太るよ。……って言うのは、皆には禁句かな?

女性に太るとか言ってはいけないのだ。


「2人とも大変なんだねぇ。普段はどんなお仕事してるのぉ?」


「私たちは、軍の指揮をしているのだ」


「指揮と言っても、何処の道をどの隊が通って何処へ向かうとか、大まかな作戦を考えるだけで、細かいことはそれぞれの部隊に任せているがな」


ノガワは仕事の愚痴に入った2人に、仕事の内容を聞いていく。

ルティアーヤは将軍だと言っていたので、将軍らしい仕事内容だ。

 ーー僕が自由に動くためにも、やっぱり仲良くなっておかないとね!!


「じゃあさ、四天王ってさぁ。皆それぞれ別の仕事をしてるの?」


「ん?そうだな。私が前線方面に出る軍の指揮。アイファが近衛部隊。ベティーが研究方面の仕事を行っているぞ」


「そして、もう1人は発生する魔物の処理を行っているのだ」


話していくと、ノガワの知らない四天王の最後の1人が話題に上がった。

 ーー魔物の処理かぁ。それも必要だよねぇ。

放っておくと村などを襲う可能性もあるので、処理は必ず必要だ。


「魔物の処理かぁ。じゃあ、基本的には魔物を殺すのがお仕事なのかな?」


「いや。そうでもない。奴らは殺すことはほとんどなく、捕えて飼育している場合が多いな」


「そうなのだ。私たちが支給されてるグリュプスも捕獲して飼育されて、繁殖して出来た個体なのだ」


「へぇ~」


思っていたより平和な部署なようだ。

 ーー簡易人の方の部隊にこういう平和なところがあったら、進んで入ったんだけどなぁ。

ノガワがそう思って、変わっていたかも知れない未来を思い描いていると、


「因みに、ノガワには入れない部署なのだ」


「え?そうなの?」


「そうだな。ある程度魔物との意思疎通が取れないとは入れないぞ」

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