表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

35/160

35.ぷはぁ。染み渡るぅ!

「おい!お前!止まれ!!」


近づいてきた兵士の集団と思われる部隊の先頭にいた男から、止まるように指示される。

ノガワは指示に従い、その場で止まった。

それから相手が近づいてくることを待ったが、相手は動かず、そのまま質問を行ってきた。


「お前は王都からの避難者か!?」


「そうだよ!さっきも兵士さんと会ったけど」


ノガワがそう言うと、飛びかけが止まり、向こうで何か話し始めた。

 ーーさっきの兵士さんに確認でも取ってるのかな?

ノガワはそう考え、大人しく待っていることにする。

そして、1分ほど経つと、


「確認が取れた!ケガをしているなら、俺たちの街に送ってやることも出来るぞ!」


「大丈夫!ケガはないよ!!」


ノガワはそう答えたときに、気付いた。

 ーー何で近づいてこないのかと思ってたけど、そういうことかぁ。

ノガワは兵士が近づいてこないのを衛兵が反逆したから、心の安全のためにそうしていると思っていたが、違ったらしい。


「で?僕を囲んでるみたいだけど?どうしたの?」


「悪いが、1人で行かせることは出来ない。実際に起きていることが確認できるまで、ここで待っていて貰おう」


「……はぁ。やっぱり道は通らない方が良かったかなぁ」


ノガワはそう言いつつ、その場に座り込む。

すると、数人の兵士がノガワの近くに来て、じっとノガワを見つめていた。

 ーーう、うわぁ。居心地悪ぅ。攻めて、見つめられるならアイファたちとかが良かったな。……いや、それはそれでドキドキして心には良くないかな?


「まあ、大人しくしてるけど、お腹すいたからご飯頂戴」


「………ほら」


誓うにいた兵士に食事をねだると、パンが出てきた。

ノガワは礼を言ってそれを受け取り、早速食べてみる。

 ーーうわっ!凄いパサパサしてる!水、水が欲しいよ!


「……ほら。水だ」


「ありがと!」


お礼と共に兵士から水の入ったカップを奪い取る。

そして、その水を一気飲みした。


「ぷはぁ。染み渡るぅ!」


「……………」


酒でも飲んでるのかというあきれの混ざった瞳で、兵士がノガワを見てくる。

ノガワもそれを見つめ返した。

じっと見つめていると、他の周りの兵士も見つめてきていることに気付いたので、全員と一通り見つめ合ってみる。


 ーー誰も視線をそらさないなぁ。凄い精神力だね。

そんなことをしていると、時間はだんだんと過ぎていき、


「おぉい!確認が取れた!反乱が起きてるそうだ!!」


「む。こいつの話は本当だったのか。おい。そいつを解放してやれ」


どうやら確認が取れたようだ。

取り囲んでいた兵士たちが、ノガワのことを解放する。

ノガワは立ち上がり、もう行って良いのかと近くの兵士を見る。


「ああ。ちょっと待ってろ。今回の詫びと情報提供の感謝を含めて、食料とあっちの街の地図をやるから」


「そんなモノくれるの?ありがとう」


奥の方から兵士がやってきて、ノガワに食料の入った袋と、小さな地図を手渡してきた。

ノガワはそれを受け取り、中身を確認する。

 ーー食料は、あんまり期待できそうにないかな。でも、この地図は使えるかも。


「それじゃあ、バイバイ!」


「ああ。じゃあな」


ノガワは別れを告げ、道を歩く。

そして、彼らの姿が見えなくなったところで、貰った食料を手に取り、細かくちぎってラウスに与えた。

ノガワの胸元から顔を出し、貰った食料をバクバクと食べている姿は可愛い。

 ーーああ。癒やされるぅ。癒やされるから、餌をあげすぎちゃうなぁ。本当は、もう少し少ない方が良いのかも知れないけど………仕方ないよね!可愛いから仕方ない!


食事を与えつつ歩けば、すぐに目的の街へと到着する。

ノガワは貰った地図を頼りに宿を探し、


「まあ、やってるわけないよね。こんな時間だし」


宿は閉まっていた。

ノガワは肩を落としつつ、街を歩く。

そして、少し歩いたところで、


「あぁ。いた!衛兵さぁん」


「ん?どうした?」


街を巡回している衛兵を見つけた。

ノガワは事情を説明し、泊まれそうな場所を尋ねる。

衛兵は少し考えるような素振りを見せた後、


「じゃあ、安宿だが、取り敢えず空いてそうなところは知ってるぞ」


「そうなの?寝心地は悪くても大丈夫だよ。そんなに長い間過ごすわけでもないし」


「そうか?じゃあ、着いてこい」


ノガワはその言葉に従い、後ろをついて行く。

そして、連れて行かれた先は、


「ここだ」


「お、おぉ。ここかぁ。……あ、ありがとう。行ってみるよ」


いかにも安宿といった見た目の、ボロボロな宿だった。

いや、宿と言うより廃墟といった方が良いかも知れないレベルだ。

ノガワは少し怖さを感じつつも、扉へ手を空ける。


ギィ。

「あ?何だ?」


中で出迎えたのは、柄の悪そうな、顔に入れ墨をした男。

がたいも良く、いかにもそれっぽい感じがする。

 ーー裏社会の人って感じだね。


「泊まりたいんだけど。空いてる?」


「ああ。空いてるぞ。1泊な?」


「うん」


ノガワはお金を払い、部屋の鍵を貰って部屋へ向かった。

そのままノガワは諸々を済ませ、ベットへ倒れ込む。

そして、溶けるように眠っていった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ