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23.ぐぬぬぬっ!?

「ふんふ~ん。ふんふふ~ん。ふんふ~んふふんふ~ん」


ノガワは上機嫌に鼻歌を歌いながら、身体を左右に揺らす。

リャーファから合格を貰ったので、魔王軍へ入ることが決定した。

コレが嬉しくないわけがない。


「……姉にどう報告すれば」


リャーファはそう言いながら、悩んでいた。

本当なら眠っていたいのだが、今回ばかりはそういうわけにもいかない。どうやって姉にこの状況を説明し、信じて貰うかを考えなければならないのだ。


現在はすでに帰り道の半分までさしかかっており、考える時間はかなり少ない。

リャーファはその焦りを感じ、ぐぬぬぬっ!と唸っていた。

 ーーぐぬぬぬっ!?いま、ぐぬぬぬっ!って言ってるよ。本当にそんなことを言うんだね。か、可愛すぎる!!

ノガワはその様子を見ながら、ムダなことを考え、楽しんでいた。


そんな感じで数分後、


「……っく。着いてしまった」


結局リャーファは、言い伝え方が思いつかなかった。

それはノガワにとってはどうでも良いとして。

目の前にはリャーファの姉であるアイファの姿が。


「……で?何で帰ってきたんだい?」


「どうしてって、終わったからだよぉ。村はきっちり焼却済みだよ!」」


サムズアップしておく。

アイファの視線が鋭くなり、リャーファに視線が向けられる。

これは、本当か?と尋ねている目だろう。

リャーファはこくこくと頷いた。


「………燃えてた。被害は絶大」


「そ、そうなのかい?本当に、あの村が壊滅?この数時間で?」


アイファは頭を抱えた。

リャーファに間違いだと首を振って欲しかったのに、真実だと肯定されてしまったのだ。

たった1人で、それも、数時間で村を壊滅させるなど、普通は出来ることではない。


「あの村、火災の対策のために区画ごとで一定の距離が開けられてたはずなんだけど、本当に全部燃えてたのかい?」


「……ん。間違いない」


「そ、そうかい」


間違いであって欲しくて最終確認をするが、リャーファから問題ないと言われる。

 ーー困ってるねぇ~。報告書とか大変だろうけど、がんばって欲しいね!

他人事なので、ノガワは気楽な感じでアイファの様子を楽しんで見ている。


「まあ良いさ。確認の部隊を送らせて貰うよ。とりあえず、2人は今日は休みな」


「いぇい!休みだぁ!!」

「……ん。休む」


ノガワは元気よく、リャーファは自分がおかしくなっている可能性があるから、寝て回復しようと思いながら、それぞれ休むことに。

アイファが動くと言うことで、部屋までリャーファが送り届けることに。

 ーー今のうちに話して、仲良くなっておきたいなぁ。何か話題があれば良いんだけど。…そういえば、


「そう言えばさ、自己紹介してなかったよね?僕はノガワだよ!よろしくね!」


「………ん。私、リャーファ。よろしく」


そっと手が差し出された。

ノガワはその手に驚き、それから満面の笑みを浮かべてその手を握った。

 ーーやったぁ!これで、今のところ4にんとしりあいれべるのなかにはなれたね!これで、魔王軍の過激派な感じの人に会っても、簡単に殺されることはないはず!!


「………また」


「うん。またねぇ!ばいばい!!」


リャーファ二部屋まで送って貰い、別れの言葉を継げる。

それから、部屋を見回してみて、

 ーー特に変化はないね。唯一変わっているところと言えば、


「出ておいで、ラウス。またクッキーがあるよ」


「チュッ!?チュゥ~」


懐から出てくるラウス。

ノガワは皿に載せられたクッキーを手に取り、ラウスに与える。

それから、囓っているラウスを見ながら、自分のもクッキーを口に入れた。

 ーーあぁ~。相変わらずおいしぃ~。


「………さて、この間に、僕は今後のことを考えておかないとねぇ。僕が今後魔王軍で何をしていくのか、シッカリ考えておかないとね」


ノガワはそう言って、外を見る。

窓の外には、魔王の領地の光景が広がっていた。

そして、近くの木に止まっている鳥と目が合う。


「白い鳥。清らかさがにじみ出てるね。僕とは、大違いだよ」


ノガワは自嘲気味に笑った。

真っ黒に染まってしまっている自分の心。

その心を染めた原因は、きっとこの苦しみを知らないのだろう。


「ははっ。絶対に、僕はやってみせるよ」


ノガワは外を眺めつつ、アイファが来るまで今後のことを考えていた。

アイファとも今後のことを話し合えば良かったんじゃないかって?

残念ながら、そうはいかなかった。

なぜなら、


「ど、どうなってるんだい!?本当に全部焼けちまってるじゃないか!」


アイファも理解できなかったようだ。

理解できないと言うより、信じたくないという方が正しいかも知れない。

アイファは、どういう事だと、ノガワの肩を掴んでゆらゆらと前後に揺らした。

 ーーお、えぇ。頭がぐらぐらして気持ち悪ぃ~。


「ちょっ。ま、待って。僕、そうやって報告したよね!?」


「そうさね!でも、信じられるわけないじゃないかい!!なんで、たった1人で村1つをまるごと焼けるのさ!?」

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