2.はめられたな。可哀想に
誤字報告ありがとうございます。
「あぁ。目痛い~。……って、あれ?」
「うっ。ここは?」
「ここどこ?」
学生たちは、またいつの間にか知らない場所にいた。
今度は中世の城みたいな場所。
柱は石でもろそう。
「よく来た。異界の勇者たちよ」
とまどっている学生たちに声をかけるのは、一目見て玉座だと分かる豪華な玉座に腰掛けた、これまた王冠だと分かる王冠をかけた、おっさん。
何やら雰囲気は威厳がありそうで、王なのだろうと言うことを読み取れる。
数人の生徒はそんなおっさんは無視して、本物の城というモノを見て目を輝かせていた。
「君たちには、とりあえず鑑定を受けてもらう。そこで鑑定を受けてくれ」
おっさんはそう言って近くの机を指さす。
その机には水晶玉が置かれており、その周りに数人の文官らしきモノが集まっていた。
最初は戸惑っていた学生たちであったが、1人動き出すとそれに続いてぞろぞろと動き出す。
「おお!素晴らしい!!」
鑑定の途中、そんな声が響いた。
声を上げたのは机の周りにいた文官で、その目の前にいるのは水晶に手をかざしている男子生徒。
水晶からは光が浮かび上がっていて、
【レンドウ・ユウダイ】
種族:人
LV:1
職業:勇者
スキル:なし
固有スキル:『希望の光』
『希望の光』:敵と認識したモノへの攻撃力が2倍、味方と認識したモノと触れていると攻撃力が3倍。
水晶から、こんなモノが浮かび上がっていた。
その周りに、文官が集まってくる。
そして、
「あなたが勇者様でしたか!是非とも、悪しき魔王を打ち倒し世界をお救いください」
「「「お救いください!!」」」
そう言って文官たちは頭を下げる。
突然のことに、レンドウという名字の男子生徒は慌てる。
「ど、どうしたんですか!?頭を上げてください!」
そうは言うモノの、文官たちは頭を上げる気配はない。
必死に頭を下げ、
「どうか、どうか悪しき魔王を!」
「お願いします!お願いします!!」
と行って、必死に頭を下げるばかり。
その光景にレンドウは慌て、
「分かりました!分かりましたから!魔王でも何でも倒しますから!頭を上げてください!!」
そうレンドウが行った瞬間、文官たちがピクリと震える。
それから、ガバッと顔を上げ、
「よろしくお願い致します。勇者様。それではこちらに」
「え?え??ちょっ!?」
文官たちに引きづられていくレンドウ。
クラスメイトの大半はそれを見て、
ーーはめられたな。可哀想にレンドウ。
そう思いながら、心の中で手を合わせた。
レンドウのようにどこかへ連れて行かれる学生が数人出てきて、学生たちの半分程度が鑑定を終えていた。
終わったモノたちは端の方に集まり、雑談を行っている。
「あっ。ノガワ。お前も終わりか?」
「ああ。タケダ。終わったよ。どうだった?」
そんな雑談をしている1人が、背の低めの男子と大柄な男子。
2人は軽く話すと、それぞれどんな能力を持ってるのかという話になった。
「俺は武闘家って言う職業で、全部のステータスが2倍になるスキルを持ってたぞ」
そう言って力こぶを作ってみせるのはタケダ。
それを聞いたノガワは、心底うらやましそうな顔をする。
「いいねぇ。僕なんて、職業は村人で、スキルは20%の確率で状態異常になるのを防ぐって言うスキルだったよ」
そういて肩をすくめるノガワ。
そんな感じで雑談を続けていると、全員の鑑定が終わった。
会場からいなくなったのは5人。
「さて、ここに残って貰った君たちには、私たちが保護させて貰う」




