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12.死にたくない!死にたくない!!

誤字報告ありがとうございます。

誤字が多くて申し訳ない。

「そうか。では、全員部署変更を希望と言うことで良いな?」


「「「はい!」」」


クラスメイトたちが頷く。

その声からは、安心したような気持ちが読み取れた。

 ーー安心していられるのもあと数日って感じだろうなぁ。

そして、面談が終わって帰り際、


「あぁ。そうそう。今回は諸々の都合で、希望をとってその部隊に配属ってことはできないんだ。空いている部隊に入って貰うことになる」


「「「はぁい」」」


気軽な感じで返事をするクラスメイトたち。

あまりその意味を深くは考えていないということだ。

希望でない部隊の、前線に送られるということを。


「いやぁ。よかっったぁ」

「これで、あのパワハラ隊長ともお別れだね!」

「コレで安心できるよ!!」


そんなことを話しながら過ごすクラスメイトたち。

しばらくの間は笑顔が絶えなかった。

だが、数日後、配属先の書類が渡されると、その状況は一変した。


「う、嘘、でしょ」

「なんで!なんでこんなことに!!」

「嫌だ!こんな所行きたくねぇ!!」


全員が最前線へ配置されることになった。

しかも、ほとんど生存できるような部隊でないところに。

何人かの生徒は、


「やっぱり、部署替えは取り消す!」


と、本部の方に言いに行った。

まだ間に合うと考えたらしい。

だが、当然ではあるが、


「残念ながらそれは出来ない。配置換えはすでに決定事項となっている」


却下された。

クラスメイトたちは絶望したように項垂れ、移動までの日々を泣いたりモノに当たり散らしたりして過ごしている。

数人は首を吊ろうとするモノも出たが、全て未然に兵士に止められ、そのものたちは四六時中兵士に監視されることとなった。


それから数日して、すぐに移動となった。

数人はここで逃げようと考えていたらしいが、ともに補給部隊のモノたちが付いてくることになったため、その思いは打ち砕かれた。

逃げることも許されず、あまつさえ自死すら許されない。

クラスメイトたちの足取りは、まるで処刑場にでも向かうようだった。


「死にたくない!死にたくない!!」

「嫌だ!いやだいやだいやだいやだいやだいやだぁぁぁぁ!!!!!」


その場に座り込んだり、発狂したりするクラスメイトも出てきたが、強引に補給部隊の兵士に引きずられる。

ただ、その影響もあってか、移動のペースはとてもゆっくりだった。

だが、そのゆっくりなことが幸運だったとは一概にも言えない。


ゆっくりと迫ってくる死の恐怖によって、日に日にクラスメイトたちの顔色は悪くなり、狂ったように叫ぶモノが増えた。

まだ壊れきってはいないクラスメイトたちも、近くにいた友人たちが壊れていく様子を見て、精神がむしばまれていくのを感じている。

 ーーうぅん。雰囲気が最悪だよ。まあ、死にに行くって時に笑顔でハイテンションなのもどうかとは思うけど。


そんなこんなで悪い意味で順調に進み、あと①日で前線到着予定となった。

だが、ノガワの心から余裕は消えない。

なぜなら、


「っ!?あれは!!」

「なんでこんなところに!?」


兵士たちが驚きと恐怖のこもった声で空を見上げる。

そこには、巨大な金色の飛行生物。

その生物は、急降下してノガワたちに近づいてきて、


ガンッ!

「「グヒュッ!?」」


補給部隊の2人を押しつぶした。

鷲の頭と翼、獅子の胴体、蛇の尻尾。

グリュプスやグリフォン。グリフィンと呼ばれる生物だ。


「グリュプスの上に誰かいるぞ!」

「……あ、あれは!」

「ま、魔族だぁぁ!!!!!」


魔族。

現在人間が戦闘中の種族であり、これからノガワたちが送られる予定の前線でも、この魔族と戦っている。

補給部隊の兵士たちは荷物を下ろし、一様に武器を構えた。


「僕たちは離れておこう」


「そ、そうだね」

「ぶ、武器もないしな」


ノガワが離れることを提案して、歩いてきた道から外れ、クラスメイトたちと共に近くの雑木林へ入る。

ノガワはまず、グリュプスの上に乗る女性を観察した。

肩より少し下まである綺麗な白髪に、健康そうな褐色の肌、そして、細められた目。


「ぐぅ」


 ーーって、寝てる!?

ノガワもコレには思わず苦笑い。

グリュプスに乗る女性は、首をこっくりこっくりとさせ、目をつぶって寝ていた。


「ギュアアアアァァァァァ!!!!!」


そんな女性とは対照的に、元気よく叫びながら動くグリュプス。

次々と兵士を蹴飛ばし、つつき、尻尾で吹き飛ばす。

兵士たちは尋常ではない勢いで数を減らしていった。


「ちっ。面倒なヤ、ゴブッ!」


最後に立っていた隊長も、腹を足の爪で突き破られて倒れた。

圧倒的な蹂躙。

ノガワたちはその恐怖が去ることをただただ祈ったが、


「ギュアアァァァ」


ゆっくりとノガワたちの方へグリュプスが寄ってくる。

どうやら見逃してはくれなさそうだ。

クラスメイトたちは、恐怖でガタガタと震え、うずくまっている。


「……待って。僕たちは異世界人だ」


「……異世界人?」

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