107.コレまで沢山色々とやってきたノガワが言えたことではない
しばらく経つと商人が戻ってきて、ノガワに商品を渡してくれる。
その後、シッカリと記憶を改変しながら商人たちと話し合った。
そして、更に時間が経ち、
「……それじゃあ、おやすみぃ!」
「ああ。お休み!」
「おやすみ~」
「ばいば~い」
ノガワたちは、明日もあると言うことで部屋へと戻っていった。ノガワは部屋へ戻ると、急いで部屋まで持ってきていた食事をテーブルに置く。
その食事は、
「途中で帰ってきたら食事をやめて貰うことになっちゃうかも知れないけど、その時はごめんね」
「チュゥ!」
ラウスから、それで問題ないという意思が帰ってくる。そして、ラウスはすぐに食事を取り始めた。
ーーいやぁ。ごめんねぇ。仲間が増えたのは良いけど、こういう弊害があるからなぁ。
ノガワは、まだチャミーを完全に信用できてはいないのだ。もしかしたら、どこかで裏切られるかも知れないと疑っている。
「裏切られたら面倒だなぁ~。でも、僕が1人で全て対応できるとも思えないし」
今までは、意外とどうにかなっていた。だが、これから先も大丈夫かどうかは分からない。
ーー簡易人側の領土が減れば、その分僕がクラスメイトと出会う確率も上がっちゃう。そうなると、クラスメイトと別行動する口実も作る必要があるし。
その点、チャミーを仲間として迎え入れられれば、言い訳に出来る。一緒に旅をする仲間がいるとか、もう少し踏み込んで、カップルという演技が出来れば、誰もついてこようとはしないだろう。
「……チュゥ」
そんな色々なことを感あげていた、いつの間にかラウスは食事を取り終わっていた。
ラウスはノガワの下へやってきて、また胸元へ隠れていく。
そして、数秒後に、
コンコンッ。
「入っていいですかぁ~?」
「どうぞぉ~」
チャミーが戻ってきた。ノガワが許可をだすと、扉が開き、少し顔を赤くしたチャミーが入ってくる。
ーーお酒飲んだんだね。進んで飲んだのか、飲まされたのかは分からないけど。
そう思い、ノガワは部屋にあるコップへ水を注ぎ、チャミーへ手渡す。それと共に、
「どうだった?何か、面白いことは分かった?」
「はいぃ~。良いことが聞けましたよぉ~」
どうやら、チャミーの方も収穫があったようだ。
ーーチャミーの方も、っていうより、チャミーの方は、って言った方が正しいかもね。僕の場合は、これからの行動が楽になりそうな情報は得られなかったわけだし。
そんなことを思い、自分が思った良い役に立てていないかも知れないと感じつつ、チャミーから話を聞いていく。
「おそらく視野って入ると思いますけどぉ、北から商品が来なくなって、その代わりに難民が来てるとかぁ~。しかも、そのせいで治安が急激に悪化しているそうですぅ~」
「うんうん。僕が前に滞在していた村でも、色々と騒動が起こってたよ。捕まえた難民の子供を、奴隷商に売ったりしてたし。………いやぁ。子供の奴隷の値段がかなり下がりそうだねぇ」
ここまでは、ノガワも知っている情報だ。チャミーも、常識のように言っているので、分かりきっていることなのだろう。
ーーでも、それ以上のことを知っていそうな表情だね。何を知ってるんだろ?
ノガワは、チャミーの表情と、持っている情報が気になった。
「それでなんですがぁ~、じつは国が動いて、難民の受け入れ体勢を充実させようとしているらしいんですぅ~。結構な予算を使うけど、治安をこれ以上悪化させるわけにはいかないとかでぇ~」
「へぇ?そうなんだ。どんなことをしようとしてるの?」
「国境付近の荒廃した土地を、難民の受け入れ地にするそうですぅ~。とはいっても、それは名ばかりで、難民を閉じ込めておく収容所みたいなモノだって噂でしたけどぉ~」
それは初耳だ。収容所というのが、また嫌らしいことこの上ない。
ーー取り敢えず難民はそこに閉じ込めれば良いみたいな考えでしょ?きっと、出ようとしても出してはくれないだろうし、食料も十分にあるとも思えない。きっと沢山人が死んじゃうだろうなぁ。
コレまで沢山色々とやってきたノガワが言えたことではないが、かなりエグい。
「そうなると、しばらくしたら、この辺りの治安は回復するのかな?」
「そうですねぇ~。その可能性が高そうですぅ~。その代わりに、国境付近はひどいことになりそうですけどぉ~」
きっと、閉じ込められた難民たちが出ようとして暴動が起きるだろう、
難民の数も多いだろうから、そうなれば、その辺りの地域はボロボロになるはずだ。
ーーもしかして、あえて外に出すとか言ってだまして、間引いちゃったりするのかな?こわぁ~。
難民の数を減らすため、そういったことをする可能性も考えられる。
「それなら、治安がもう少し良くなってから地方の村に行く?それとも、難民の子たちを捕らえようとして、ケガをする人が増えるこの時期に行く?」
「ん~。今の時期にしておきますぅ~」
そういうことで決まった。
ーー子供たちの隠れているところを見つけて、それを奴隷商に売る人たちに伝えれば良いかな?
そうすれば、勝手に捕らえに行って、勝手にケガをしてくれるだろう。




