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106/160

106.逆に安くなってるモノとか、安くなりそうなモノとか無いの?

「どうせだったら、給料として商品を渡すってすれば、そう言う人以外のいろんな人も、護衛に応募するんじゃない?」


ノガワは、更に自分の意見を付け加えた提案をしてみた。商人たちは思案顔になる。

 ーーあれ?適当に言った割には、結構真剣に考えられてる?

ノガワは少し意外に感じた。考え直すと、かなり問題点は思いつくのだが。


「今のうちに募集するなら、安全性の面から見ても悪くないかも知れないな」


「そうだな。冬に募集したら恨みを持ってる奴らが集まるかも知れないけど、今なら問題ないか」


「今度、募集してみるか。頭の良い奴だったら、この仕事の有用性に気づけるはずだし」


募集に集まっている時点で、そこそこに頭が回ると考えて良い。

これは確かに、先見の明を持つ優秀なモノを集められるチャンスだろう。

 ーーそれなら、早めに記憶を変えておいて、強そうな人を護衛に付けておこうか。


「話は変わるけどさ。逆に安くなってるモノとか、安くなりそうなモノとか無いの?」


「あぁ。そう言う情報欲しいわよねぇ。………何かあったかしら?」


ノガワは、消費者の求める安い物を尋ねてみた。モノによっては大量に購入して、魔王軍まで持って帰ろうとすら考えている。

 ーーでも、モノによっては、だよね。こっちで安くなってるモノは、魔王軍でも安くなってるかも知れないし。そんなに都合良く向こうで高いモノが、こっちで安くなるとも考えられないよねぇ。


「アレは安くなってるんじゃないか?ハーピーの服」


「あぁ!そういえばそうだな!ハーピー用の服は、俺たちだと着れないからなぁ~。それに。新しく別のモノを作ろうにも、もうかなりシッカリした形になってるし、使える面積は小さそうだよな」


「……じ、じつは俺、ちょっとハーピーの服の在庫抱えてるんだよな。誰か買わないか?」


「「「いらん」」」


1人の商人が、自分の持っている在庫を他のモノに買わせようとしたが、誰も買おうとはしなかった。

売れることはないと分かっているのだから、当然だろう。使えないモノを持っていたくはない。

 ーー服かぁ~。確かに、必要かも知れないよね。……どうしようかな。


「大変だねぇ。そんな売れない物抱えちゃうと。因みに、どれくらい余ってるの?」


「ん?そうだな………だいたい、下着含めて、全パーツを1セットと考えると、30セット、位だな」


ハーピーは翼があるので、ノガワのような簡易人が着るような服とは違い、幾つかパーツが多い。

それが30セットあると、かなり邪魔だろう。よく捨てずに持ってるモノだとノガワは感心した。

 ーーこれは、値段次第で買ってもいいかもね。


「ん~。それ、幾らくらい?安ければ引き取るけど」


「「「えっ!!!????」」」

「ほ、本当か!?」


商人たちは、揃って驚いた。ノガワだって使うところがないのだから、驚くのも当然だ。

 ーー買うのは良いけど、理由の説明はシッカリしないと疑われるよね。

ノガワは、急いで言い訳を考える。考えつくモノとしては、


「まあ、値段によっては利益が出ないこともなさそうだからねぇ。本当に値段によってという感じだけど」


「まあ、そうだよな。……なら、金貨3枚で、魔法の袋ごとやるよ。ど、どうだ?」


金貨3枚は、服30セットとしては破格だ。だが、それは普通の服の場合。

需要がないと行っても良いハーピーの服は、30セットあったとしても金貨2枚の価値すらないかも知れない。

 ーーだからこそ、魔法の袋ごとって言う表現になるんだろうね。


「魔法の袋って言うと、あのものがいっぱい入るタイプの魔法の袋かな?」


「ああ。そうだ。30セットが全部入っている。……そ、それに、重さも1セット分くらいしかないぞ」


「ふぅ~ん。…………まあ、悪くないかもね。じゃあ、はい。前払いで、金貨1枚渡しておくよ」


ノガワは、金貨を1枚取り出して、商人に投げる。商人は、慌てたようにしながらもそれを受け取った。

その表情からは、困惑が読み取れる。

 ーーまあ、前払いと言われても困るよね。


「お、おい。いいのか?俺が渡さないかも知れないんだぞ」


「ん~。お兄さんは、こんなに人に見られてる中で、そんな詐欺師みたいな事をするのかな?」


商人が慌てて返そうとしてくるが、ノガワは首を振り、周りを見渡した。

ここには、ノガワと取引相手の商人以外に、何人も商人がいる。

この商人が何かすれば、あっという間に悪い噂が広まり、まともに商売できなくなるだろう。今回の金貨を持ち逃げするのとは、比較にならないほどのデメリットだ。


「………ん~。ムリだな。金貨3枚のために、わざわざ詐欺はしない」


「だよねぇ~。ってことで、ちゃんと商品を持ってきてねぇ~」


「ああ!じゃあ、今持ってくるから、待っていてくれ!!」


商人はそう言うと、商品を取りに行くために走って行った。

 ーーそんなに急がなくても良いのになぁ。まあ、売りたい気持ちが高まってるときに買うから良いのかな?本当は、もう少ししてから買い取った方が、僕に対して感じる恩義は大きくなるはずだけど。

だが、そんなことをしなくても、記憶を変えればいくらでも感謝させることは可能だ。

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