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10.お前らも、ああやって移動しろよ

「あぁ。俺たちの荷物持たせて楽できるし、暴力を振るっても文句1ついわねぇ。最高のストレス発散道具だぜ。俺としては、もっと手元に置いておきたかったんだよ。本部も、1人くらい残すの許してくれりゃあいいのによぉ」


隊長の本音。

それを聞いて、ノガワの気持ちは完全に固まった。

 ーーこの人たちに任せたら駄目だ。自分でどうにかしないと!


ノガワは真剣な表情をして、いつもより早く部屋へ戻り、眠りについた。

そして次の日。

起きてきたノガワたちの目の前には、


「っ!?」

「なんですか!?これ!」

「おぇ!?」


いつもは朝食が置いてあるべき食堂。

そこには、食事と呼びたくないモノが皿の上に乗っていた。

 ーー嫌がらせが本格化してきた。と、いうことは、僕たちを部署替えさせるタイムリミットが迫ってきてる?


「お前ら最近腑抜けてるから、その罰だ。残さずに食えよ」


「「「は、はい………」」」


返事はする。

が、()()()()()()()()()なんて、食べられるわけがない。

全員が食べるのに躊躇していると、


「おらぁ!さっさと食え!!」


隊長が1人の女子の頭を掴み、


「ごぼっ!」


強引に皿へ押しつけた。

顔面に腐った肉がつき、女子は今にも泣きそう。

 ーーうわぁ。パワハラだよぉ。やめて欲しいよね。こう言うの。


「うぷっ!駄目だ、先行く!」


自分も同じ事をされたら溜まらないと思い、ノガワはネズミの肉をポケットにしまい、トイレへとかけだした。

口を押さえ、まるで腐った肉を食べたが胃が受け付けず、吐きそうな風を演出する。

 ーートイレに流そ。ラウスにもこれは食べさせたくないし。


「待てっ!……って、もう食いやがったのか」


兵士が止めようとしたが、途中で皿からネズミが消えていることに気付いて邪魔をせずにトイレへ行かせた。

ノガワはそれから予定通りにトイレへネズミの死体を流し、また自分の口を押さえる。

鼻も塞ぎ、息を出来ないようにして、


「………ブホッ!ハァハァハァ」


顔を青くし、肩で息をする。

息を止めることで、無理矢理体調が悪いような顔にすることを演出したノガワ。

ノガワは酸素が要っていない脳で、ふらふらと歩きながらトイレから出る。


「ノガワ君!」

「だ、大丈夫か?」


「大丈夫だよ。問題ない」


クラスメイトたちが心配そうに駆け寄ってくる。

ノガワは青い顔をしながらも問題がないことを伝えておく。

 ーー皆の皿の上には腐った肉が残ってる。無理矢理食べさせるって事はなかったのかな?


「何やってんだお前?腐ったもの食べるとか、バカなのか?」


「なっ!?隊長!?」

「お前が食べろって言ったんだろ!?」


馬鹿にしたように隊長が話しかけてくる。

クラスメイトたちがその言葉に反発するが、ノガワは何も言わずに、じっとその目を見た。

 ーーやはり本心からの笑顔。……まあ、昨日の夜のこともあったし、気体はしてなかったけどね。


「ノガワも、文句とか言えよ!」


「……やめとくよ。これ以上のことされても困るし」


「……ノガワ」


クラスメイトがもっと反発するように言ってくるが、ノガワは首を振った。

 ーーこんな所で反発しても意味がない。それよりも、僕に反抗心がないように見せた方がいい。

ノガワがそう考えてそれから黙っていると。隊長は心底馬鹿にしたような顔でノガワを笑ってから、踵を返してどこかへ消えていった。


そんなことがあった後。

ノガワを含め、補給部隊全員が荷物を受け取る場所へ集まっていた。

そして、


「おら!担げ担げ!!」


大きな荷物を渡される。

今回の荷物は、今までの荷物と比べても格段に大きく、重かった。

背負って立っているのもやっとといった感じであるが、


「え?嘘だろ?」

「俺たちだけかよ」


クラスメイトが、他の隊員の荷物を見て顔をしかめた。

荷物が小さいのだ。

普段よりも圧倒的に少ない。

まるで、ノガワたちに沢山持たせているから、自分たちはそんなに持たなくて良いかな、といったような少なさである。


「それじゃあ、行くぞ!遅れるなよ?」


「「「は、はい」」」


と、返事はするモノの、全くといって良いほど歩き出せない

荷物が重すぎるのだ。

 ーーうわぁ。絶対体力持たないよ。こんなの背負って歩けるわけないじゃん。


「おせぇぞ!」


ドンッ!

隊長が遅いと良いながら、クラスメイトの1人を蹴った。

クラスメイトはバランスを崩し、


「うわああぁぁぁ!!????」


ドテェン。

と、スッ転んだ。

そして、その勢いで丸くなったバックが地面につき、


ゴロゴロゴロゴロ。

と、転がっていった。

 ーーおお!転がるんだ!?どうしようもなかったら、僕もああするしかないのかな?


「くははは。おもしろいじゃねぇか。お前らも、ああやって移動しろよ」


「え?ほ、本当に言ってるの?」

「嘘だろ。転がりながら移動って、」

「目がまわりそう」


隊長が転がって移動するように言い、クラスメイトたちは難色を示した。

ただ、ノガワはそこまで悪くアホも湧かなかった。

 ーー前線に送られる物資が転がることでグチャグチャになるわけでしょ?そんなことをしたら、隊長が怒られそうだけど。


「あぁ?それなら、別の移動方法があるなら、それをやっても良いんだぞ……でも、引きずるのは禁止な」


「「「……うぅ」」」


隊長に方法があるのかと問われると、何も答えられないクラスメイトたち。

そんな方法なんて、考えつくわけがない。

仕方なく、ノガワたちは転がって移動することになった。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] どこにというか、満遍なく誤字があるので… [一言] 今のところノガワがクラスメイトを見捨てて?一人で離脱する理由が見えないのが逆に不穏な感じがしてハラハラしますね、ここから決別を決意さ…
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