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俺?ダンジョン!?  作者: 東歌
帝国動乱編
99/132

帰還



 ザバッッ



 「ふぃぃ~~」



 「し、死ぬかと思いましたよ!?」



 「むしろしんでなかったんだ」



 「大丈夫なんですかツクル先生?」



 「ああ、アニーのことなら大丈夫だ」



 海中のダンジョンから抜け出し、海辺に集まった4人はびしょびしょに濡れていた。



 水中呼吸のアイテムがあったとはいえ海の中を通って来たからか体も重く、流石に動きたくなかったのか4人はそのまま体を倒したままボケ~っとダンジョンの方を見ていた。



 「……ジャックはこれからどうするんだ? 母親のことは恨んでるわけじゃないんだろ?」



 「そうですね。 まあ一旦は実家に戻って母親と話す時間は取りますよ。 その後は学園に戻るかどうかですが……サン どうする? 学園に戻るか? それとも同棲するか?」



 「もちろんどうせいっ!!!!」



 パァァァっと笑顔になったサンは、ジャックに抱き着いた。



 「おぉっと。 てなわけでツクル先生、俺たちは冒険者でもやろうと思います。 俺にかかってる呪いも解けたし、魔法についてはこれから学ぶことも無いでしょうからね」



 「そうか。 それで住むところは?」



 「うっ………先生の屋敷の近くでも紹介してくれたらありがたいな~なんて……」



 「いざという時はご主人様に手伝ってもらおうという魂胆ですか!! 中々やりますねジャック君!!」



 アニーに言い当てられて言葉が詰まるジャックだったが、それは置いといて



 「「ご主人様?」」



 「ふっふっふ、私はこれからメイドとなるのですっ!! これで食費に困ることももうありませんっ!!」



 「ま、そういうわけだ。 家ぐらいはこっちで用意してやるから、偶には遊びに来い。 アニーが自腹を払って歓迎してくれるだろうよ」



 「え゛っ!?」



 「ふふっ りょうかい」



 「えぇっ!?」



 「ついでにヴェントたちも連れて遊びに行きますよ」



 「ちょぉぉぉぉぉぉ!?!?」



 沈みそうになっている夕陽を背景に、海岸には笑い声が響き渡った。











 翌日。 商業国で一泊した4人は商人ギルドにダンジョンが問題なくなったことを伝え、魔法国へと転移した。 とりあえずジャックの屋敷に行き、ジャックとサンを置いてくるためである。



 「ただいま母さん。 親父は殺してきたけど良かったよな?」



 「お帰りなさいジャック。 10年近く会ってもいない人を気にする私じゃないわよ。 それよりも気になるのは~~サンちゃ~ん!! 私の娘になってくれるんだって!? ギューしてあげちゃうっ!!」



 「むごっ!? もごもごもごご。 もごも……もっ……」



 「母さん!? サンが息してないって!!」



 「あら? あらあら」



 そんな光景を横目に、主人公とアニーもジャックの屋敷から出ようとした時、2人の後ろにメイド長が現れた。



 「ありがとうございますツクル様。 奥様と坊ちゃまの関係を修復して下さって」



 「気にすんな。 俺の生徒だからな」



 「そうですよ!!」



 「お前に俺の何が分かるんだアホ」



 メイド長に頭を下げられるが、主人公も感謝を伝えられるようなことはしていないとでも言うような対応をしている。



 「それでも感謝しております。 坊ちゃまが帰ってくるまでは奥様のお顔も沈んだままでしたので。 つまらない物ですがお受け取り下さい」



 「だから気にするなと…」



 「あ、どうもどうも」



 「アホかお前は!? そこは恰好つけさせろよ!!」



 アニーのせいで最後まで締まらない主人公だった。











 「ただいま~」



 「おかえりなさいでやがります」



 「おぉ!! メイドちゃんこれからよろしくね!!」



 「は?」



 主人公とアニーが屋敷に着くと、シェイルがどこからともなく現れた。 ぶっ壊れメイドモードは継続しているようだ。



 「また増やしたんでやがりますか?」



 シェイルはまたハーレムメンバーが増えたと思ったようだがそうではない。



 「いや、メイド枠」



 「………???? これ以上要りやがりますか?」



 「そんなこと言わないでよ!?」



 「まあいいでやがります。 メイドになるというならその口調からビシビシ直していくでやがりますよ」



 口調……いや、おまいう。



 「えっ? なんで私は掴まれてぇぇぇぇぇぇぇぇ!?!?」



 シェイルに腕をガシッと掴まれたアニーは、そのまま屋敷の中に運ばれていった。











 「お? ツクルか。 おかえりなのじゃ」



 「みんなはどうしたんだ?」



 連れていかれたアニーを見捨てつつ屋敷に入った主人公は、どうせニコルはお昼寝でもしてるだろうと寝室まで行った。 しかし寝室の中に入ってすぐにニコル以外がいないことに疑問を抱く。



 「学園に行っとるぞ。 ラファエルも実は教師の才能があったらしいのでな」



 「ほえ~。 そりゃまあずっと皇子なんてやってたら才能なんて分からないだろうな」



 「そうじゃの」



 そんな話をしていながらも、主人公はどこか落ち着かない様子だった。



 「そんなにヤリたいのかの?」



 「!?!? あ、いや」



 「まあ分からんでもないのじゃ。 我も溜まってないわけじゃないからの。 ラフィス? お主も混ざるか?」



 「もちろんですっ!!」



 実体化したラフィスによって主人公はベッドに押され、ニコルにがっしりと掴まれた。



 「お、お手柔らかに…」



 「「無理じゃ(却下です)」」



 この後めちゃくちゃ絞られた主人公だった。




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