表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
俺?ダンジョン!?  作者: 東歌
帝国動乱編
76/132

英雄の凱旋



 「うおぉぉぉぉぉぉ!! かっけぇぇぇぇ!!」


 「きゃぁぁぁぁアラン様カッコイイィィィィ!!」


 「こっち向いて!! こっち!!」


 「王国には二人の英雄が付いてんだ!! 帝国なんかには負けんぞ!!」


 「顔が見えないのいいな!! 俺も冒険者になったら仮面付けようかな!!」


 「ありがとおぉぉ!! 主人を助けてくれてぇぇ!!」


 「二人で帝国の本軍を撤退させたんだってよ。 すげぇな英雄って」


 「無貌の英雄…ミステリアスでかっけぇな」


 「あんなでかい大剣を軽々と…すげぇ」



 お察しの通り、今主人公とアランが歩いているのは、門から城までの道。 主人公たちが門で騒いだ結果注目が集まり、その中に王国軍を救うために殿となった英雄二人がたまたまいたのである。 結果、こうなった。



 「……何故こうなったのだ(なんでこうなったんですかねアランさん)」



 「ツクルはまだマシだろうが。 鼻メガネを付けてるから仮に変顔してもバレないだろ。 こっちは笑顔キープするの結構辛いぞ」



 アランに言われて気づいたが、主人公は完全隠蔽の効果で変顔をしてもバレないのだ。 それならやるしかないだろう?



 「ミステリアスな雰囲気を醸し出しているが、実はこんな装備を付けていると思うと笑えてこないか?(顔が見えなくて格好いいのに、実はおふざけみたいな鼻メガネを付けているのってどう思いますか?)」



 「やめっ、やめろ… バレないと言ったとはいえ、こっちを向いて変顔するな…くふっ」



 主人公はアランの方を向いて変顔で話しかける。 アランの顔がひくつくのを見て、観衆は戦闘が大変で疲れているのだろうという印象しか抱かなかったが、事実は小説より奇なり。 ただ主人公が面白がって笑かそうとしているだけである。



 そんなこんなで何回かアランが爆笑しそうになりながらも大歓声を後にして、ようやくお城に辿り着いた。



 「ふぅ~~~長かった…。 ツクルのせいで今までで一番キツイ凱旋だったな」



 城の門が閉まり、ぐたっとその場に倒れこんだアランはツクルを睨みながらそう呟く。



 「まあまあ。 こっちも大剣が邪魔過ぎていつ観衆に当たるかとヒヤヒヤしたので、何も無くて良かったと水に流しましょう?」



 「それとこれとは話が別だろうよ……」



 凱旋するために着けなおした装備をすべて外しながらそう言ったツクルに、アランはもう言い返す気力も無いようだった。 かの英雄をここまで疲弊させるとは…主人公め!!やりおる!!






 まあそんなことは置いといて、前線の真っ只中に送り込まれて(自業自得)ようやく離れに戻ってこれた主人公は待っていたみんなに挨拶を……



 「なにしてはるん?」



 「んぁ~~? お、お帰り~~~」



 「おぉ、ツクル。 大変だったのぉ」



 「おかえりなさい」



 「すごい戦闘でしたね!! 最初は取り入って失敗かと思いましたが、あの時の自分をほめてあげたいぐらいには格好よかったですよ!!」



 リラックスした様子の4人を見て、がっくりした主人公だった。



 「えっと? 心配してくれたりは……?」


 ≪私がずっと映像で繋いでいたので、マスターのことを心配している様子は特にありませんでしたね≫



 「そうそう、転移しちゃった時はどうなるかと思ってたけど、フィーちゃんが兄さんの所の映像が見れるって聞いてね!!」



 「まあ意外と面白かったの」



 ウンウンと頷く4人を見て、その場に崩れ落ちた主人公だった。











 「そういえば見ていたってことは……なあニコル? あの時帝国軍が消えた理由って分かるか?」



 会えなかった時間を取り戻すようにイチャイチャして気力を取り戻した主人公は、ニコルにそう問いかける。



 「ん? あぁ、ツクルの所からは見えてなかったかの? あれはただの魔道具で転移しただけよの」



 そう。 魔道具を使った指揮官は主人公とアランの所からは見えていなかったため、あたかも理解の及ばないことが起こったように見えただけ……と思いきや。



 「とはいえ、帝国の異世界人に神が手助けしているのは正しいと思うのじゃ」



 ただの勘違いだった!? と一瞬だけ驚く主人公だったが、その言葉を聞いて気を取り直す。



 「やっぱりあれほどの規模の変化を与える魔道具はおかしいのか?」



 「そうじゃな。 それこそ1000年前の文明の兵器なら同じようなことをできたのかも分からんが、今の魔道具だと地面にまで効果を及ぼすのはありえないのじゃ」



 「やっぱりそうか……」



 向こう側にも神がいるというのはほぼ確定したが、それ以上に重要なことがあった。



 「ついでにじゃが、ダンジョンを使われた痕跡はないと言っておくのじゃ」



 というかあの場で分かってほしかったが、主人公がダンジョンを作る時に侵食するという段階が必要なのだから、あの一瞬で転移させることなんてできないよな。



 「それは良かった? のか?」



 帝国がダンジョン側に関りがないと分かると、確実に勇者や人類の英雄の4人に邪魔をされなくなるからそれは良かったと言えるだろう。






 なお、主人公とニコルがそんな話をしている横では……



 「なんか難しい話をしてるね~ノエルちゃん」



 「ふふっ、そうですね」



 「え? 千年前? 文明? え? 兵器? 魔道具? えぇ?」



 2人+1人がだいたい想定通りの反応をしていた。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ