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俺?ダンジョン!?  作者: 東歌
魔法学院編
62/132

幸か不幸か



 セラも無事に授業に合流し、何回かの授業を挟んで1年生はそれぞれの得意だと思える戦闘分野を探し終えたところで、一度戦闘を経験させるらしい。



 「さて、それじゃあ今日の授業は模擬戦でもやりましょうか」



 珍しく体育館に集められた1年生は何をするのか疑問を持っていたようだが、セラのその言葉を聞いて納得していた。


 少人数なら校庭でもいいのだろうが、30人にもなると流石に狭い…



 「各分野最低一人は入れて4人か5人のパーティーでいいよな?」



 「そうね。 最初の模擬戦だしランダムとは言わないわ!! 各分野一人以上!! 4人か5人でパーティーを組みなさい!! ちなみにだけど、強さがフラットな今のうちに好きな子と一緒に組んだ方が良いかもよ?」



 『………。』



 組みづらくなるじゃん。 ボソッとそんなこと言われたら。






 「それじゃあ組めたようだし、最初のグループからやろうか」



 模擬戦の相手は主人公がやるようで、先に舞台に上がって準備を済ましていた。



 「「「「お願いします!!」」」」



 「ん? お前ら4人ってどこかで会ったか?」



 お? ナンパか? なんて冗談は置いておいて、主人公はどこかで見たことがあるような顔の4人も見て疑問の声を上げた。



 「一応、受験の時…案山子に…」



 「……あの時か!! あ~そういえば居たような居なかったような…」



 なんて話をしていると…



 「早く始めなさいよ!?」



 セラに怒られた。



 「お、おう…じゃあ、やろうか? かかってこい」




 「…ダメージは入らないだろうけど、一発ぐらいは当てようね。 それじゃあ行くよ!!」


 「「「おう!!」」」



 最初はガタイが良い僧侶みたいな頭の生徒が主人公に突撃してくる。



 「一手、御指南お願いする!! うぉぉぉぉ!!」



 「ただ突っ込んでくるだけじゃ意味が…って一応考えられてんのな」



 その攻撃を受け流した主人公は思わず感心する。 少し1年生を侮っていたようで、バラバラに攻撃してくるとでも思っていたのだろう。



 「【……ウォーターランス】」


 「せやぁっ!!」



 2方向からの同時攻撃を避けることは簡単だが、どうせならくらってあげるかと甘い考えをしたところを紅一点の生徒に衝かれた。



 「【……ディフェンスダウン】」



 背後から防御力にデバフを掛けられた瞬間、二つの攻撃が着弾した。


 主人公が無抵抗に攻撃を受けたからか、生徒たちはざわついている。 もちろん無傷ではあるのだが。



 「いや…マジで? 普通の先生なら一発いいのもらってただろ。 やるじゃんお前ら。」



 なお主人公が甘えただけなので、普通の先生ならしっかり対処するだろう。






 「それじゃあ講評するぞ講評。」



 主人公は一旦舞台から降りて、観ていた生徒たちの前に立つ。



 「はい。 まず生徒の皆さんはツクル先生みたいにアホ丸出しで攻撃をくらうのはやめましょうね。」



 そんなの言わなくとも普通は大怪我じゃすまないからちゃんと回避するだろう。



 『はーい。』



 真面目か!?



 「アホ丸出しって…いやそうだけども…」



 がっくりしているが、自業自得である。



 「戦闘の流れ的には中々よかったのじゃ」



 「実戦だったら最初の囮はどうかと思うけどね!!」



 「ツクルさんにダメージは入らなかったとはいえ、逃げ場を無くした判断も良かったですね。 仮に2方向からの攻撃を避けても追撃が出来たので、有利な状況に変わりはなかったでしょう」



 結構な高評価に戦った4人は照れているが、ダメなところもなかったわけではない。



 「それはそれとして、やっぱり詠唱はどうにかしないと駄目だよな」



 「今回は奇跡的に攻撃が重なりましたけど、大抵の場合無詠唱もしくは詠唱省略を使わないと同時攻撃はすべて避けられて終わってしまいますね」



 「それに今回は兄さんが甘えてたから問題なかったけど、せっかく後ろから攻撃できたのに詠唱で位置をバラしたら、後ろにいる意味がなくなるね!!」



 「まあそればかりは魔法の授業で頑張ってもらうしかないわね」



 「別にこの授業で教えても構わんのじゃろ?」



 教えてもいいのだろうが、少人数の授業と違ってそんな時間は取れないわけでしてね。


 まあそれはそれとして…



 「それじゃあ次のグループ、ツクル先生と戦ってきなさい。 戦い終わったグループは私から問題点を伝えるから、ノエル先生たちに教わってきなさい」



 『はい!!』



 そこからは各々戦闘し、問題点を洗い出し、それを教わるという作業を繰り返した。






 同様に2年、3年、4年も主人公たちの授業を受けてメキメキと実力を伸ばしていくことになった。 そう……戦争に出ても戦えるほどには……。 あの日が訪れることを知っていたなら主人公たちもここまで強くしようなんて考えなかっただろう。 だが未来の事なんて今は分からないのだ。 生徒たちも楽しみながら強く成った。 成ってしまった。 幸か……不幸か……。



このまま学園編でグダるもの嫌だったので、授業の描写はここまでにしてさっさと進めようと思います。 正直学内戦を引っ張りすぎた...

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