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俺?ダンジョン!?  作者: 東歌
魔法学院編
48/132

学内戦2年の部 予選



 学内戦は体育館でやるらしく、各々自由に講堂から移動していった。



 「ははははは!! 最高だったぜ師匠!!」



 「あんなに煽ってよかったんですか? 相手は生徒会長ですけど…。」



 主人公一行がジャックら5人に連れられて体育館に移動する途中、ヴェントが爆笑している一方でジャックは主人公のことを心配しているようだった。



 「そんなに強いのか? 生徒会長」



 「ふっふっふ、説明しよう!! 生徒会長は入学してからすべての試験で一位かつ、今まで一度も学内戦で負けたことがないのだぁぁぁ!!」



 デデドン!!という見えない効果音と共にフロンはかっこいい?ポーズをとる。


 何故かドヤっているが、お前の功績ではない。



 「へーーー。」



 「興味なさそうだね!?」



 鼻ほじーとまではいかないが、適当に返事をする主人公であった。



 「それよりも先に2年の学内戦だろ? 自分のことを優先しろよ?」



 「安心してもらっていいよ。 先生たちのおかげで負ける気がしないからね。」



 「「「「そうなんだ。 頑張れ、ロウ。」」」」



 「いや君たちもだよね!!??」



 かっこつけたロウだったが、仲間からは速攻で見放されたようだ。






 「さて、ここからは別だな。」



 着いた体育館は相当広く、おそらく空間ごと拡張されているのだろう。



 「まさか一位を取れないとは言わんよの?」



 「まっかせなさい!! ロウすらも倒してトップを取ってやるわ!!」



 「魔法戦ばかり気にしていたら俺たち近接組に足元掬われるぞ?」



 「師匠の速さに慣れたら、魔法なんて遅く感じてくるからな!!」



 「それでも音の方が早い。 楽勝。」



 「ま、みんな頑張ればいいよ。 僕が勝つから」



 全員やる気は十分のようだ。



 「それじゃあ頑張ってね~」



 「我は上で見てるからの~」



 「皆さん頑張って下さい」



 「そういえば俺ってどのタイミングで出ればいいんだ?」



 「さぁ?」



 主人公一行は観客席へと歩いて行った。











 残ったジャック達は…



 「それじゃあ、本戦で会おう。」



 「予選ごときで負けないでよ?」



 「師匠のしごきに比べれば楽勝だぜ!!」



 「こんなに言ってて予選でみんなと当たったらどうしようね!?」



 「潰しあうだけ。」




 「2年生はこちらに集まってくださーい!!」



 案内の先生に呼ばれ、各々体育館に設置されたステージまで歩いて行った。










 ジャックの場合。




 「互いに礼!!」



 「「よろしく」お願いします」



 ジャックと向かい合った生徒は、礼もほどほどに詠唱を始める。



 「【灼熱の炎よ 敵を焼きつ】」



 「ていっ」



 やはり詠唱は甘え。 ゆっくりと詠唱をしている間にジャックは近付き、腹パンをする。



 「右の生徒の勝ちです。 このバッジを持って次の試合を待っていてください。」



 勝者は、その証としてバッジをもらえるらしい。 この後も何度か試合をしたが、無事に全てワンパンで沈めていった。






 ロウの場合。




 「互いに礼。」



 「「よろしくお願いします」」



 今回は相手もロウが初級魔法においては天才的だと知っているらしく、下手に詠唱をすれば物量で押されると思ったのだろう。 完全に様子を見てきている。



 「来ないの? じゃあ僕からやるね」



 相手が警戒していることも気にせずに、ロウから仕掛けた。



 「ばーん」



 「ぐあっっ!?」



 ロウは指を鉄砲の形にして、無詠唱で炎の魔法を放った。


 相手も警戒はしていたが、無詠唱で打てるとは思ってはいなかったのだろう。 避ける間もなく魔法の餌食となった。


 ここで疑問に思った人もいるだろう。 魔法当たったら危なくね?と。 安心してもらっていい、しっかり学園長がダメージを変換している。 一定以上のダメージをくらったと判断すると、強制的に気絶するようになっている。



 「次の試合まで待っていてください」



 「了解」



 やはりロウも問題なく予選を通過していった。






 フロンの場合。



 「礼!!」



 「「おねがいします」」



 前までのフロンなら錬成までに多少の時間がかかるため、相手もそれを察して速攻を仕掛ける。



 「おらぁ!! …はぁ?嘘…だろ…」



 「残念だったね~」



 前までのフロンだったら…な。 今のフロンは魔法陣を書いた紙(以後は魔法紙と称する)を相手の目の前に瞬時に錬成する。 初見殺しとしては最高だな。



 戦法がばれてからは多少苦戦するも、無事に予選を突破した。






 カノンの場合。




 「互いに礼」



 「「よろしくお願いします」」



 「あ!!」



 「ぎぃっ!? がっ、あがっ!?」



 相手が動く前に、カノンは発した声の強さを増幅させた。 たまらず相手は耳を抑えるも、それすらも貫通してダメージを与えるに至った。



 「…次からは魔法の範囲を考えてください。」



 「あっ、ごめんなさい。」



 審判まで耳を抑えていた。 強いのはいいが、審判にまでダメージを与えると失格になりかねない。 それ以降の予選は、多少効果を弱めつつ進んでいくことになった。






 ヴェントの場合。




 「お互いに礼。」



 「「よろしくお願いします」」



 嬉しいことに?ヴェントの対戦相手は女子だった。



 「うへへへへ、試合が白熱したらちょっとぐらいお触りしてもバレないよな!!」



 そう思うなら声に出すな。 手をわきわきするな。 審判も若干引いてるぞ。



 「……参りました。」



 「…と゛お゛し゛て゛だよぉぉぉぉ!!!!」



 審判が敗北を認め、ヴェントは勝利した。 不名誉な勝利だな。


 何故かその後の女子との対戦は全て不戦勝で本戦にまで行くことができた。


 とても謎である。


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