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俺?ダンジョン!?  作者: 東歌
魔法学院編
43/132

意外としっかり先生をしている①



 ジャックとヴェントは緊張した顔で主人公と向かい合う。 主人公の戦い方を知らないため、警戒をする気持ちもあるのだろう。



 「武器は使わなくていいのか先生ッ!!」



 話しかけながらジャックが不意打ちを仕掛ける。



 「使わせてみ?」



 まだラフィスを纏ってないが、学生程度の突きを躱せない主人公ではない。 紙一重で避けつつ、長槍に手を沿わせてグイッと引っ張る。



 「おわっ!?」



 圧倒的な力で長槍を引っ張られたジャックは主人公の後方へと吹き飛ぶ。



 「隙ありだぜししょ」



 「ないぞ。」



 「あびゃああああぁぁぁ...」



 どこに隙があったというのか。 主人公は殴りかかるヴェントの足を引っかけて前に一回転させる…瞬間、背中を軽く蹴り上げる。 結果、ヴェントはクルクルと回転しながらジャックと同じ所に落下した。



 「「がふっ」」



 うわぁ…痛そう。



 「俺だけ対応が酷くない!?」



 「先生の奥さんに告ったからだろ。 変態。」



 「もう終わりか? お二人さん?」



 「「んなわけ、次は併せろよクソイケメン(変態)!!」」



 起き上がった二人は、左右に分かれて同時に主人公を攻撃した。



 「「おらぁぁぁぁ!!!! 痛ってぇぇぇぇぇ!!」」



 「コントかお前ら。」



 バックステップで避けた主人公の方を気にし過ぎた二人は、頭で正面衝突する。



 「や、やるじゃねぇか師匠…」



 「手も足も出ないとはな…」



 「二人とも頭は出すぎたみたいだが」



 「「お前のせいだぞ…あ゛?」」



 「おいおい、喧嘩すんな喧嘩すんな。 反省会するぞ。」



 仲が良いのか悪いのか……



 「じゃあまずはジャックな。 お前なんで槍を掴まれたときに離さなかった?」



 主人公が紙一重で躱したときのことだな。



 「…格上相手に武器を捨てるのは」



 「嘘だな。 俺のことを甘く見てたからだろ?」



 「うぐっ…」



 「や~い言われてやんの~」



 「ヴェントは脳死で突っ込み過ぎだ」



 「はうっ…」



 結局はちゃんと相手のことを観察しろってことだな。



 「それで? ジャックは魔法は使わないのか?」



 そういえば使えるって言ってたな。



 「使えると言っても威力が出せませんし…」



 「威力が無くても一瞬の目隠しにはなるだろ? それにヴェントにも言えることだが、属性付与は出来ないのか? 拳にしろ槍にしろ火属性でも纏わせとけば多少は掴まれづらくはなっただろうな。」



 「「確かに…」」



 「まあ言うだけなら誰でも出来るし、実際に使ってみせるか。 セラーー!! 長い棒とかってあったりするかーー!?」



 「はいはーい!! 今持っていくわねーー!!」





 棒術に使うらしき棒を用意し、もう一度主人公と二人は向かい合う。



 「どうせなら少しだけ本気を見せてやるよ!! (武器の制御は任せたぞラフィス。)」


 「≪纏い≫」



 このあとジャックとヴェントはボッコボコにされた。








 ミウとニコルの場合…




 「それで? 二人は魔法を使うんじゃよな?」



 「どんな魔法使うの!?」



はたから見ればどっちが先生だかわかったもんじゃないな。



 「僕は属性魔法なら全属性使えるよ。 天才だからね。」



 「嘘ついちゃダメだよ!? ロウ君は中級魔法までしか使えないから天才じゃないよね!? あっ、私は具現魔法ってのを使うんだよ!! ほら、こういうの!!」



 そういうとフロンはまきびしを具現化させた。


 偶にいるよね、反射的に心を抉ってくる天然なやつ。



 「苦労人じゃの…ロウとやらは。」



 「…分かってくれるかい?」



 「何々!? なんの話!?」



 まあそれはともかく、明確に弱点があって何よりである。



 「教えやすくて助かるねニコちゃん!! ロウ君は属性魔法をいっぱい混ぜるようにして、フロンちゃんは魔法陣を映した紙でも具現化させればいいよね!!」



 「ミウ…お主、やはり天才じゃの。 偶には。」



 「偶には!?」



 偶には。 だが、言っていることは正しい。 ロウは一発ごとの火力が足りないから、出来る魔法の内で出来る限り火力を上げる。 フロンは具現化させるにも限りがあるため、薄い紙を具現化させることで消耗を抑えつつ攻撃が可能になる。


 それを瞬時に思いつくあたり、ミウは天才である。 偶には。



 「あはは、簡単に言ってくれるね? 結構難しいよそれ?」



 「「天才なんでしょ?(なんじゃろ?)」」



 ロウ君には頑張ってもらおう。



 「おぉ~!? 紙を具現化させるなんて、目から鱗だよ!?」



 「「「目から鱗出てるぅ!?」」」



 具現化魔法って面白いな。



 「それじゃあ実践じゃの。 まずはロウ、両の手に簡単な属性魔法を出してみよ。」



 「了解。 【始まりの炎よ フレイム】【母なる水よ アクア】」



 「詠唱ダサいね!!」



 「言ってやるな。 これでも省略して、かっこつけている方じゃ。 ほれ、両手を合せてみよ。 魔力の操作を失敗すると手が吹き飛ぶが、気を付けるのじゃ。」



 「いや何軽く言ってるの? 怖いよ? しかも人が頑張っている前でダサいとか言わないでくれる!?」



 ダサいもんはダサい。 しかも長いと戦闘に使えん。


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