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俺?ダンジョン!?  作者: 東歌
魔法学院編
39/132

これでも本気は出してない。



 「それでは学園内で戦闘を担当する新任の先生方にお手本を見せていただきます!! 圧倒的な差を見せられるとは思いますが、入学した人はこの人達の訓練を受けれるから落ち込まないようにね!!」



 ニッコニコでハードル上げてきやがる。



 「それでは順番にお願いします!!」






 初めは主人公の番。



 「あ~えっと。 俺は魔法を使えないので、魔法を使う皆さんは遠くから魔法を使っていれば勝てると思うかもしれません。 ですが、近接戦闘を舐めていると痛い目に遭いますよってのを見せようと思います。」



 そう言って主人公は案山子と向かい合うが、思った通りに受験生は舐め腐っているようで、隣り合う受験生同士でコソコソと話している。



 「(度肝を抜いてやろうかラフィス!!)」


 ≪了解ですマスター!!≫




 「≪纏い!!≫」




 主人公の肉体が中性化し、いつもよりも張り切っているためか、バチバチとしたオーラを纏い始める。


 周りが驚いて目が丸くなったその瞬間。 主人公は全力で案山子に近付き、正拳突きを繰り出す。



 「≪せりゃぁ!!!!≫」




 ドパァァァン!!……ビシビシィッッ!!




 「≪あっ、やりすぎた≫」



 繰り出された正拳から放たれた波動は、案山子を消し飛ばしながら後ろの壁にまで罅を入れる。





 「は、拍手――!!」



 パチパチパチパチと遠慮がちに拍手をする受験生の目には恐怖が浮かんでいた。






 案山子を持ってきて、次はミウの番。



 「いや~兄さんやりすぎだよね!! 私はあんまり強くないからみんなそんなに怯えなくてもいいよ~!!」



 主人公がやりすぎたからか、ミウも警戒されているようだ。



 「じゃあいきま~す!!」


 「ギュッとして~とりゃ~」




 チュイィィィッン!!




 可愛い掛け声とともに前に出した手から光線が放たれ、案山子の頭を貫通する。



 「うん!! 普通だね!!」



 やっぱり強いじゃないかと受験生たちはジト目だ。






 そしてノエルの番。



 「私は卒業生なので安心してください。 皆さんでも練習すれば出来るようなことをしますから。」



 新事実である!! ノエルは魔法学園の卒業生だった!?  え?察してた?…勘のいいガキはゲフンゲフン



 「それではいきます!! 【ヒール 回復強化 効果増幅 【相乗 オーバーヒール】】」



 やっていることの原理は簡単で、ヒールを手に保持しつつ効力を上げて回復効果を上げ続ける。 そのヒールを相手に当てると、オーバーフロー分の回復量が逆に体を蝕むことになる。



 そして今回当てられた案山子はというと、パァンと上半身が消し飛ぶことになった。



 確かに練習すれば出来るものではあるだろう。 但しグロい。



 生きていればヒールは誰しも一度は使われる魔法なので、その魔法を攻撃に利用されるとなると………見ている全員が引いていた。



 「あれれ??」



 「ノエル…お主が一番怖いのじゃ」



 残念なことにその場にいる全員の心が一致した瞬間だった。






 最後はニコルの番。



 「ふっふっふっふっふ 我が最後に見栄えも威力も完璧な魔法というものを見せてやるのじゃ!!」



 小さい子がドヤ顔をしていて受験生がほっこりしているが、こんなんでも神である。




 「【術式構築】」


 両の手を併せ、目を瞑りながら放ったその言葉と共にニコルの周りに魔法陣が浮かび上がる。


 「【神奏 善 悪 光 闇 秩序 混沌】」


 一つ一つの言葉と共に魔法陣が光り出す。



 「総じて【運命 The Law of Gods】」



 最後の言葉と共にその場は光で埋め尽くされ、光が消えた時……何も残っていなかった。



 「こんなもんじゃ!!   ありゃりゃ??」



 ドヤ顔をしているところ悪いが…全員( ゜д゜)ポカーンである。 英雄と名高い学園長ですら( ゜д゜)ポカーンとしている。


 これの後に魔法を打たなければいけない受験生のことも考えて欲しい。






 「こ、こ、こんな感じでお先に失礼しまぁぁぁぁす!!!!」



 「ちょ、抱えるでない!! 待つのじゃぁぁぁぁ......」



 ニコルを除いたその場の誰よりも先に気を取り戻した主人公が3人を連れて学園長室に逃げていった。 問い詰められるとでも思ったのだろうか。 まあ正解である。






 そして主人公たちがいなくなって少し経ってから…



 「す、すごい人たちが先生になるんだね…」



 「お、俺もあんなの打てるようになるのかな!?「君じゃ無理だ。」あ゛ぁ!?」



 「ワシの肉体強化であのような打撃を放ってみたいのう!!」



 「ふんっ、天才の僕なら余裕で追いつけるね「ぷーくすくす、足が震えてんぞ!!」う、うるさい!!」



 意外と好評だったようで何よりである。


 それにしても3人の先生はいつまでポカンとしているんだ…?



 「「はっっっ!? なんてものを隠してたのよ!! 待ちなさーーい!!」」


 性格が似ている二人は同時に動き出して主人公一行を探しに行った。



 「あーーーえっと、それじゃあ試験を始めましょうか。 あそこまでの期待はしていないので、落ち着いて一人ずつ来てください。」



 どうやら試験も無事に始められるらしい。 そこからはしっかりと詠唱が飛び交い、厨二病発表会にふさわしい場となった。


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