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俺?ダンジョン!?  作者: 東歌
魔法学院編
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みんなのトラウマ



 「はっ!?ここは…どこだ…うっ頭が…」



 「どうしたんですかツクルさん!?」



 次の日、宿屋の大部屋で目を覚ました主人公は、謎の記憶喪失と頭の痛みに驚く。



 「お、おかしい。 昨日の記憶を思い出そうとすると手が震えて…頭も…」



 まさかこれがパワフル投げキッスの力だとでもいうのか!?



 「そんなにラヴとやらは怖かったのかの?」



 「ラヴ…はっ うおぇぇぇええええ......投げ…キッス…ガクッ」



 投げキッスと遺言を残して主人公は倒れた。 ガクッの効果音まで自分で言っているところを見ると、割と元気そうではある。






 「それじゃあ魔法学園に行きましょうか」



 ちゃんと元気になった主人公も連れて4人は魔法学園へと出発した。 本当は主人公とノエルだけ行けばいいのだが、ミウとニコルは無理やりついて行った形である。


 魔法学園へと出発すると、道中には同じ方向に進んでいる人が多いようだ。 時間帯が朝なので、全員登校中なのかな?なんて考えてもいたがそれにしては鬼気迫る様子でブツブツと独り言を言っている人が多い印象である。


 そう、まるで現代日本の受験日…



 「は~い!!初等部受験はこっちで~す!!中等部以降は向こうの人について行ってくださ~い!!」



 完全に受験日に鉢合わせたようだ。



 「一度帰りますか? 受験を見ててもしょうがないですし」



 「それもそうだが、その前に…すいませーん!!受験って何日間やるんですかー!!」



 何度も来るわけにもいかないので、一応聞いてみるらしい。



 「はいは~い!! 受験の日数ですか!? 今日から4日間ですよ!!」



 「ありがとーございまーす!!」



 4日間待つぐらいなら突入したほうが早いかななんて考えていると…



 「君も初等部の受験でしょ!? 早くしないと間に合わないよ!!」



 「なん!?なのじゃあああぁぁぁぁ.........」



 「「「………噓でしょ?」」」



 ニコルが少女に連れ去らわれていった。



 「え? ニコ…え? ど、どうする?」



 「確かに小っちゃいから間違えられないかなとは思ってたけど…えぇ?」



 「あ、あの~すみません 初等部の受験会場ってどこなんでしょうか? うちの子?が間違われちゃ…」



 「ほら!! 君たちも始まっちゃうよ!! こっちこっち!!」



 「「「え?…え?え?」」」



 3人も3人で中等部の受験会場に行くことになった。 どうしてこうなった????










 「は~い試験終了で~す!! お疲れさまでした~!! 明日もう一度来てくださいね~~!!」



 受験科目は語学・算術・歴史だったが、問題自体のレベルは簡単で、主人公でも歴史以外は何とかなったらしい。 歴史をラフィスに助けてもらったは内緒。 カンニングジャナイヨ。



 「いや、どうして??」



 「いや、なんで皆さん黙って受験してるんですか??」



 「いや、ノエルちゃんも受けてるじゃん。 というか受験票的な制度は無いの!?」



 それもそうだ。 ぶっつけで試験を受け放題じゃないか。



 「いえ、そもそも普通の人はこんなに難しい試験を受けに来ないんですよ。」



 「「難しい???? 歴史以外は簡単だったけど。」」



 「えぇ!? 歴史が一番簡単でしたよ!?」



 ノエルは驚いているが、こんなんでも現代日本で教育を受けているのだ。 文字さえ読めれば中等部レベルの異世界の試験なんて余裕である。


 そうやって歩きながら話していると…



 「なんでお主ら助けにこんのじゃぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」



 「「「あっ…」」」



 ニコルがダッシュで突撃してきた。 自分たちのことに精一杯で忘れていたらしい。



 「なんでこの我が初等部の試験を受けねばならんのじゃ!!?? お主らがすぐ来るのかと思いきやその気配もないときたのじゃ!! ぶん殴ってやろうかと思ったよの!?」



 「いや、ごめんて」



 「ほんにどうしてくれるんじゃ!? また明日来なさいとか言われたんじゃが!?「あの~」あぁ!?」



 ニコルがぶちぎれている横から学園の先生らしき人が話しかけてきた。



 「どうかしましたか?」



 「あっ、すみません。 学園長がお呼びです。」



 「遅いのじゃぁぁぁぁぁ!!!!」



 「どうどう」










 場所は変わって学園長室。



 「なんであなたたちが受験してるのよ」



 「こっちが聞きたいぐらいじゃ!!」



 それはそうだ。



 「一応聞くわね、明日は魔法のテストがあるんだけど…やる?」



 「「「「やらない!!」」」」



 全員即答である。



 「そう、残念ね。 でもノエルちゃんとツクル君には歓迎するって言っちゃったわよね~ それならやってみたかったりするかしら?教師。」



 そういってカルテはにっこりと微笑んだ。



 「勝手に入れてもいいんですか?」



 「ちょうど魔法に関係のない戦闘を受け持っていた先生が辞めたからその代わりの人選に悩んでいたのよね。 あなたたちならそこらで普通にダンジョンに潜っている冒険者よりも圧倒的な壁になってくれるかと思ってね。」



 「は~い!!私やってみたい!!」



 「一番元気だけどな、美羽…多分お前が一番向いてないよ…。」



 魔法的な意味なら光線を出せるため向いていると言えるだろうが、ミウはどこまで行ってもニコルの下位互換にしかならんな。



 「とりあえず明日またいらっしゃいな。 普段は教員の試験なんてやらないんだけど、その見た目で舐められることもありそうだからね。 度肝を抜いてあげなさい。」



 悪い笑みを浮かべてカルテは主人公にそう告げた。


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