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俺?ダンジョン!?  作者: 東歌
冒険者編
22/132

天神のダンジョン⑤



「だ、大丈夫なんですかね」



 8層に入ってから心配になってきたのか主人公は辺りをキョロキョロと見渡す。



 「とりあえず10層のセーフティエリアまでは問題ないわよ」



 セラが言う通りに8層と9層は問題なく進むことが出来た。この世界のスライムはデロデロした不定形で核も無いが、ボス戦以外は魔法属性付与をすればはじけ飛ぶようなものだった。



 「【ファイアエンチャント】」


 「【アイスエンチャント】」


 「【エレクトリカルエンチャント】」



 「【詠唱省略 フレアキャノン】」


 「【詠唱省略 エレクトリカルショック】…ふぅっ」


 「【詠唱省略 アーススマッシュ】……ぜえっ…ぜぇっ」



 スライムは色によって属性が変化するらしく、雑魚戦では問題の無かった属性相性もボス戦では対策必須になるらしい。 結果的にボス戦でセラはアラン達にエンチャントを与えるのに加えて属性ごとの火力の高い魔法を連発したからか、9層のボス戦であるカラフルスライムを攻略する時には息も絶え絶えの様子であった。



 「おいセラ!!セラ!!無理してんじゃねぇよ!!」



 「どうせ10層はセーフティエリアよ…ぜぇっ、ぜぇっ…【詠唱省略 合成魔法 エレクトリカルフレイム】……ごほっ、ごほっ、ごぽっ…」



 「セラさん!!【オールヒール】」



 カラフルスライムを倒すために体力までもを魔力に変換したのかセラは血を吐き出し、気を失った。



 「アランさん、流石にこれ以上は…」



 「そうだな…10層までにしておくか…」



 しかし、よくよく考えるとおかしい。 アランやマックスのパーティーは今まで天神のダンジョンを攻略してきたはずだ。 まるで今回に限って与えるダメージ量が減っているかのようだ。



 「それにしてもおかしい。 何故こんなにもダメージが入らない? 何かが起こっているのか…?」



 アランもおかしいと勘づいたようだ。



 「やっぱり何か起こってるんですか?」



 「流石にボスが硬すぎる。 おそらくだがゴブリンやオークも強くはなってたんだろう。 今回に限っては俺やツクルがいたことが裏目に出たな」



 セラを介抱しながら一行はセーフティエリアへと入っていった。






 「セーフティエリア…は流石になんともないようだな。 ちょっと待ってろ、すぐにテントを組み立てる。」



 悠長に組み立てる暇がないため、高速でアランがテントを組み立てた。



 「マックスとノエルはセラを介抱してやってくれ。 俺はギルドへと連絡する。 ラインとツクルは…何か栄養の付くものでも作っていてくれ。」



 「「「「了解です!!」」」」



 全員あたふたしながらもテントの中で分かれていった。







 「ラインさんは以前もパーティーで天神のダンジョンに入ったことはあるんですよね? その時ってどうだったんですか?」



 ガーリックステーキやレバニラを作りながら主人公はラインに尋ねる。



 「そうだな…あの時はセラの属性付与だけでボスも十分に戦えていた。 ましてやセラが高火力の魔法や合成魔法を使うことなんてなかった」



 「てことはやっぱり今のダンジョンはおかしいってことですね」



 「ああ、そうだな」






 食事を作り終わって二人はリビングに戻ってきた。そこには、



 「ノエル? セラは大丈夫なのか?」



 ちょっとぐったりしたノエルが椅子に座っていた。



 「ええ。 魔力を使い過ぎたことが一番の原因だったので、安静にしておけば問題ないです。 それでもマックスさんは心配だったのかずっと傍で見ていますけどね」



 「それならよかったです」



 とりあえずセラは無事のようなので、ギルドに連絡を送ったはずのアランを3人で待った。






 「ど、どうしたんですか…?」



 戻ってきたアランはなにやら悩んでいる様子だった。



 「ん…ああ、いや、とりあえず外から見ると天神はいつも通りらしい。念のため確認をギルドに任せたんだが……それとは別に緊急で戻らなきゃいけない用事が出来た」



 「…どうやって戻るんですか?」



 詳細は聞かない方が良いかと思ったのか主人公は戻り方だけ聞いたが、戻り方は簡単で、青く発光した立方体を使用するだけのようだ。 いつぞやのレベル保存の色違いである。


 アランは人数分の立方体を用意すると…



 「すまないが先に戻らせてもらう。 食料入りの小型のアイテムバッグも置いていくから、セラが起きて問題ないと思ったら全員でダンジョンから出ろ。 宿屋もそのままアリスに任せておくから、俺がいなくても気にするな。」



 そう捲し立て、立方体を握りつぶした。 それと同時に青い光がアランを包み込み、その場から消え失せた。



 「と、突然でしたね。」



 「まあアランさんのことだ。 問題はないだろう。」



 まるで嵐のように過ぎ去っていったな。






 その後は3人でこれからのパーティーのことなどについて話していると、



 「だからあんたは心配しすぎなのよ。 最悪死んでも蘇生するから問題ないでしょうが。」



 「それでも心配はするだろ!!」



 「…ありがと」



 バカップルがリビングに入ってきた。



 「セラ、問題なさそうでよかったぞ」



 「ほんとに良かったです」



 「セラさん、これどうぞ。 ステーキとレバニラです。」



 特に問題はなさそうな様子だったが、主人公は一応栄養がありそうな食事を出した。





 その夜はマックスが絞られたとだけ言っておく。


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