転生
気が付いたら真四角の部屋の中に立っていた。壁はまるで洞窟のようで、部屋の中央にはダンジョンコアらしきものが台座の上に収まっている。おそらくここが神が作ったであろうダンジョンの中だということが予測できた。
「ふむ、転生し終わったということでいいんだろうな。 それで?ここからどうすればいいのかとかは聞いてないが?」
≪ダンジョンコアにお触りください≫
誰のかはわからないが声(音)が頭の中に響いた。
「触ればいいんだな」
といいつつ触れてみる
≪ハロー、マスター 私はダンジョンのオペレーターです。 マスターのサポートとして神に生み出されました。これ以降はマスターのスキルとなってサポートをするので、スキル化の了承をお願いします≫
「了承する。………がぁっ…ぐぅっ」
了承した後に頭が割れるような痛みが引きおこる。スキル化の影響なのか気絶はしないまでも永続的にずきずきとした痛みがある。
「ぐぅ…はぁっはぁっ、痛みがあんなら先に言っとけよ!アホか!?」
≪すみません。 生物にスキル化などしたことがないので、まさか痛みがあるとは...≫
「確認作業はしとけやぁ!!」
確かに了承したとはいえ中々にひどい仕打ちである。
「それで?神からは深淵のダンジョンの能力を引き継ぐっつー話だったが? 改善したにしてもどんな能力になってんだ?」
≪というと思われましたので、自身に掌を向けて鑑定と唱えてください。 私のスキルの中に鑑定が付与されてますので≫
「あいよ。【鑑定】」
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名前:斎藤 造 サイトウ ツクル
性別:男
種族:ダンジョンマスター
職業:ダンジョンマスター
LV:1
STR:999
VIT:999
INT:999
DEX:999
AGI:999
LUK:999
装備:冒険者セット
スキル:なし
ユニークスキル:なし
オリジナルスキル:深淵のダンジョン 言語理解
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「突っ込みどころがいっぱいあるなぁ…」
≪どうぞ?≫
「まず、種族ダンジョンマスターってどゆこと?」
≪神が肉体を作り替えた際にステータスに合うようにいじった結果です≫
「次、レベルが1なのに色々カンスト?してる理由は?」
≪レベルが1なのは肉体が新しいから、ステータスがカンストしてるのは鑑定レベルが低いための表示限界です≫
「まだ表示しきれてないのかよ… スキル、ユニークスキルがないのも肉体が新しいからってことだな。」
≪肯定≫
「なるほどね、深淵のダンジョンの詳細は表示できんの?」
≪一部肯定、すべては表示しきれません≫
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【深淵のダンジョン】
能力:ダンジョン操作 配下生成 罠生成 オペレーター etc.
特殊能力:融合 ガチャ
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「なるほどな、ACOの要素は特殊能力になってると…十分、いや十二分だな。
オペレーター、ACOでは仕様上絶対にできなかったが、これが現実だというならやりたかったことが一つあってな、ゲームではダンジョンの攻略条件として、ダンジョンマスターの殺害、もしくはダンジョンコアの破壊ってのがあった。
それで1つ質問だ。 何故ダンジョンコアをそのままにしておく? 本当に攻略されたくないなら弱点となる部分は少なくするべきだろう?」
≪仕様としか言いようがありません。ダンジョンとはダンジョンマスターとダンジョンコアの両方があってのダンジョンです≫
「そうだな、ダンジョンマスターもダンジョンコアもどちらもダンジョンには必要と… それならやってみようか、ダンジョンコアとダンジョンマスターの【融合】」
≪っ!!否定。どうなるか予測がつきません≫
「まぁ失敗したらその時だ、神様とやらがまた蘇生させてくれるだろうよ」
「それじゃあ…【融合】…(ブツン)」
その言葉と共に眩い光がダンジョンを埋め尽くす。
【融合】をした時に何が起こったのかは分からない。だが、一つ言えることは神の改善は神の想定以上に『うまくいってしまった』 おそらく通常の状態であるならば、ダンジョンコアとダンジョンマスターが融合するならば、ダンジョンコアにマスターの思考が取り込まれ、動けなくなる、もしくはダンジョンマスターの脳が情報の波に耐えられず廃人になる。といったことが起こったのであろう。
しかし、このダンジョンは神が手をかけて作ったものであり、ダンジョンマスターの肉体も神が作ったものであった。そのおかげといっていいかは分からないが
『成功してしまい、バグった』




