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俺?ダンジョン!?  作者: 東歌
冒険者編
17/132

天神のダンジョン③



 「お~い、すまんがアイテムバッグ持ってきてくれ~!」



 1時間ほど談笑していると、扉が開き中からアランの声が聞こえてきた。



 「見てきた方がいいぞ」



 と、ラインにアイテムバッグを渡される。 そんなに酷い光景なのかと思いながらも主人公は扉の中へと入る……



 「あぁ、ツクルが来たのか。 それなら言っておくが、ゴブリンはドロップアイテムを落とさないぞ。」



 「それでいて…これですか?」



 アランが立っていたであろう部屋の中心部を除くと、足の踏み場もないくらいオークのドロップアイテム(肉)が積み上げられていた。 しかもゴブリンのドロップアイテムは無いことを考えると、アランがこの1時間でどれだけの数と戦闘を繰り広げていたのか予想もできない。


 アランの手伝いをしてすべての肉をアイテムバッグに詰めてからマックス達のもとに戻ると、マックス達の姿はどこにもなかった……………なんてこともなく、テントの中からひょっこりとセラが姿をあらわし、アランにこういった。



 「いつの間に異空間系のテントをゲットしたのよ…これじゃあダンジョンに泊まる醍醐味がないじゃない…」



 「すまんな、でもこっちの方が楽だろ」



 主人公もテントの中に入ると、中はリビングのようになっていて、隣接しているキッチンからはノエルの鼻歌が聞こえてくる。



 「そういえばそろそろ昼だったか。 オーク肉ちょい渡してくるわ」



 アランもキッチンへと入っていった。



 「で!?どうだった!?」



 「どうだったってのは、ドロップアイテムの数を見てってことですよね? なんでアランさんはあの中に入ってノーダメなんでしょうか?」



 「伊達に英雄と呼ばれてないってことね」



 「後で俺入るとか言ったんですが…」



 「「……ドンマイ。」」




 ~昼食タイム~

オーク肉うまうま




 「じゃあ今度はツクルも一緒に入るか。 マックス達は流石に危ないからダメだが、お前なら問題ないだろ」



 「(助けて!!)」



 主人公はマックス達に目線で訴えるが…



 「じゃあ俺たちは4階と6階周ってくるんで、頑張ってください!!(すまんな!)」



 「ツクルなら大丈夫でしょ。(ごめんね)」



 「が、頑張ってください(ごめんなさいツクル君)」



 「諦めて犠牲になってくれ(俺たちはモンスターハウスを安定して攻略できないからな。)」



 ライン!逆!それ逆!!





 ギーーーバタンッ



 二人が扉の中に入ると、ボス戦の時のような靄に部屋全体が包まれた。



 「こ、これ大丈夫なんですか!?」



 「おう問題ねぇ、出た瞬間倒せばずっと1対少数を続けるだけだからな【権能:闘神】」



 「それ本気出さないと間に合わないってことですよねぇ!!??(ラフィス!)」


 ≪了解です≫


 「≪纏い≫」



 準備が整ったその時、靄がゴブリンやオークの姿を形作り、2人の方に突っ込んでくる。


 アランが言ったように一度に出てくる数は少ないらしく、実体が現れた時点で殺れば問題なく立ち回れそうだ。



 「≪それでっ!?アイテムとかっ!!ドロップしてっ!!ないですよっ!?≫」



 「ドロップアイテムは最後にまとめてばらまかれるぞ。 そうでもなきゃ全部踏みつぶされるだろ」



 「≪それもっ!!そうっ!!ですねっ!!≫」



 余裕そうなアランに対して主人公は忙しそうだ。


 そうして現れたゴブリンやオークを倒しながら30分ほど戦っていると…



 「そろそろボス戦のやつらも混じってくるから急げよ~~」



 アランが気が抜けるような話し方で恐ろしいことを言ってきた。



 「≪はは、もう喋る暇もなさそうですね≫」



 ゴブリンナイトやゴブリンウィザードに加えて、主人公が戦っていないオークイポティスやオークビショップまで現れる。


 アランも流石に遅れたら面倒だからかしゃべらずに戦っている。ドゴッ、ドガァッという音が立て続けにそのまま20分ほど続くと…



 「ふぃぃ…ラスト10分はキングだけだから楽だぞ~」



 「≪はぁ~~~疲れました それなら楽ですねっと≫」



 普通のパーティーならここが一番つらいのだが、どちらにしろワンパンだと考えると物量でゴリ押してくる後半20分の方が大変らしい。



 「これでラストかな  あっツクル、そこにいると」


 バキィッとオークキングが叫び声も上げずに消えていった。



 「≪お疲れ様でした… って え゛?うわぁぁぁぁぁぁぁ」



 モンスターハウスは全モンスターを討伐するとドロップアイテムがばらまかれる。 つまり、立つ場所を間違えると、



 「うぅ…生肉の匂いが…」



 今回はオークのドロップアイテムなので、生肉の肉崩なだれに巻き込まれた。







 「あら?タイミングいいわね。」



 ドロップアイテムの回収をアランに任せてテントまで戻ってきたぐちょぐちょ主人公を見てセラはそういう。



 「何がですか?」



 「ノエルも顔面からオークの血を被ったから戻ってきたのよ お湯沸かしたし、一緒に入ってくれば?」



 セラはニヤリと笑いながら主人公にそう告げた。


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