ファインド襲来 前編
3月12日の5時。自然とこの時間に起きた。支度をしよう。
厨房に立った私は、朝食を作るために久々の料理をした。お菓子作りとかしたことないからなぁ。
うまくできるだろうか。私に女子力なんてものはない。
久々に作った割には美味しかった。…とそこに電話がかかってきた。
『早朝にすみません、咲魂です。』相手は早姫さんだった。
「どうしたの?」
『そちらの方に月輪さんおられませんか…?』
外をインターホンのカメラ越しに確認した。だがいなかった。
「いないけど…何かあったの…?」
『月輪さんって、5時ぐらいには警察署にいるらしいのですが、いないんですよ…。』
戦慄が走った。
「え?ちょっと待って…。そっち行きます。」
『はい、お願いします…。』
道路交通法に引っかからない程度に車を飛ばした。遙申曰く、希々さんは規則正しい生活を送る人と
聞いたから、寝坊なんてことは無いと思う…。いや寝坊であると信じたい。
私が警察署に着いた時も、希々さんの姿が見えなかった。
「小遙さん、おはようございます。俺も咲魂さんから聞いたんですが、月輪さんがいないとか…。」
そう言ったのは、青海影木。
2人と合流し、居そうな場所を捜そうと思ったが、そんな必要はなかった。
「あ、皆さんおはようございます!」
そう後ろから声をかけてきたのは紛れもない希々さんだった。
「つ、月輪さん!今までどこにいたんですか!」早姫さんが問いただす。
「警察署の地下にいました。上層部の方々から“これ使っていいよ!”って言われたんで。」
そう言うと、希々さんに案内されて地下の格納庫という場所に案内された。
「交通規制兼追跡ロボ…ファインドですっ!」
希々さんが嬉しそうに紹介したこのロボ…どう考えても機関銃つんでるじゃん…?
「ファインド…そう言えば、所属するときに聞いたっすね…。許可された人しか扱えないって…。
ってことは月輪さん…?」
「そうです!許可を頂きました!」
…上層部何か企んでないか…?
10時。結局私はいることになった。助手3人からの頼みだった。…なんか照れる。
13時。昼食を食べ終わって、席につこうとしたら、通報があった。
『藍丸自動車道にて当て逃げ事件発生!逃走車両はウラン町(南)に向かって逃走中!現場には
数台PCが追跡を始めているが、なかなか追いつけないもよう。至急応援願う!』
「艦艇警察署了解、4人向かいます。」
「高速道路…ですか。…ってことは早速ファインド使えちゃうのでは?」
私たち3人はパトカーに、希々さんはファインドに搭乗した。
自動車道…ようするに高速に乗って追跡を始めた。もちろん、高速にぴったりのパトカーを選別
したのでそこそこ追いつけるだろうし、こっちにはファインドだってある。
「ナンバーは…24-47ですね…。ほかの方々が追跡しているはずなので、私たちもそれに加担するか
検問をしくかしましょう。」
…そういや私たちって捜査一課よね…?なんで交通機動隊と同じことしているんだろ…。別に
いいんだけど。
一方ファインドは、1人乗り用であるため、私たちまで搭乗できないが、通信技術は完備されている
ので、無線さえつなげれば連絡が取れる。
で、遂にもともと追跡していた警察署の方々が痺れを切らしたのか、逃走車両のタイヤのパンクを
許可させた。でも私たち銃持ってきてないのよね…。というか、遙申によると、玄武課長とか
いう人の一件で拳銃に対する規制が強まったそう。
「希々さん、ファインドって機関銃つんでます?」
『機関銃はつんでいるようですが、弾丸が大きいですから、パンクどころじゃ済まないかと…。』
「当たり所によっては死体がでてきますね。」
『ですね!…あ、操縦席にタイヤパンク用のライフルがありました。』
あるの?!しかもパンク専用?!そんなものあるんだ…。
無線からの反応が途絶えると同時に、ファインドの操縦席が開き、希々さんがライフルを構えていた。
「うわぁ…希々さんが銃構えているところ初めて見るっす…。」
ライフルが ピシュン という奇妙な音をたてた。そして、放たれた弾丸はタイヤに命中し、パンク
させることができた。だが、逃走車両はまだ停まらなかった。
「むー、高速降りられたら被害が出てきそうだなぁ…。」
「むーって…。」早姫さんは驚いているのか、嬉しがっているのか分からない表情で聞いた。
そうしていると、ファインドは勢いよくジャンプした。そして驚いたのは飛びながら操縦席のハッチが
開き、希々さんが射撃した。そして右前輪にあたった。…え?車が動いている+ファインドが動いて
いる+浮遊中だよ…?よく当てれるなぁ…。
逃走車両は、遂に制御が効かなくなったか、スリップしそうになった。
「そろそろ止めたほうがいいよね。というわけで希々さん、止めれるかな?」
『承知しました~。』
そしてファインドは素早く逃走車両の前方にまわり、強制的に停車させた。高速道路のど真ん中だが
仕方ない…。どうやら既に、交通規制はしてくれているっぽいので、端にどうにかよせて聞かねば。
停める…運転手の意志でとめること
止める…他人の意志でとめること
(Google先生より)