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謎を紐解いて  作者: キョンシー
第3章 月輪希々の謎を紐解いて
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月輪希々の謎を紐解いて 前編

遙申さんの助手的存在の1人である、月輪希々さんについて調べていきます。

彼女は元暗殺者という異名の前歴を持っている…。その理由とは…?

 3月8日。せっかくだから、助手について詳しく知っておこうと思った。…まずは一番気になる存在の

月輪希々(つきわきき)さんからだろうな。

月輪さんは3人の助手の中では最年少である。背は165センチぐらいだろう。そんな彼女は元暗殺者。

「そういや月輪さん、なんで暗殺者なんかになったんですか?」

「…。」だんまりしていた。

「あ…話したくなかったらいいですよ…。単に気になってしまって。」

「いや大丈夫です…。いきなりすぎてびっくりしちゃっただけなんで。」

そう言うと彼女は語りはじめた。

 暗殺者になったのは親が暗殺者だったからで、自分が入りたいと思って入ったわけではないそう。

前述のとおり、親が暗殺者で、自分はほかの道を選ぶことができなかった。

7歳のころに組織に入り、体力をつけるために日々訓練の繰り返しだった。暗殺者と言っても、暗殺

という仕事ができるようになるのは13歳以降らしく、小学校の時は、基礎訓練ばっかりだったそう。

もちろん、子供だからって訓練は甘くなく、武器の使い方や逃走術やらなんやらをやらされた。

厳しい訓練が終わった夜に吐血は日常茶飯事。食事・寝る以外の休憩は一切無かった。

「思ったより過酷なんですね…。」同情してはいけない…だが同情してしまう…。

「そんな訓練はしたけど、実際に殺めたのは10人程度。しかも殺されて当然な人ばっかりでした。」

殺されて…当然な人…?そんな人なんているのだろうか…。

「ほとんど死刑囚で脱獄した人ばっかりだったんですよ。…まぁ私用にそういう人を殺めろっていう

指示が出てたのかもしれませんが。でもそういう類の人だけであって、なかなかに強敵でしたよ。」

たしかに、刑務所から脱獄するやつとか、相当やばそうだもんな…。

「やっぱ投げナイフで即死させるんですか…?」

「いえ、瞬時に仕留めていたわけではないんです。基本的には投げナイフで声帯を潰しつつ、

絶命するまで投げ続けるんですけど、避けたり生き延びた際は別の武器を使います。」

「即死させることもあるんですよね…?」

「えぇ、凶悪な人間じゃない限り即死させますが、凶悪な人間だった場合、痛みを感じてもらってから

殺すんです。…私はさすがにしませんでしたけど。」

「けっこうつらかったですよね…。」

「特に学生時代の時は、通学と暗殺の両立ですから。誰かに暗殺をしているなんて言えるわけもなく、

隠し通すのがつらかったですが、体育の授業とかは1人ずば抜けた才能を持っているって言われて、

危うくバレるところでした。」

「なるほど…、じゃあ警察になった理由は…?」

「そりゃ、暗殺という仕事が嫌だと思ったからですよ。自分が犯した今までの罪を償いつつ、犠牲に

なった被害者のために犯人を暴きたいと思ったので、捜査一課のほうに来ました。」

…本当だったら、暗殺者をしてましたなんて言えない…。けど言ってこうやって警察として活動

しているということは、自分が犯したことを理解してるんだろうなぁ。



 家に帰宅した。

「帰りました~。」

…、反応が無い。寝ているのだろうか…?さすがに姉さんでも夕方に寝ることは少ない…。一応

姉さんの携帯電話にかけてみようかな…。

……、でない。

 寝ていると信じつつ、姉さんの部屋までいった。

「姉さ~ん?入りますよ~?」

「ん…、おかえり遙申はるた…。体調悪くて寝てた…。」ゆっくりと起き上がる。

体調が悪い姉さんなんて滅多に見たこと無いから、違和感を感じてしまう。可哀想に…。

「もう夕方かぁ…。30分だけ寝てたつもりなんだけどなぁ、1時間寝てしまったなぁ…。」

「30分ぐらいいいじゃないですか。ゆっくりしててね。」

「そういうわけにもいかないんだよ。」いつになく姉さんがバッサリと言う。

「え?もしかして悪化しちゃったとか…?」

「いや?その逆だよ、良化していってる。だから、30分という時間でも私にとっては重要なんだよ。」

悪化してるならまだしも、良化していってるのに重要…。姉さんにとっては、動けるときに動かないと

いけないということなのかな…?

「で、遙申。どうやら元暗殺者の月輪希々さんについて調べてきたみたいだけど、どんな感じ?」

?!なんで分かるの…?!盗聴器でも仕組んである?!

「確かに月輪さんについて調べました…。けどなんで知ってるんですか…?」

「え?合ってたの?…遙申の性格上、遙申に携わる人についての詳細を知ろうとするし、助手のなかで

一番気になるっていったら、そりゃ元暗殺者でしょ。」

…凄い…、さすが姉さんだ…。

「姉さん、探偵になったらどうですか…?」

「探偵になったらいつか警察と対立しちゃうでしょ。警察と対立する=遙申と対立するってことに

なるから嫌だよ。いつまでも遙申の味方でいたいの!」

姉さんはもじまじしながらそう言う。対立するかはどうかは分からないけど。

 明日はもう1回月輪さんに訊いてみるかな。

次回、月輪希々の心のほぐし編

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