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謎を紐解いて  作者: キョンシー
第6章 青海影木の謎を紐解いて
12/21

青海影木の謎を紐解いて 後編

 17時。そろそろ勤務時間も終わりそうなので、ささっと片付けした。

「あ、中月先輩、これ一緒に持って行ってくれませんか?」そう言ったのは青海影木あおみえいきさん。

「了解でーす。…これどこから持ってきたんですか?」

「2階の資料室ですね。五十音順には並べてあるんで。」

青海さんの仕事の速さは、咲魂さごん早姫さきさんや月輪つきわ希々(きき)さんは勿論、姉さんまでも認めるほど速い。

やっぱりできる人なんだなぁ。

 資料を片付けて、上に戻るときに南斉なんざいさんと出くわした。

「あ、中月さん、馴染んだかい?」

「えぇ、だいぶですね。というか、皆さんが僕に合わせてくれてますね…。」

「そうかい、俺の時もそうだったなぁ。」

「わざわざね、合わせなくたっていいのに…。」

「でも中月先輩に合わせていくと、けっこう物事が進むんで、合わせたいですね。」

とかいう会話をしていたら、15分が経っていた。

 捜査一課の部屋に戻ったら、女性陣営がお茶会をしていた。

「あ、おかえりなさいませ。」

「おかえりなさいませっ?!」

「え?私変なこと言ってしまいましたかね…?」咲魂さんは不思議そうな顔をしていた。

「まぁ…“おかえりなさい”とは言われたことありますけど、“おかえりなさいませ”は言われたこと

無いので驚きましたね…。」

「もしかして咲魂さん、そういう家柄で…?」

「えぇ。あ、もしかして姫魂きごん電力をご存じでないですか…?」

「姫魂電力…たしか昔は藍丸市をはじめとする複数の都市の電力を担って、今では全国に広まっている

けっこう有名な電力会社ですよね。」

「で、私の名前の漢字思い出してみてください。」

「えっと、咲く魂に…早い姫…。あっ?!早姫さんの姫っていう漢字と、苗字の魂が一致しますね…。」

「へぇ~、ってことは早姫さん、ご令嬢か何かなんですね。あとはなんか使用人って感じもします。」

「あ、さすが影木さん。あってますよ!」

…仕事が速いのもそうだけど、推理もできるし速いし…羨ましい限りです…。

「ご令嬢で、使用人で、警察官…。大変ですね…。尊敬します。」青海さんは深々と頭を下げた。

こう見ると、青海さんも礼儀が正しい人だと再認識させられる。できる人だからって、自分の能力を

誇張することもなく、礼儀を正して活動をしている。当たり前のことが当たり前にできるからこそ、

動けるし、頼りにされる。青海さんはまさにそうだ。


 19時15分。帰宅した。

「帰りました~。…姉さん、玄関で寝てたら風邪ひくんでリビングで寝るか、自室で寝るか選んで

寝てください。」

「ふぁぁぁぁ…、なんで私ここで寝てるんだろう…。ふぁい、寝室に戻ります…。」

そういうと、姉さんは半分眠りながら階段を登ろうとした。が、止まった。

「…その様子だと、今日は事件が無かったから助手について調べてきたかんじかな?」

「正解です!さっすが姉さん~。」

「そっか。で、誰を調べてきたの?」

「青海さんですね。まぁまぁ凄い人だってことが分かりましたよ…。」

「やっぱり~?仕事する速さは速いし、けっこう丁寧に書類とかまとめていたし、いい人だとは

思っていたけど…。」

姉さんさえも思うほど、青海さんは凄い人だ。

「あんなに仕事を真面目にする人初めて見ましたよ。」

「ねぇ~。凄いよね~。」姉さんは目を細めて笑っていた。…笑顔ではあるのだが。どこかヒヤッと

する表情である。

 そんなこんなで、姉さんは就寝に入った。あんなすぐに寝るということは、疲労が溜まっている

証拠だ。ゆっくり休んでてほしいな。

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