青海影木の謎を紐解いて 前編
今回は助手的存在の1人、青海影木さんについて迫っていきます。
やっと艦艇警察署に帰ってこれたし、姉さんとも触れ合えるようになった。昨日、左腕にナイフを
深く刺されていたが、傷跡がまったくもって見えない。回復能力高すぎだ…。
さて、警察署に着いたが3日ぶりだからなぁ。何をしようとしてたかすっかり忘れてしまった。
…確か前は、月輪希々さんの話を聞いたから…今日は青海影木さんかな。
6時30分にも関わらず、席にいた。なんかこの班来るの早いんだよなぁ。
「あ、中月先輩おはようございますっす。」
「おはよーでーす。」
そういうと、青海さんは手に持っていた資料を置き、外に出ていった。お手洗いだろうか。
たぶん売店に行くことは無いと思った。何故なら、机の上には売店に売ってある食料があったし、
飲み物に関しても、月輪さんが淹れてくれるから買うまでもない。そんな無駄な予想立てても意味は
無いけど。
2分後、青海さんは帰ってきた。どうやら、資料室に行って資料を借りてきたみたいだ。
「そういえば青海さんって、どうして警察になろうと…?」
「どうしてかって言われると返答に困っちゃうんっすよね…。自分で言うのもあれですが、成績とか
わりかし良いほうだったので、選べる道はたくさんあったんですよ。」
へぇ、それは驚きだ。
「でも、たくさんある中で警察を選ぶって、相当珍しいと思うんですが…。」
「よく言われるっす。“なんで警察とかいう道を選んだんだ”って。」
「確かに言われそうですね…。特に僕らみたいな捜査一課は、死と隣り合わせですし…。」
「まぁ、俺もなんでも選べるから適当に選んだわけじゃないっすよ?カテゴリーに分別して人を救おうと
する職業に就きたいと思ったのがきっかけです。ただ、なんで警察を選んだかは分かんないっすね。」
要するに道がありすぎて困ったのだ。ちなみに僕も、そこそこ選べたので迷った。すると姉さんは
警察を推薦した。だが、姉さんは後悔したようだ。
8時。いつもより遅れて咲魂さんが出勤した。
「すみません遅くなって。」申し訳なさそうに深々と頭を下げる。
「どうしたんっすか…?」
「いやー、ちょっとヤクザに絡まれまして…。」
…これを言ったらセクハラとか言われそうだから、言わないでおいたが、咲魂さんは普通にスタイルは
いいし、私服だと警察官っていう印象はない。
「大丈夫でした?」
「危うくお金を巻き取られそうだったので、使いたくなかったですが、警察手帳見してちょっと
説教してきました。」
ヤクザなら、警察とか関係ないとか言い出してもおかしくはないのに、よく言えたなぁ…。
「まぁ、無事で何よりっす。」
「あ、お茶どーぞ。」月輪さんはいつの間にかお茶を淹れて差し出していた。
正午を過ぎたころ、青海さん呼ばれた。
「先輩にちょっと聞きたいことがあるんっすよ。」
「ん、どうしたんですか?」
「俺のこの喋り方、やめた方がいいっすかね?最近、同僚にこうやって喋るのなんか失礼だなって
感じちゃって。」
「うーん、かと言って敬語だと逆に嫌な人もいるし、タメ口もなんかねぇ…。迷うよねぇ。」
「あ、先輩みたいに敬語とタメの混合はどうだと思います?」
「いいんじゃない?まぁ僕は姉さんから、“常体と敬体が揃ってなくて可愛い~。”なんて言われて
いるんですけど…。今みたいな感じで。」
「なるほど、次からそうしてみます!」
結局は上手く使い分けれたもん勝ちよね。
次回、なじみ編