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謎を紐解いて  作者: キョンシー
第5章 ファインド襲来
10/21

ファインド襲来 後編

豹変はつきもの

 どうにかして端に寄せた。そして疲れきっているのか、怒っているのか分からない表情の運転手に

夏農なつのう警察署の人が職質を開始した。

「んじゃあ、まず名前と年齢、それから職業を言ってもらおうか?」

「…藤堂信二とうどうしんじ34歳。職業はシェフ。」ぶっきらぼうに答えた。

「ほう、じゃあ次。なんで当て逃げしちゃったの?」

「…それは急いでたからなんだ!今日はレストランで食事を提供しなきゃいけなかったんだが、寝坊

してしまって…。…なぁ見逃してくれよ……?」

「う~ん、切符は切らないといけんし、艦艇警察署の人にまで応援に来てもらったからなぁ…。」

「た、頼むよぉ…。だって俺を待っている人がいるんだぜ?あとでちゃんと納金しにいくから…。」


小遙こはるさんどうします…?」希々(きき)さんはどっちかと言えば捕まえてほしいような顔をしている。

「私は専門家じゃないから分からないけど…、パンク命令も出たんだから、けっこうアウトラインに

入っているのでは…?」

そういった瞬間、この藤堂信二は豹変した。

「チッ…これだから警察は…。こっちには待ってくれている人がいんだよ!どーぜ、お前らみたいな

やつらにはそんな相手いないだろ?俺以外の犯罪者でも捕まえとけ馬鹿どもが。」

…前から思っていたけど、私が火に油を注いでいる気がする。

「待ってくれている人がいるいないの問題じゃないんだ!あなたは当て逃げという立派な犯罪を犯して

いるんですよ?少しは反省してください。」

「はぁ?黙れ。」窓から瞬時にナイフを突き出した。刃が私の左腕に深く刺さった。

「……っ、凶器…持っていたんですね…。ですが、これも立派な犯罪…、傷害罪です…。」

私はゆっくりとナイフを抜こうとした…。だが、深く刺さり過ぎて引き抜くことが難しかった。

「いたたたた。ったく…深く刺し過ぎです…。」

「知るか。」

もちろん、この人は即逮捕になるが…制裁を加えたい…。けど私にはそんなことができる立場では

無いからなぁ。とか考えていたら、逃走車両の前に見たことのある()()()が停まった。

「ちょっと、僕の姉さんになに傷負わしてくれているんですか。」

そう言ったのは、紛れもない私の弟の、遙申はるただった。

「なんだと?」

「道路交通法違反、器物損壊罪、公務執行妨害罪、…傷害罪もですね。というわけで、逮捕させて

いただきます。」

遙申はそう言うと、素早く車から降ろし、手錠をかけた。

「は、速い…。さすがだよぉ…。」弟の行動の速さにうっとりしていた。

「…あと、これは私情でしかないんですが…、姉さんに深い傷を負わせたということで、厳しく

制裁を下しますので、覚悟しておいてください。」

「は?ふざけんなよ!」

「ふざけてるのはどっちだよ。…すみません、暴言が出てしまいました。とりあえず、厳しく

罰するのは、本当に行わせていただきます。道路交通法、器物損壊、公務執行妨害、傷害の4つの

罪で問われるのは確かですから。…ではあとは夏農警察署の方々に任せます。」

「え?いいのかい?実質捕まえたのは艦艇警察署の方だと思うんだが…。」

まぁ、ファインドでやっと止めれたからね…。

「でも俺らは全然かまわないっすよ?」パトカーの中で見守っていた影木えいきさんが言った。

「えぇ、私もそれに賛成です。」同じく見守っていた早姫さきさんも言った。

「そういうなら…。」


 こうして、短時間に罪を犯しまくった犯人は逮捕された。そしてそのあと、レッカー車を待っている

間に、遙申の装甲車に乗り込み、睡眠薬を飲まされた。

 …5分後目が覚めると、左腕に刺さっていたナイフは取り除かれ、包帯が巻かれていた。いくら

睡眠薬や催眠ガスが効きにくい体質とはいえ、5分ぐらいは効く。…どう足掻いても5分が限界

なんだけど。血液が少し出過ぎたことによって、効きやすくはなったのだろう。

「痛み、感じなかったですか…?」

「大丈夫だよー。感じてないよー。」

「姉さん、このまま装甲車で帰ります?僕は警察署のほうに行かないといけないので…。」

「むー、せっかく感動の再会ができたというのにー。」

「むーって言うの可愛い…。(ほとんど聞いていない)」


 姉さんには悪いが、これもお仕事…。仕方ないんだ。

「中月先輩、お久しぶりです!」やっぱり、咲魂さごん早姫さんは礼儀正しいなぁ。

「この3日間いろいろありましたが、なんとか頑張ることができたっす。」青海あおみ影木さんは

一見チャラそうに見えると思ったそこのあなた。大間違いです。


 一方、元暗殺者で人殺しを強制させられてきた月輪つきわ希々さんは、ファインドに乗って

警察署に帰還中だ。ファインドは、交通規制兼追跡型のロボットで、自動で動くこともできるし、

1人が搭乗して操ることもできる。ただ、右手部分に機関銃が積んであるので、誤射してしまった場合

どうなるかはだいたい察しがつくと思われる。


 警察署に帰り、しばらくのんびりしていた。明日、何もなければ青海さんについて詳しく

知ろうかな…。

次回、青海影木の謎を紐解きます。

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