青空〜第8話〜
「ふ〜…」
なんだか疲れた
ベッドに横になる
力が抜けていく
健一君…
あたしの頭の中には
そのことしかない
「…そうだ」
たしか、机の引き出しに…
「あった…」
健一君のアドレス
前に聞いたんだっけ
忘れてて、
一度もメールを送っていなかった
「…送ってみよ…」
件名 瑞季
本文 瑞季だよ
送るの遅れてごめん
返事をくれよ
『送信』
「ふう…」
なんか
ため息の数が多いな
〜ふふふ…〜
「空…」
〜恋の病?〜
「そんなんじゃないよ」
〜じゃあなによ〜
「…わかんない」
〜やっぱり〜
?
「なにがやっぱり?」
〜恋の病は、自分では気づかないの〜
何言ってんだろ
いきなり出てきておいて
♪♪〜♪♪♪〜
ケータイが鳴る
件名 健一
本文 よう、トロか
俺も忘れてた〜
まあいいや
とりあえず、
返事返したぞ
それだけ…
「うち明けていい…?」
〜やっぱり、悩んでたのね〜
「うん…」
〜へえ、告るのね〜
「どうやって告ろうかと…」
〜やっぱり、いまどきメールじゃない?〜
「…だよね…」
〜ほしいものは、勇気?〜
「そうかな…」
「自分でも判んない」
あたし、何言ってんだろ…
ほんとは
大好きで
大好きで
たまらないのに
伝えられないんだ…
伝えたいのに…
あの人の気持ちを
知りたいのに…
〜頑張って〜
「なによ…」
〜これしか、できないの〜
〜この悩みは、自分で何とかしなくちゃいけないの〜
「自分…」
そうだよね
自分のことだもん
「あたし、告るよ」
「勇気をありがとう」




